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シムダンス「四次元能」

シムダンス「四次元能」>掲示板

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ここは自己生成の門ーーー宇宙の原理「動的作用反作用」を使って精神革命の臨床実験中!

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  • from: 生成門さん

    2011年01月06日 14時49分02秒

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    赤の女王の命令・・・フラクラルな兎跳び「ラピッド法」

    赤の女王の命令・・・フラクラルな兎跳び「ラピッド法」<フラクタルとの共振>明けましておめでとうございます。今年は兎年ですので、「不思議の国のアリス」に

    赤の女王の命令・・・フラクラルな兎跳び「ラピッド法」
    <フラクタルとの共振>

    明けましておめでとうございます。

    今年は兎年ですので、「不思議の国のアリス」に出てくる白兎をhttp://www.genpaku.org/alice01/alice01j.htmlから引用しました。


    この白兎が私達を「赤の女王」がいる不思議の国へと招待してくれます。

    この白兎を引用した理由から話を始めましょう。

    この白兎は兎年に因んで兎のようにぴょんぴょんと飛び跳ねるフラクタルに関する岩田氏の五つの発明を紹介したいからです。

    五つの発明のうち「ラピッド法」というものがあり、この名前は兎のように「早く」飛ぶことから命名されたようです。

    そうです。「早く走れ」と赤の女王が命令したのです。

    唐突に、赤の女王といっても「不思議の国のアリス」を知らない人には、意味が分からないでしょうが、簡単に言えば、アリスが兎を追いかけているうちに「兎の穴」に落ちてしまい、そこで、アリスは穴の中で不思議な体験をするという話です。

    その穴の世界は実に不思議な世界だったのです。

    そこで、この穴の中の世界をマンデルブロの集合の黒の領域と見立てて、話をして見たいと思ったのです。

    もしかして、その中に落ちたのは私自身かもしれません。

    では、私は穴の中でどのような体験をしたのでしょうか。

    それは、自分の体の一部や全体が大きくなったり小さくなったりして感じたり、周囲のものが大きく見えたり小さく見えたりしたのです。

    遠ざかって見えたり近づいて見えたり、時間感覚の異常も感じることもあったようです。

    このような体験を不思議の国のアリス症候http://kikyu.jugem.jp/?eid=365と言っているようです。

    その細部にどんどん引き込まれていくのですが、そこでも同じような体験をするという話です。つまり、自己が自己に相似している体験をすると言われています。

    「不思議の国のアリス」の原作者、ルイス・キャロルは、この自己相似、つまり、フラクタルな脳体験を小説化したのではないでしょうか。もっと言えば、脳内の特殊な精神現象を描いたと言えるでしょう。

    ところで、アリスは兎の穴に落ちて体験したことを現実の世界に戻って私達に話してみせたように、私もマンデルブロの穴=暗黒の世界に分け入った自己相似な世界を、このように見えると話してみたいのです。

    しかし、その体験をアリスが語るようにはいきません。そこは数学という抽象の世界だからです。

    やはり、これを説明するには助っ人が必要です。その助っ人は、当然、その暗い闇の世界に光を当てることに成功した世界でただ一人の人、岩田氏その人です。

    岩田氏はこれらの発明に至るまでには大変な苦労があったようです。その模様がhttp://www.sophy.org/01801VisF.htmで詳しく語られています。

    下の図は、その暗闇に光を当てることに成功した図なのですが、結果だけを見ると、そんなものかと思ってしまうでしょう。しかし、ここには暗号の国際特許として認められた知見が隠されているのです。



    この図を表現にするためには5つの知見がなければならないのですが、それらを全て説明するためには多くの準備が必要です。

    順序が違うのですが、兎年にちなんで、5番目の知見である「ラピッド法」という兎跳びを紹介したいと思います。

    数学的な知識に乏しい私が勝手な解釈をして、あたかも分かったように説明してしまうと、ミスリードする可能性があるでしょう。もし、正確性を求めたい人はこちらを参照してください。http://www.sophy.org/01801VisF.htm

    ただし、こちらの内容はアリスの童話とは違って、純粋に数学の世界の話なので、門外漢の人が理解するのは並大抵ではないでしょう。

    この素晴らしい画像を見て、ただ、鑑賞して驚嘆するしかありません。しかし、それではシムハンターの皆さんは満足できないでしょう。

    そこで、私が誤解を恐れず異訳、いや、意訳してみせましょう。もし、間違っていたとしても、大事な発明を間違って紹介されたなら岩田氏ご自身も気になるでしょうから、修正が入ると期待して、以下、岩田氏のテキストを編集して引用してみました。

    兎の穴に入ってその不思議さを理解するためには、ルイス・キャロルのもう一つの童話「鏡の国のアリス」も参考になります。

    この作品は、題名どおり鏡をテーマしています。鏡の機能とは像を写すことであり、それは、数学的には写像とか関数という言い方になるのですが、この童話にはそうしたことを暗示させる対称や時間の逆転などの話が数多く出てくるのです。

    兎の穴をフラクタルの世界と見立て、これらの二つの児童小説を読み直してみるのもよいのではないでしょうか。

    続く

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    from: 生成門さん

    2011年01月26日 08時58分59秒

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    「Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:赤の女王の命令・・・フラクラルな兎跳び「ラピッ

    from: Kiyoshi_IWATAさん

    2011年01月25日 14時09分34秒

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    「Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:赤の女王の命令・・・フラクラルな兎跳び「ラピッド法」

