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神話読書会〜女神さまがみてる〜

神話読書会〜女神さまがみてる〜>掲示板

公開 メンバー数:11人

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  • from: エリスさん

    2010年09月24日 14時20分37秒

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    <(_ _)>

     申し訳ありません、今日はもう時間がなくなりました。

     朝からお給料をおろしたり、税金を払ったり、貯金をしたりで、三か所の銀行を回ったところ、どこもATMが混んでいて、いつもネットカフェに入る時間より一時間以上も遅れてしまったんです。

     「恋愛小説発表会・改訂版」は更新してありますので、今日のところはそちらをお楽しみください。

     明日も午前三時に起きて仕事に行きます。

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  • from: エリスさん

    2010年09月17日 13時52分06秒

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    「未来は視たくない・2」

     ケレーンが差し出した手紙を受け取ったカッサンドラー王女は、初めの方をちょっとだけ読んで、すぐに頬を赤らめた。
     「アポローン様が、私を!?」
     「そうだよ、姉上。すごいでしょ!」
     ケレーンがとても嬉しそうに言うので、カッサンドラーはますます恥ずかしくなって、後ろを向いてしまった。
     王女として、また巫女として、異性とはあまり接しないように育てられてきたが、年頃の娘としての感情は当然持ち合わせている。以前一度だけ、遠くからアポローン男神の姿を拝したことがあるが、その時はなんて美しい男神かと心がときめくのをどうにもすることができなかったのを覚えている。――ケレーンに背中を向けたまま手紙の先を読むと、アポローンもまたその時にカッサンドラーに好感を持ったと書いてある。
     「君様がラブレターを書くなんて、今までにないことなんですよ」
     と、ケレーンは言った。「今までは、気になる女性がいたらすぐに声をかけて、それでますます気に入ったらすぐに求婚していたんです。それなのに、姉上にはこうして順序を踏んでいらっしゃる。生半可なお付き合いでは済ませたくない、という君様の気持ちの現われだと思います」
     「そうね……でもそれは……」
     カッサンドラーはケレーンの方を向き直した――その頬はまだ紅潮していた。「私があなたの姉だからよ。大事な側近であるあなたの姉だから、粗略に扱わないでくれているのだわ」
     「そんなことないです! きっと、姉上のことが本当に好きだから、だから真剣にお付き合いしたいのだと思います。それとも……姉上は君様がお嫌いですか?」
     「まあ、そんな! 嫌うなど……」
     憧れていた男性から好意を寄せられていると聞いて、相手を嫌いになれる女などいない。
     「あんな方とお近づきになれたら、とても幸せでしょうね」
     「では、君様と会ってくださいますか?」
     「それは……私は巫女だから、先ずは私がお仕えするアテーナー女神さまにお伺いをたてなければ」
     カッサンドラーはケレーンに退出してもらうと、すぐに女神像に祈りをささげた。すると……天井から一筋の光が射してきて、彼女にこう言うのだった。
     「貞節を守って交際すると誓えるのなら、アポローンと会うことを止めはしませんよ。そして、いざ結婚が決まったら、巫女を辞めればいい話です」
     アテーナーの慈悲のある言葉に感謝したカッサンドラーは、すぐに手紙の返事を書いてケレーンに渡したのだった。
     ケレーンがアポローンの社殿に戻ると、アポローンは落ち着かない様子で部屋の中を歩き回っていた。そしてケレーンの顔を見るなり、
     「どうだった!」と食いついてきた。
     「はい、姉から返事を……」
     もらってきました――と言う間もなく、アポローンが手紙を奪い取るのを見て、ケレーンは失礼ながらも微笑ましくなってしまった。まるで十代の少年のように見えたからだ。
     手紙の返事を見たアポローンは、「おお!」と感嘆の声をあげた。
     「ケレーン! そなたの姉上がとても良い返事をくれたぞ」
     「はい、君様」
     「アテーナー姉上からも、多少クギを刺されてはいるが了承がいただけたようだ」
     「ようございましたね」
     「良し! すぐに出かけるぞ!」
     「え? 今から……姉のところにですか?」
     「そうだ。カッサンドラーに会いにいくぞ。居ても立ってもいられぬからな!」
     「しかし、アテーナー様には貞節を守るようにと釘を刺されて……もうすぐ夕方ですよ?」
     「完全に夜になる前に帰ってくれば、不謹慎にはならない! それに、もしも帰りが遅くなってしまったとしても、弟であるそなたが立ち会ってくれれば問題はなかろう!」
     「まあ、確かに」
     ケレーンのその返答を聞くと、よっぽどもどかしかったのか、アポローンはケレーンを抱き上げると、窓から空を飛んでトロイアへ向かったのだった。