  • from: 生成門さん

    2011年01月09日 10時48分30秒

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    赤の女王の命令:ランナウェー(5)

    赤の女王の命令:ランナウェー(5)<フラクタルとの共振>上の図はhttp://www.sophy.org/から引用しました。赤の女王の仮説を遂行してい

    赤の女王の命令:ランナウェー(5)
    <フラクタルとの共振>

    上の図はhttp://www.sophy.org/から引用しました。

    赤の女王の仮説を遂行している正体はフラクタルであり、フラクタル構造(仕組み)は入れ子の自己相似(自分に似た)な繰り返しであり、無限に続くと言いました。

    この仕組みによって内的時間が生成され、時間の壁を破るとも言いました。

    そのもっとも顕著に現れているのが自然界では、個体発生における系統発生であることを示しました。そこでは数十億年かかるはずの時間が9ヶ月に短縮されているという驚異の正体がフラクタルな内的時間だということになりました。

    次なる探求は、「フラクタルな内的時間」とは何であるかということになります。四次元能の探求はまさにフラクタルであり、自己相似的《自問自答しながら》に探求を続けていきます。

    フラクタルな内的時間を探求していたモデルが、自然界ではなく、芸術の世界にありました。

    赤の女王の命令を受けて?一人で自問自答しながら独学とは異なる「拓学」(人の物まねをしない)という独特のアプローチで、時間の壁を破った人《岩田氏》がいたのです。

    その一人での戦いの様子がhttp://www.sophy.org/01801VisF.htmで詳しく語られています。

    ここで取り上げているのは、岩田氏の五つの発明の内、赤の女王の命令「早く走れ」を遂行していて、しかも、兎跳びのように跳ねるというイメージの「ラピッド法」です。

    もちろんこれらは他の知見と無関係に存在するものではなく、互いに補完しあっていますから、無視はできないのですが、「ラピッド法を説明するということは、自ずと他の知見にも触れることになるでしょう、

    ここで、探求する当面の課題は、フラクタルな内的時間です。これがラピッド法において、どのように扱われているのかです。

    そこには岩田氏独特の知見があるでしょう。それに少しでも近づくことがここからのストリーです。

    先ず、フラクタルの式を「内的時間を生成する式」と考えてみましょう。

    既に、進化とは変異と発生であり、非因果と因果を同居させているフラクタルな現象であり、無限の組み合わせの遺伝子から意味のある命を発生すると言いました。つまり、無限から有限を生成しているということになったのでした。

    有限な命を発生する方法が空間に時間を内包することであるとも言いました。

    時間を内包させている時間を内的時間とも言いました。

    ここまでの探求から、改めて、進化とは何かを定義してみましょう。

    進化とは、無限の組み合わせから、有限の意味のある命だけを選ぶゲームと言い換ええてもいいでしょう。

    更に、フラクタル的に言い換えて見ましょう。

    進化のスタートは遺伝子ですから、μという遺伝子群があるとします。それらμの全てについての行く末がどうなるかを実験しているのが進化というゲームだと理解すればよいでしょう。ただし、μは無限にあるということが前提ですから、全てと言うのは正しくなく有限しかテストできません。

    ですから、無限にあるそれらのμについて、一つ一つ実験するというわけにはいきませんから、適当に(ランダム)選ぶことになるでしょう。

    従って、それらのμから生まれた自己(n)は、生命として存在できないものが殆どですが、中には偶然が重なって、安定した命となって存在できることもあるのです。実際そうして私達の命があります。

    しかし、チンパンジーに無茶苦茶にキーボードを叩かせても小説が生まれそうにもないように、偶然が重なって私達の命がでてきたことはおもえません。そこには何か大きな秘密があると思うのです。

    その秘密とは何なのでしょうか。

    そこで、チンパンジーではとろいので、思考のシミュレーションをすることにしましょう。後でコンピュータを使ってのシミュレーションをします。

    先ず、フラクラルの式:自己(n+1)=自己(n)^2+μを使ってμを適当に選んで計算をします。計算という表現は、後で演算に変わっていきます。理由はそのときに。

    思考シミュレーションをするということは、nを増やしていくことになるのですが、式を見てもわかるように、自己(n+1)は二乗で増えていくのですから、鼠算式に増えていくように見えます。必ずしもそうではないのですが、今はそう考えてください。

    鼠算式に増えるということは無限になるということですから、それをどのように考えたらよいのでしょうか。

    こういう場合は、現実の現象に目を向けることです。

    ランナウェイという現象があります。これは鼠が増え過ぎると集団で暴走して自殺する現象(実際どうかは?)ですが、このように無限に向っていくということは破滅するということです。

    このような体験をしてきたことで、故人はランナウェイを警戒して、人間の世界では「過ぎたるは及ばずが如し」、「祇園精舎の鐘」、「栄枯盛衰」、「成功のパラドックス」とかいう諫言「欲の出しすぎを諌める言葉」を残してくれているのです。

    ランナウェイとは正フィーとバックとも言い、「それいけどんどん」と言う意味でもあり、右肩上がりの私達の姿勢がそれに近かったのでした。

    正フィーとバックは悪いことばかりをもたらすわけではないのです。良い例は、危機が迫ったときの直観のような感じとか、ぞくっとする感じとか、感極まった絶頂感などは正フィーとバックの良い使われ方です。

    悪い例が、ランナウェイ=暴走であり、これは、人間にとっても都合の悪いことになります

    例えば、バブル崩壊はランナウェイの現象です。日本経済はバブル崩壊で今でも尾を引いていますし、その経験がさめやらないうちに、今度はアメリカ発のサブプライムローンの金融崩壊で日本は直撃を受けてしまいました。こうしたことは繰り返し繰り返して経験しているのですが、まさに「喉もと過ぎれば、暑さを忘れる」です。

    こうした諫言は一種のフラクタルであり、軌道を意味しています。
    ですから、μを初期状態としてその結末を自己(n)とすると、自己(n+1)=自己(n)^2+μで、諫言を説明できるのではないでしょうか。

    μを初期状態=バブルの芽とすると結末は自己(n)=崩壊となります。つまり、芽を積まなければな大事になるという教訓がフラクタルの式は教えてくれるのです。こうした使い方、つまり、諫言にも数学的思考が使えるとうことが「喉もと過ぎれば、暑さを忘れる」ことにならないようにするために重要ではないでしょうか。

    ちなみに、μをある苦い経験とすると結末は自己(n)=喉元を過ぎた出来事となります


    「過ぎたるは及ばずが如し」のような立派な諫言があっても、欲望の虜になってしまい、それを生かすことのできない性が人間にあるのだなどとあきらめてしまうのが私達の常です。

    しかし、このような見方ができれば、あきらめなくても良い方法を見つけることができるかもしれません。

    仏教が末法になったのは、その教えがどんなに立派でも、何お役にも立てていないことを示しているのです。

    仏教には曼荼羅というフラクタルな構造を持っています。

    ですから、仏教こそが、欲望の虜=自我の支配=左脳の優位の文明で覆われた地球の今の気候変動という危機=人類の絶滅の危機を切り抜けるためのもっとも近い位置にあって、十分にその資格があると思うのです。

    しかし、残念ながら、この教えでは、左脳の文明のランナウェイ《暴走》をとめることができなかったことを、この4000年で実証してきたのです。

    それは何かが欠けていたのです。それを探求するのが四次元能なのですが、今、ならはっきりと「こう」言えます。 

    数学的思考がなかったからだと。

    数学的思考とは意味を生むためにあるのです。

    人間を救えるのは、只一の方法は宗教と数学《論理学も含めて》を融合することなのです。既に、アルゴルアートのように芸術は数学を取り入れていますし、PS理論のように哲学も数学を取り入れています。

    後は、宗教が残っているだけです。その中でも、仏教はフラクタルな構造を持っているのですから、十分に可能性があるのです。

    ですから、仏教再生は、曼荼羅をフラクタルな曼荼羅に変身させる数学こそが担うべきだと思うのです。

    しかし、気候変動による危機は時間が差し迫っています。時間がないのです。ランナウェイ《暴走》に向っているのです。

    ですから、仏教再生は、内的時間を使って、無限を有限にして、時間が「ない」を「ある」にしなければならないのです。

    そのような手品みたいなことは、できないのかもしれませんが、四次元能は少しでも、可能性を求めて探求を続けています。

    この探求の結果、可能性が見えてきました。その一つがPS理論であり、そして、岩田式フラクタルです。

    それにしても、私の手に負えない、無限、内的時間というところまで来てしまいました。一体、この先はどうなるのでしょうか。

    インディ・ジョーンズの冒険物語を見るように楽しめればよいのですが、果してそうなるでしょうか。

    四次元能自体がフラクタルなので、先が読めない思考の臨床実験なのです。

    マンデルブロ集合図の外に落ちたらランナウェイですから、ゲームオーバーで一貫の終わりです。

    そうならないように思考実験をしていきまよう。

    続く

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  • from: 生成門さん

    2011年01月08日 19時42分55秒

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    赤の女王の命令:フラクタルな内的時間(4)

    赤の女王の命令:フラクタルな内的時間(4)<フラクタルとの共振>個体発生における系統発生では数十億年かかるはずが9ヶ月に時間短縮されたのは内的時間があ

    赤の女王の命令:フラクタルな内的時間(4)
    <フラクタルとの共振>

    個体発生における系統発生では数十億年かかるはずが9ヶ月に時間短縮されたのは内的時間があるからだということになりました。

    これは赤の女王の命令を「何か」が実施していると言いましたので、それが何であるかを探求していきましょう。

    進化というのは生き残りゲームみたいなものですから、「生き残り」という側面で内的時間という概念を探求してみましょう。

    内的時間によって系統発生が可能になったのだとすると内的時間で親から子が毎回確実に生まれて来るということになります。

    「毎回確実に生まれて来る」というような結果=現在と原因=過去を結びつけるのは因果論であり、決定論であり、運命論といわれています。

    「このような目に会うのは運命だからだ」というようなことを言いますが、このような見方は運命論であり、現在から過去を見て、その時間を逆転させて過去→現在に必然性があるかのように見て、尚且つ、それを現在→未来にまで延長しようという考え方です。このような見方を応用しているのが占いでしょう。