     それからアポローンとカッサンドラーの清い交際は七日間続いた。その七日間だけで、二人が互いを理解し、愛し合うようになるには十分だった。
     そして、アポローンはトロイアの丘でカッサンドラーに告白した。
     「カッサンドラー、わたしの妻になってくれ。わたしと結婚してくれたら、そなたに神の力を一つ――そう、わたしが司る予言の力を与えよう」
     「予言の力……未来が見えるようになるのですね。そうなったら、私はその力でこの国を守ることができます。王女としてこんな嬉しいことはありません」
     「では、わたしの求婚を受けてくれるか?」
     「はい、喜んで」
     「ありがとう、カッサンドラー」
     アポローンはカッサンドラーを強く抱き締めた。
     「では、約束通り力を与えよう。目を閉じて……」
     カッサンドラーは、アポローンにキスをされると、それと同時に力が体内に流れていくのを感じた。
     そして、視えてしまった……。今から二年後、銀髪の娘がアポローンの前に現われて、アポローンはその娘に心を奪われてしまう。結果、自分は捨てられて、苦しみ悶えながら命を絶つ姿が。
     唇を離した後、カッサンドラーの様子がおかしいことに気づいたアポローンは、「どうしたのだ?」と声をかけた。
     「私……私!」
     カッサンドラーは泣きながら答えた。「私は、アポローン様とは結婚できません!」

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  • from: エリスさん

    2010年09月14日 06時02分29秒

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    43万突入!

     昨夜、このサークルの総アクセス数が43万を超えました。
     これも読者の皆様のおかげです。ありがとうございます。

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  • from: エリスさん

    2010年09月10日 14時55分29秒

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    未来は視たくない・1


     オリュンポスの男神の中でもNo.1の美貌の持ち主と称えられる太陽神アポローンは、それでいて恋には恵まれていなかった。
     心から愛した女性は、自分とは双子の姉にあたり、そのため相手からは「弟」としてしか愛してもらえなかった。
     その寂しさを埋めるかのように、いろんな女性に恋を仕掛けるのだが、どういうわけか振られてしまったり、両想いになっても浮気をされたり……と、踏んだり蹴ったりな結果ばかり。
     それでも、今度こそと思う相手が見つかり、アポローンは慎重に事を進めることにした。
     先ず、運のいいことにその娘の弟が、自分の側近の一人だった。
     アポローンはその弟――ケレーンを呼び寄せると、一通の手紙を差し出した。
     「これを、そなたの姉の――あの、トロイアのアテーナーを祀る神殿に仕えている巫女殿に、渡してくれぬか?」
     「これは……」
     後にアポローンの娘婿となるケレーンは、この時十六歳だった。
     「ラブレター……ですか?」
     「まあ、そういうことだ」
     それを聞いて、ケレーンは嬉しそうな笑顔を見せた。
     「ありがとうございます! 君様が我が姉をお見染めくださるなんて、なんて光栄でしょう! 姉はとても素敵な女性なんです。母親の違う弟であるわたしにも、とても親切にしてくれるんです」
     「そう、他の兄弟たちは、そなたの母親の身分が低いのを馬鹿にして、そなたにいじわるする者も多いのに、巫女殿と、そして長兄のヘクトールだけはそんなことをしなかった。だから目に留まったのだ。……さあ、行ってきてくれ、ケレーン」
     アポローンに促されたケレーンは、手紙をしっかりと掴むと、アポローンから下賜された空飛ぶ馬でトロイアまで向かうのだった。
     そのトロイアの王宮から少し離れたところに、アテーナーを祀る神殿があった。ケレーンは迷いもせずにその中央にある「祈りの間」へ足を踏み入れた。
     そこで、黒髪の少女が女神像にひざまずいて祈りをささげていた。
     「姉上! カッサンドラー姉上!」
     ケレーンの声で、少女は立ち上がり振り返った。
     トロイアの第二王女カッサンドラー――この時はまだ十八歳だった。

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  • from: エリスさん

    2010年09月10日 11時38分07秒

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    新連載の予定

     この期に及んで、まだ迷っています。

     今日から連載を開始する物語の主人公を、メデイアにするのかカッサンドラーにするのか、エーレクトラーにするのか.........。


     悩みすぎて、今日は書けないかもしれません。とりあえず「恋愛小説発表会」サークルから先に書き出してみて、時間があったらこちらも更新しますが、その時までに主人公を誰にするか考えさせてください。

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  • from: エリスさん

    2010年09月03日 16時57分05秒

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    「お待たせしました、解説です。」
     そもそも「ヘーラクレースの冒険」を書き出した理由は、映画「アマルフィ 女神の報酬」に出てくるアマルフィとは誰なのか? ということでした。――まさかその結末が、
     〈女神ではなく、お付きの少年だった〉
    になるとは思いませんでしたが。

     そしてお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、エウリュステウスの人物像が、実際の伝説とは違ってます。実際のエウリュステウスはかなりひどい人物で、ヘーラクレースの死後、自分の地位をおびやかすヘーラクレースの息子たちを抹殺しようとします。
     でも私の描く物語の中では変えてしまいました。それは、

     「自分のエゴで早産に追い込んでしまった子供を、ヘーラー女神が見捨てるはずがない。ヘーラーに目を掛けてもらって成長したのなら、善人になるはずだ」
     という勝手な持論からです。