    科学的とは決定論の上に成り立っているといってよいでしょう。科学においても、現在→未来に延長する考え方があります。さすがに、占いのように断定することはしません。精々、確率的に言うだけです。つまり、未来は予測できないのです。

    ですから、科学は奥ゆかしいのです。何故なら人の人生を対象にはしないからです。人の人生は運命論では片付けられないのです。生まれたときにこの子がどのような人生を歩むのかなど決められないからのです。つまり、決定論的な因果が成り立たないのです。だから、古典科学は手をださないのです。

    進化や人の人生には、決定論的な因果の側面と非決定論的な非因果側面が同居していることを明確にしたのがカオス・フラクタルの理論です。カオス・フラクタルは親戚のようなものですが、微妙に違いますので、ここではフラクタルだけを取り上げていきます。

    私達は自分の人生が現在=原因から未来=結果を予測《非因果》できないことは身に染みて分かっています。また、自分の人生が因果応報、つまり、自分の歩んできた道が、過去の行いが原因であり、現在の惨めな結果に繋がっているという事を良く知っています。

    このような世界をフラクタルな世界というのです。

    非因果と因果が同時に成り立つフラクタルな世界とはどのような「仕組み」で動いている世界なのでしょうか。

    フラクタルの式は
    自己(n+1)=自己(n)^2+μ
    ですが、ここには内的な時間の概念が隠れているのといいました。

    内的時間にこそ「非因果・因果」が同時に成り立つ鍵があるのではないでしょうか。

    そこに赤の女王の命令を遂行している「何か」がいるといいましたが、それがフラクタルの式=「仕組み」のことなのではないでしょうか。

    そういうことだと仮定して内的時間と「非因果・因果」の関係を見ていきましょう。

    進化には変異と発生とがあります。

    変異とは、突然に変化した遺伝子との組み合わせによって新しい遺伝子が生まれるということです。

    発生とは、遺伝子が組み合わせられて新しい子が生まれるということです。

    似ているようですが、まるで違うのです。

    変異とは非因果、つまり、原因と結果を結びつけられないということです。現在から未来を見て、その未来=結果について確定的に言えないのです。

    一方、発生とは因果、つまり、原因と結果を確定的に結びつけられるということです。その過去=原因について確定的に言えるのです。つまり、現在から過去を見ているのです。

    変異とは実験であり、臨床なのです。従って、結果はどうなるか分かりません。遺伝子の一部が突然変異して、組み合せるのですからギャンブルです。

    要するに、変異とは予測できない非因果の実験なのです。

    変異のような非因果の出来事を時間の方向を入れてフラクタルの式で表現すると、

    自己(0)^2+μ⇒自己(1)
    自己(1)^2+μ⇒自己(2)



    自己(n)^2+μ⇒自己(n+1)

    となります。

    最初のスタートである自己(0)^2+μ⇒自己(1)は、自己(0)は原点なので0とします。従って、μ⇒自己(1)となります。

    これは、変異の初めに原因となる「遺伝子ありき」を意味しています。

    最後はどうなるのでしょうか。変異の多くは失敗に終わるでしょう。つまり、自己(n+1)が次のステージにいけるかどうかは、分からないということです。n+1=k,lとすると、

    自己(l)^2+μ⇒?

    自己(k)^2+μ⇒自己(k+1)^2
    です。

    このlが意味するのは絶滅です。つまり、進化の実験の終わりです。

    kが意味するのは生き残りです。つまり、進化の成功です。Kが現在の時間なら、自己(k+1)は私達を意味します。

    一方、発生とは現在から過去を見ているのですから、現在、生き残っている固体(k)からみて先祖は誰かと問うようなものです。

    これを式表現すると
    自己(k)⇒自己(k-1)^2+μ
    となります。

    個体発生でも同じことが言えます。

    自己(k-1)は生まれてくる前の体内の生体《サルの赤子》を意味しています。これを遡っていくと自己(1)⇒自己(0)^2+μにいきつきます。

    このときの自己(1)が受精卵です。最初の自己(0)は原点ですから「なし=0」としますが、すると自己(1)⇒μとなります。

    これが何を意味しているかです。

    μは遺伝子ですから、発生には原因、つまり、遺伝子があるということになります。

    最初に「遺伝子ありき」で、ある遺伝子からスタートして、自己(l)^2+μ⇒
    で止まったのが変異でしたが、発生の結果から逆に行ったら、自己(1)⇒μとなり、やはり、「遺伝子ありき」ということになります。

    遺伝子から始まった変異では、発生「あり」と「なし」に分岐します。一方、発生から逆にたどると必ず「遺伝子あり」に辿りつきます。

    では、発生の時間を過去(結果)から現在(原因)の方向に逆転させてみましょう。

    自己(0)^2+μ⇒自己(1)
    自己(1)^2+μ⇒自己(2)



    自己(n)^2+μ⇒自己(n+1)
    ですから、

    発生したときのnをkとすると
    自己(k)^2+μ⇒自己(k+1)
    となります。

    発生を逆に追いかけたときの最初の式は
    自己(k)⇒自己(k-1)^2+μ
    したが、この二つの式はk+1がk-1となっていることが違いだけで、本質は同じです。

    時間を逆に見たのですから、当然といえば当然です。

    ここまでを纏めてみます。

    変異では遺伝子からスタートして固体が発生することもありますが、多くは失敗して命の連鎖がそこで途絶えるということです。

    その途絶えたところからは、痕跡がなければ逆追跡・逆探知はできないということです。

    一方、発生は遺伝子からスタートすれば、必ず固体が発生し、いつでも逆探知《ルーツ探し》が可能だということです。

    変異の失敗:遺伝子⇒?
    変異の成功:遺伝子⇒固体
    種の絶滅:固体(?)⇒?
    発生:遺伝子⇒固体
    発生の逆探:固体⇒遺伝子《ルーツ》

    変異では逆探知ができることもあればできないこともあり、遺伝子から発生することもあるし、発生しないこともあます。

    一方、発生では、遺伝子から必ず発生し、逆探が必ずできます。

    しかし、発生は変異に対して後の出来事であり、変異のトライアルがあって、そこで生き残ったものだけが発生のステージに移れるのです。

    赤の女王の命令を「何か」が実施していると言いましたが、それが何であるかがようやく見えてきました。

    「生き残り」にこそ内的時間が隠れているということです。

    「生き残り」こそが、進化のゲームの本質であり、時間短縮の本質であり、フラクタルなところなのです。

    「生き残り」とは何なのでしょうか。

    このことを探求していくと、何故、「生き残り」によって時間短縮が起きるのか。何故、ランダムな組み合わせから知性が生まれたのかという「問い」をしたくなるでしょう。

    これに答えられれば赤の女王の命令を完遂できるのでないでしょうか。

    進化の問題で一番むづかしいのは、ランダムな組み合わせから意味が生まれると言うことを説明することです。

    例えば、ランダムな組み合わせから意味が生まれるなどと言うのは、まるで、チンパンジーに無茶苦茶にキーボードを叩かせていると、いつかは小説が生まれると言うのに等しいことです。

    意味が生まれるというのは、固体が発生するということですから、そんなことは先ず、有り得ないと考えてしまいます。

    これは未知の世界のことであり、現代の進化論でも解明されていない領域です。

    しかし、全く手が出ないわけではありません。これに答えることができるヒントはあります。

    それは赤の女王の命令を実施している「何か」を仮定することです。

    私は、それをフラクタル構造《仕組み》と考えています。

    フラクタル構造が、その《仕組み》であり、その仕組みが内的時間をつくりだすと考えているのです。

    何故、そのように考えるかということですが、それは入れ子の自己相似な構造と無限ということに関係してきます。

    これがヒントです。


    これによって生成された内的時間によって、ランダムな組み合わせでも、意味を生むことができるのです。

    チンパンジーに無茶苦茶にキーボードを叩かせていても、いつかは小説が生まれるのです。


    そのヒントを種明かしましょう。

    内的時間をつくりだし、時間の壁を破るフラクタルの式の意味を考えることです。赤の女王の仮説の真髄が、まさにここにあるのです。

    実は、岩田氏が赤の女王の命令を受けて?フラクタルに取り組み、時間の問題を解決したことで、それで証明されているのです。

    岩田氏はラピッド法によって時間の壁を破ったのです。ここに答えがあるのです。

    その知見を理解すれば、個体発生における系統発生では数十億年かかるはずが9ヶ月に時間短縮されたその方法、つまり、赤の女王の仮説の真髄、つまり、進化のゲーム(ランダムから意味=命が生まれる)の謎も解くことができるのです。

    ただ、残念なことに、その知見の核心は未公開になっていますから、私達が知る由がありません。

    しかし、個体発生が確実なように、ある原点から、ある遺伝子でスタートすれば一度発生したものは確実に、しかも、時間を短縮して系統発生するという仮説を信じるならば、私達も、ある原点から、ある条件でスタートすれば、岩田氏の知見、ないし、それに近いところに到達するかもしれないのです。

    それを期待して、このシリーズを展開しているというわけです。さて、どうなるでしょうか。
    続く

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  • from: 生成門さん

    2011年01月08日 16時27分11秒

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    赤の女王の命令:フラクタルな兎跳び・・・ラピッド法(3)

    赤の女王の命令:フラクタルな兎跳び・・・ラピッド法(3)<フラクタルとの共振>赤の女王の命令の話が続きます。無性生殖を自己(n+1)=自己(n)+μ有

    赤の女王の命令:フラクタルな兎跳び・・・ラピッド法(3)
    <フラクタルとの共振>

    赤の女王の命令の話が続きます。

    無性生殖を
    自己(n+1)=自己(n)+μ
    有性生殖を
    自己(n+1)=自己(n)^2+μ
    と置き換えてみました。

    nを世代として、μを遺伝子とします。
    自己(0)は「存在」しないとして0とします。
    従って、自己(1)を親とすると、自己(2)は子、自己(3)は孫、 自己(4)は曾孫・・・となります。

    この式を具体的に展開するのが世代交代ということになります。世代が増えるということは、nの値が大きくなるということであり、同時に時間が経つことであり、子孫が増えることを意味します。つまり、新しい自己《種の数》が増えていきます。