     実際の伝説どおりに書いていないので、賛否両論あるかとはありますが、意見は真摯に受けとめますので、感想は個人レターでください。


     さて、私の体調を崩した深い悩み事のことですが、このサークルではなんですので、「恋愛小説サークル」http://www.c-player.com/ac64813/messageで書こうと思います。

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  • from: エリスさん

    2010年09月03日 11時16分57秒

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    実は自宅にいます

    今日はネットカフェに行かずに、自宅で、携帯電話から書き込みをしています。
    というのも、お腹を壊しまして……変なものを食べた覚えはないので、たぶん精神的なものではないかと。最近、悩み事が深すぎて、毎晩寝付きが悪いから。
    なので、大事を取っている次第です。

    携帯からなので入力に時間が掛かり、前の項目を入力するだけでも一時間かかりました。よって、携帯がかなり熱くなってしまっているので、詳しい解説などはもう少し時間を置いてから書きます。

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  • from: エリスさん

    2010年09月03日 11時08分22秒

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    「ヘーラクレースの冒険・66」


     「そろそろ起きなさい、我が弟よ。もう意識が戻っているはずですよ」
     美しく優しい女性の声がする。
     ……わたしか? わたしに起きろと言っているのか?――と、彼はうっすらとそんなことを考える。
     「起きなさい。お父様もお待ちかねですよ、ヘーラクレース」
     ……ヘーラクレース……そうだ! それがわたしの!
     ヘーラクレースは、ようやく目を覚ますことができた。
     「おはよう、寝坊すけな弟よ」
     目の前にいたのはアテーナー女神だった。
     「姉上……いったいこれは……?」
     あたりを見回すと、彼は石壇の上にいた。まわりには酒の入った甕や、花や、果物などが並べられている。
     「そうだった。わたしは死んだのだった。これはその、葬儀のためのしつらえですね」
     ヘーラクレースが言うと、アテーナーは軽く吹き出して笑った。
     「そうではない。これは復活のための祭壇です。そなたは人間としては死にましたが、神としての遺伝子は死ぬことがありません。だから、そなたの神の部分を掻き集めて、こうして身体が再構築されるのを待っていたのです」
     「では、わたしは……」
     「人間の部分は焼き尽くしてしまったので、今のそなたは純粋に神です。――さあ、お父様が会いたがっています。参りましょう」
     アテーナーが案内してくれたのは、同じ建物内の最上階だった。聞けばこの社殿こそオリュンポス社殿だという。
     そこには様々な神様が集っていた。すでに顔見知りな神もいる。とくにアレースなどはヘーラクレースの顔を見るなり、親しげに抱きついてきた。
     「会いたかったぞ、兄弟。よく母上の無理難題をやり通せたな」
     「アレース様、そんな恐れ多い」
     「おいおい! 俺のことは兄上と呼んでくれ。俺だけでなく、ここにいる大多数はおまえの身内だ!」
     そこで玉座から声が掛かった。
     「アレースの言うとおりだな」
     ゼウスだった。「ヘーラクレースはわしの息子だ。しかも名実共に英雄だ。神の列に加えても不足はない。そうは思わぬか? 王后よ」
     ゼウスの言葉に、隣にいたヘーラーは不服そうだった。
     すると、アテーナーが前に出て、ヘーラーに跪いた。
     「ヘーラー様、どうかヘーラクレースを認めてやってください。実の子ではない私のことも、我が子同様にお育てくだされた貴女様ではありませんか」
     この言葉に表情を和らげたヘーラーは、近くにいた娘のへーべーに声をかけた。
     「そなた、この者に恋い焦がれていましたね」
     「はい、お母様」と、へーべーは言った。「こうゆう逞しい人の妻になりたかったの」
     「わかりました。では、アルケイデス!――いいえ、ヘーラクレース殿」
     “殿”を付けられて、却ってヘーラクレースは緊張した。
     「どうぞ娘をもらってくださいませんか。いつまでも夢見がちな少女のような娘ですが、もらっていただけたなら、義理の母として今後はお世話させていただきましょう」
     素直に認めるのにはまだわだかまりを覚えるヘーラーの、これが「手打ち」の条件だった。
     ヘーラクレースは快く承諾した。
     「このように美しい方を妻に迎えられるなら、なんの不満もございません。ありがとうございます。よろしくお願いいたします、母上様」
     二人の和解も済んだところで、酒宴が始まった。
     「これ! 婿殿に酒を!」
     ヘーラーに呼ばれて、一人の男が盆に盃を乗せて現われた。その顔を見て、ヘーラクレースは驚いた。
     「我が王! エウリュステウス様ではありませんか」
     「やあ、しばらく」
     エウリュステウスは死後、冥界での精進を終えて、ヘーラーの執事として召し抱えられていたのである。今では健康そのもので、少し太ったぐらいだった。
     「近いうちにミレーユも天寿を終えるのでね、そしたら妻として迎えてもいいと、ヘーラー様からお許しをいただいているんだ」
     エウリュステウスが話し終わらぬうちに、ヘーラクレースは嬉しさから彼に抱きついて、泣きだした。
     こうしてヘーラクレースは神の一員となり、新しい妻や親友と、幸せな生涯を送ることになったのである。


                         完

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