    無性生殖では世代交代は早いので子孫の数はぐぐっと増えるのですが、掛け合わせがないので自己のコピーが増えるだけです。つまり、多様性がないのです。

    上の式では、自己(n)が自己(n+1)になることを世代交代としていますが、その場合にnが1ずつ増えていくのです。その増える速さはこの式では表現できていませんが、n を1秒、1年などの周期と考えてください。

    有性生殖の自己(n)^2となっていますので、これを自己*他者と考えて、例えば、オスとメスと掛け合わせること解釈します。

    「掛け合わせ」を「組み合わせ」と考えるわけです。その結果、生まれる新しい自己《子》は、新しい組み合わせの遺伝子を持った自己となるでしょう。

    有性生殖は無性生殖に比べて長生きする分、世代交代は遅いので、生存する数は一気には増えませんが、確実に多様性を増大させますから適応する可能性が高いのです。

    有性生殖はnの周期が長いので、世代交代が遅いということになります。言ってみれば、ゆっくり走っていることになります。それでも進化的には優勢です。ということは、赤の女王仮説に反しているように見えます。

    では、赤の女王の言った「早く走れ」という命令に背いても生き残れるということなのでしょうか。

    この仮説が正しいとするためには時間の概念を変えなければなりません。

    外的ものさしの時間で測ることだけで「早い遅い」を決められないということです。時間には内的時間というものがあるのです。内的時間というのは組み合わせした後に畳み込まれること《自己(n)が自己(n+1)になること》によって、つまり、世代交代することで内に包まれる時間というのがあるのです。

    内的時間というのは、組み合わせられる二つの系統の時間が融合して、次の世代の自己に折り畳まれ=畳み込まれるのです。

    ですから、ある一つの世代での内的時間を考えると、そこには指数的な時間として折りたたまれているのです。これが時間の短縮の秘術なのです。

    俗な言い方とすると、私達一人一人には、先祖代々の魂が宿っており、因縁があります。因縁とは、先祖の経験が現在の私に全て受け継がれているということです。ですから因縁とは時間なのです。

    その意味で、私達は過去のすべてを蓄えて生きているということになります。これは仏教の基本的な考え方です。

    このような考え方は非科学的な言い方に聞こえるかもしれませんが、因縁を遺伝子に置き換えてみれば、もっとはっきりするでしょう。

    遺伝子には過去の全ての時間が内包されていることは、進化論が証明しているのですから、一方的に非科学的と断定することはできないのです。

    古典科学によって私達は時間と空間を別々に考える習慣がついていますから空間の外側にしか時間がないと思ってしまいます。しかし、新しい科学によれば、時間と空間は分けられないとする方が正しいのです。

    時間が空間に内包されるということをもう少しイメージしておきましょう。

    自己(n)は空間を占める実体、例えば人間を代表しています。

    親の自己(n)から新しい自己《子》=自己(n+1)が生まれるということは、そこに時間もついていくということを示したいのです。

    空間に時間がついていくというのは分かりにくいと思いますが、これを理解するには生命が誕生するときをイメージすると分かりやすいでしょう。

    例えば、二つの遺伝子が融合して受精卵となって発生のスイッチが入ります。やがて、固体が発生するのですが、人間の場合ですと約9ヶ月かかります。

    その途中の様子を見ると、受精卵が分裂してどんどん姿形を変えていきます。そして、ついに赤ちゃんの誕生と言うことになるのですが、この過程は実に神秘的です。

    あたかも、進化の螺旋階段を上っていくかのように自己回帰していくのです。これが「個体発生は系統発生を繰り返す」という仮説《批判もあります》です。

    数十億年という長い年月が、わずか約9ヶ月に短縮されるのですから神秘的というしかないのですが、よく考えてみると母体の胎児の空間には時間が折りたたまれているという見方もできるのです。

    そのように見れば、分裂して生成される細胞の数だけでものすごい数ですから時間の大きさも指数的です。

    これで「空間に時間がついていく」、「時間と空間は密接不可分である」ということの意味が分かったと思うのですが如何でしょう。

    次に、理解しておかなければならないのは、進化とはフラクタルな現象であるということです。フラクタルとは自己相似を繰り返すということですが、単に繰り返すだけでなく、生き残りゲームでもあるということです。

    これを理解するには、やはり、命が誕生するシーンを想像することしかないようです。

    生命の個体が発生するということは、系統発生、つまり、自己を自己相似的に繰り返すということですが、これは胎児が過去の自己、つまり、タツノオトシゴやサルの子供を経て人間の赤ちゃんになることを意味します。

    一人の自己は、その自分の先祖、即ち別の自己を繰り返して生まれてくるということなのです。

    このような面倒なプロセスを経なければ生命は生まれてこらないのです。もし、人間は神が作ったというなら、何故、こんな面倒なことをしたのでしょうか。

    これは創造説では説明できないでしょう。

    個体発生をフラクタルの式で言い換えると自己(n)^2+μから自己(n+1)になるということです。

    誕生とは、その系統発生の最後の自己(k)のことであり、その前の親の自己(k-1)からそれまでの全てを引き継いだ結果だということになります。

    当然、過去の時間も引き継がれているということです。

    固体が発生するということは、それまでに命を繋いできた進化の段階を発生という形で繰り返しているのです。言い換えれば発生とは自己回帰なのです。

    自己に回帰して、新たな自己が生まれるのが系統発生なのですから、当然、全ての時間を経験するということです。

    もし、これを外的時間しか時間がなければ数十億年かかるということになります。しかし、実際は9ヶ月しかかかっていません。

    この大きな差異をどのように説明できるのでしょうか。これは現代の科学でも創造説でも説明できていないのです。

    しかし、内的時間という概念を採用すれば、十分納得の行く説明ができると思うのです。

    実際に、時間が短縮して新しい命が毎回確実に生まれてきているのですから、科学は、もっと、この時間短縮の仕組みを明らかにすべきなのではないでしょうか。

    ただ、時間短縮という言葉は注意すべきなのかもしれません。十億年と9ヶ月という差異も外部の時間概念で比較した表現だからです。

    ただ、科学でも時間短縮の仕組みが明らかになっていないので、時間の本質が解明できるまでは、進化の過程で数十億年かかるところが9ヶ月に時間短縮されたということにして話を進めていきます。

    アリスがこのことを報告していないので、どうにもなりません。しかし、進化は赤の女王の命令を「何か」が実施した結果だと看做していきましょう。それが神ではないことは、はっきり言明しておきます。

    続く

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  • from: 生成門さん

    2011年01月07日 12時57分51秒

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    赤の女王の命令:フラクタルな兎跳び・・・ラピッド法(2)

    赤の女王の命令:フラクタルな兎跳び・・・ラピッド法(2)<フラクタルとの共振>赤の女王の命令の話が続きます。「不思議の国のアリス」に出てくる白兎はht

    赤の女王の命令:フラクタルな兎跳び・・・ラピッド法(2)
    <フラクタルとの共振>

    赤の女王の命令の話が続きます。

    「不思議の国のアリス」に出てくる白兎はhttp://www.genpaku.org/alice01/alice01j.htmlから引用しました。

    これから語るのは岩田氏の発明の一つである「ラピッド法」についてです。なぜ、この説明をするのに、兎が出て来るのかですが、それは赤の女王が「早く走れ」と命令しているからです。

    命令を受けた?岩田氏が、その模様をhttp://www.sophy.org/01801VisF.htmで詳しく語っています。その命令の意味が、この図に隠されているのです。



    今回は、赤の女王の命令「早く走れ」の意味を考えます。

    「不思議な国のアリス」には「ハートの女王」、「鏡の国のアリス」に「赤の女王」が出てきます。

    マンデルブロ集合図にも、真っ黒なハート型の形が出てきます。このハートの形は原点から生成される親の集合であり、まさに女王にふさわしい位置にあります。

    ハート型のマンデルブロ集合をハートの女王に見立てると何かしら新しい発見があるかもしれません。

    ラピッド法は「赤の女王」の命令によって生まれたと言いましたが、もちろん岩田氏がそういっているわけではありません。

    私が話を面白くするために喩えているだけですので誤解しないでください。ただ、こういう喩え方が本質を言い当てることもありうるので、そういう見方をしてください。

    「生物の種は絶えず進化していなければ絶滅する」というのは進化論の定説ですが、これを赤の女王の仮説と呼んでいるのです。こうした「見立て」は、重要な知的な作用でもあるのです。うまく言い当てればという条件が付きますが。。。

    ところで、赤の女王はアリスに対して何と言って命令したのでしょうか。

    それはこうです。

    「ここでは、同じ場所にとどまるためには、絶えず全力で走らなければならない」

    詳しくはこちらを参照してください。http://kotobank.jp/word/%E8%B5%A4%E3%81%AE%E5%A5%B3%E7%8E%8B%E4%BB%AE%E8%AA%AC

    以下、編集して引用しました。

    上の命令を言い換えてみましょう。

    食うもの(捕食者)は、もし食われるもの(被食者)がより素早く逃げなければならないということを意味しているのです。

    これは、「逃げるが勝ち」と言っているようにも聞こえますが、要するに、「速く走れ」と言っているのです。

    もっと言えば、無性生殖よりも有性生殖の方がよいとも言っているのです。

    有性生殖が「早く走る」ということと同じだというのですが、これがどうして赤の女王仮説ということになるのでしょうか。

    有性生殖は絶えず新しい組み合わせの遺伝子型を作ることによって、進化速度の速い細菌や寄生者に対抗しているのです。

    だから、「早く走っている」のです。
    ―――

    つまり、「ただ早い」より「組み合わせ」=融合の方が「より早い」ということです。

    何故、融合の方が「より早い」のでしょうか。

    何故、赤の女王の話が岩田氏の発明と関係してくるのでしょうか。

    それをこれから明らかにしていきます。

    岩田氏は版画アートという芸術の世界では、いつも時間との戦いに明け暮れていました。版画というのは手作業ですからね。

    知的な作業をするには、手作業の部分を如何に省力化するということですね。手作業自体は重要な作業なのですが、とにかく時間がかかるのです。

    浮世絵においても、版元、絵師、彫り師、刷り師に分業化していたようですから、当時から時間が問題だったのです。

    極論すれば、時間の壁を解決することが岩田氏の最大の課題だったということです。つまり、芸術表現においては、省力化《時間短縮》を図ることが求められたのです。

    それを解決するために、コンピュータという道具を使ったのですが、そのことが芸術と科学《数学》を融合させることになり、結果としてアルゴルアートと呼ばれる新しいジャンルの芸術領域を開拓することにもなったのです。

    岩田氏はアルゴルアートの延長としてフラクタル画像に取り込むことになったのですが、そこでの問題は、やはり、時間がかかりすぎるということです。

    手作業からは開放されたのですが、描画するのには計算が必要であり、その計算に時間がかかりすぎるということが出てきたのです。

    手作業では時間がかかるというので、コンピュータを使って解決しようとしたら、今度は描画するまでに時間がかかることになってしまったのです。

    その上に、芸術表現にコンピュータを取り入れることで、つまり、数学と芸術という異質なものの「組み合わせ」=融合するということで、ある意味で時間短縮はできたのですが、フラクタルには、全く新たな時間の問題が生まれてきたのです。

    どのような問題かは後回しにして、赤の女王の仮説である有性生殖は無性生殖より早い、つまり、ただ「早い」より「組み合わせ」=融合の方が「より早い」と言いましたので、融合するとどうして時間短縮になるのかをフラクタルの式で考えてみましょう。

    有性生殖とは、融合する遺伝的アルゴリズムのことであり、組み合わせることによって新しい遺伝子型を作ることです。

    結局、それが無性生殖よりはるかに進化の時間を短縮できたことが「より早い」ということの意味なのです。

    無性生殖では、いくら時間をかけても、有性生殖のような複雑な形態や意識を生成することなど有り得なかったでしょう。言い換えれば、無性生殖では無限の時間がかかるところを、有性生殖では有限の時間で成し遂げたというところが「早い」という意味なのです。

    生命進化の時間を40億年とすれば、それが長いか短いかは相対的ですが、無性生殖では無限の時間がかかるところを、少なくとも赤の女王の命令「早く走れ」=有性生殖に従った結果、40億年で人類が出現したのですから「早い」のです。

    ここで言いたいことは、早く走るとは、単純に真っ直ぐ光のように走ることだけではなく、融合することで多様性を生成することが、結果として時間を稼いだということなのです。

    つまり、有り得ないことを実現したのですから時間を短縮したと言えるのです。

    従って、融合芸術であるアルゴルアートも、数学的なアルゴリズムによって、手作業では作り出せない多様性を作り出しているのですから、時間を短縮していると言えるのです。

    有性生殖とアルゴル・アートという違いはありますが、片や複雑な形態や意識を、片や複雑な模様をある一定の時間内で生成するということでは、同じ融合=時間短縮=「早く走る」の構図なのです。

    つまり、アルゴルアートとは有性生殖なのです。

    岩田氏のアルゴルアートの行き着いた先は、もっと不可思議な多様性を作り出す数学的アルゴリズム、つまり、マンデルブロの集合図に辿り着いたのですが、そこでも、また、赤の女王の命令「早く走れ」が下されたのです。

    赤の女王の命令「早く走れ」を成し遂げることができなかったら、岩田氏は芸術家として生き残れなかったのでしょうし、まして暗号の世界的な権威となることなどできなかったでしょう。

    この世界で岩田氏はどのような時間の壁に遭遇して、どのようにして時間の短縮を図ったのでしょうか。

    それには、フラクタルの式の意味を考えて見る必要がありそうです。

    自己相似な多様性を作り出す数学的表現=アルゴルズムとは、マンデルブロ集合図を作るフラクタルな式であり、
    f(Z)=Z二乗+μ
    f(Z)=Z^2+μとも表現します。つまり、Z^2=Z*Zです。
    又、その延長にある、
    f(Z)=(Z+1/Z)λ+μ
    という式に暗号強度《より強い》の観点から岩田氏は着目しているようですが、より強いはより早いとも言えるのかもしれません。

    ここでは、時間強度に重点を置いているので簡単な式f(Z)=Z二乗+μをとリ上げていきます。

    この式の意味は、後で説明しますが、簡単に言うと、自己に自己を重ねて自己を作り出す式ということです。

    無性生殖は自己が自己をコピーして自己を造り出し、有性生殖は、自己と他を重ねて、自己を作り出すのですから、一見すると、無性生殖の方がフラクタルな式に見えます。

    無性生殖を
    自己(n+1)=自己(n)+μ
    有性生殖を
    自己(n+1)=自己(n)^2+μ
    と置き換えてみると理解できるでしょう。

    二乗であるかないかということが時間強度的には決定的に大きいのです。後で詳しく見ていきますが、Z(n+1)= Z(n)+μ
    では、μ=1とすれば、1,2,3,4,5,,,,というように単調な増え方しかしませんが、自己Z(n+1)=Z(n)^2+μでは、0,1,2,5,26,677,45830,210066388901,.....となり、ものすごい速さで数字が大きくなっていきます。

    よく鼠算式に増える現象を指数的爆発などと言いますが、指数というのはべき乗するということですから、それを記号のZ(n)^2=Z*Zで表現しただけでは、実感が湧きません。しかし、上に示したように実際に計算してみると、ものすごい勢いで増加することを数字で示せるのです。

    Z(n)^2をZ^nとするともっとすごいことになります。実際、Z(n+1)=Z(n)^n+μというマンデルブロもどきの式もあるのです。ここでは、Z(n)^2の場合だけをみていきます。

    有性生殖の自己(n+1)=自己(n)^2+μの話に戻りましょう。

    続く

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