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恋愛小説発表会〜時にはノンジャンルで〜

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  • from: エリスさん

    2009年04月24日 12時19分11秒

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    「箱庭・66」
     「いいの!? こんなの持ってきて。お母さん、なにも言わなかった?」
     「別に何も言わないよ。いつもの無反応」
     と兄が言うので、姉は、
     「私は必要ないしね、子供産まないんだから。だったら、シャアが持ってる方がいいでしょ? 私ね、なんとなく生まれてくる子供、女の子なんじゃないかって気がするの」
     「あっ、それは私も思ってた」
     「お医者さんが、そう仄めかしてた?」
     「ううん、そうじゃなくて」
     私は郁子が話してくれたこと――この子の前世を二人に教えた。
     当然、姉は驚いていた。
     「あんたの姪ってことは、私の? アヤさんって、私が流産したこと知ってたっけ?」
     「その前に、母さんが流産してることだって、なんで彼女が知ってるんだい」
     と兄も言った。
     「もちろん、両方とも知らないはずよ」と私は言った。「それでも、彼女には分かるのよ」
     「そうね、彼女が言うなら、間違いないわね!」
     姉は身を屈めて、私のお腹を撫でた。
     「そっか……あんた、私の……じゃあ、今度こそ、ちゃんと生まれてくるんだよ」
     その時、また元気よく蹴ってきた。胎児には外の音も聞こえると言われているから、きっと姉の言葉が分かるのだろう。
     そんなわけで、雛人形は居間に飾ることになった。
     雛人形と言っても五段飾りとか七段飾りなんて言う豪華なものではない。姉がまだ赤ん坊のころ、母も父もそういうことにはまったく関心がなかったため、紅藤の祖母が買ってくれたのだが、祖母は祖父に軟禁状態で生活させられていたので、自由の利くお金などたいして持ってはいなかった。なので、この雛人形も持参金として持ってきた少ない貯金を下して、ようやく買えたものなのである。よって、ガラスケースに入った小さいものだった。最近の雛人形のようにリアルではないし、髪形など「おすべらかし」なんてとんでもない。全員「おかっぱ」だった。けれど、これはこれで味わいがある。なにしろ目が、今では貴重価値と言われる切れ長で描かれているのだ。顔の造りも、どれも子供っぽく出来ていて可愛い。
     「このまま置くと見えづらいよね。高さないし。下にテーブルでも置く?」
     「そこの四脚テーブル使って」
     姉と二人で雛人形を並べている間、兄はなにをしているかと言うと……。
     「行けッ飛蝶! ジャンプ!」
     隣の部屋で、玩具の猫じゃらしを使って、アクロバットな芸を仕込んでいるのだった。――邪魔されるよりはいいけど……。
     「ケンちゃん、あんたも手伝いなさいよ」
     「僕が手伝ったところで、並べ方分らないし」
     「だったら、甘酒か白酒買っといで。横に並べるんだから」
     「雛あられは?」
     そこで私が口を挟んだ。「私、雛あられ好きじゃない」
     「じゃあ、菱餅(ひしもち)ね。真空パックになってるやつよ」
     「ハイハイ、お姉様。……付いてこい、飛蝶!」
     「ちょっと、お兄ちゃん! 飛蝶はお店入れないわよ!」
     兄は私以上に猫好き。だから久しぶりに飛蝶と遊べて、はしゃいでいるのだ――気が若いのよね、要するに。

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  • from: エリスさん

    2009年04月17日 14時19分57秒

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    先週は....

     休載してしまって、本当にすみませんでした。

     「代休をもらって、今回の埋め合わせをしたいと.....」

     そう宣言したにも関わらず、しばらく代休をもらえる状況ではなくなってしまいました。
     憎きは「クローズZEROⅡ」・・・・・・・(-_-)


     先週の休載の言い訳は、ごめんなさい、私一人の問題ではないので言うことができません。とにかく勤務先の事情と、我が家の事情が不幸にも重なってしまったがために、やむなくそうせざるをえなかったんです。


     私のような拙い文章を楽しみに待ってくださっている読者の皆さんには、本当に申し訳ございませんと頭を下げるしかありません。どうか、こんなこともあるのだと、大きな気持ちで受け止めてくださったら幸いです。

     おそらく、来週は休載しないで済むと思います(^_^)/

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  • from: エリスさん

    2009年04月17日 14時09分49秒

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    「箱庭・65」


     二月十九日は郁子(あやこ)の誕生日だ。――同時に川村郁と黒田建(たける)の誕生日でもあり(偶然とは言え、すごい……)芸術学院「永遠の風」の面々は、よくこの日にパーティーを開いていた。今年も例年通り行うそうで、私も招待されたのだけど……まだ皆に知られたくはないので、丁重にお断りをした。いくらなんでも、八ヶ月のお腹がごまかせるはずもない。
     なので、その日もいつも通り庭の手入れをしていた。白い寒椿がそろそろ首元から落ちかかっている。花びらが少しづつ散るのではなく、一気に花の形を残したまま落ちてしまう椿は、落ちた瞬間を見てしまうと悲しくなってしまうが、あとから「でも潔い!」と思える。――不思議と彼女を思い出してしまう。
     あれから、彼女はどうしているだろう。私に言ったように、坊やを愛そうと努力しているかしら。幸せ、ではないだろうけど。
     私の「幸せ」は、時折私のお腹を蹴って、元気な証拠を見せてくれている。四月がくるのが待ち遠しい……そう、思った時だった。
     家の前で一台のワゴン車が止まった。出てきたのは姉と兄だった。
     「お兄ちゃん! 今日、銀行は?」
     「有給休暇だよ。たまにはいいだろ?」
     「それより、シャア」と姉が言った。「これ、どこに置いたらいい?」
     二人がわざわざ運んできたもの――それは、実家の雛人形だった。

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  • from: エリスさん

    2009年04月17日 10時23分28秒

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    「箱庭・64」
     「あなた……」杏子は口を押さえながら、憐れむように私を見ていた。「そう、そうだったの……ごめんなさい、思いもよらなかったから……」
     また、重い沈黙に包まれてしまう。ようやく和解できそうだと言うのに、どうしてこうなってしまうのだろう。
     仲の良かったあの頃には、二度と戻れないのだろうか。
     そんな時、柱時計が十二時を知らせる。
     二人して同じ時計を見、見終わってから目が合う。
     「なんか、懐かしいね、今のタイミング」
     と杏子は言った。
     「良くありましたよね。気づくと同じ動きしてたってこと」
     「うん……懐かしいな……」
     そうして、彼女は席を立った。もう帰らなければならないのだそうだ。玄関まで送ると、彼女はそっと私を抱きしめた。
     「体を労わって、丈夫な赤ちゃんを産んでね。約束よ」
     「はい、必ず」
     「……私ね……」
     「はい?」
     「あなたのこと、嫌いじゃないの。羨ましいけど、憎んでない。ホントよ」
     「私だって! 妬んではいたけど、尊敬してます。今でも」
     「……ありがとう」
     ゆっくりと私から離れた彼女は、自分で戸を開けて出て行き、閉めた。
     これでもう、会えない? このままでいいの?――そう思ったら、私は反射的に外へ飛び出していた。
     「杏子さん!」
     私の声に、びっくりして彼女が振り返る。
     「お願い、坊やのこと、愛してあげて! そうじゃないと、その子、私の姉のように何事にも反発して生きるか、私の兄みたいにすべてを諦めて生きるか、私のように母親に振り向いてもらいたい一心で、自分が奴隷のように扱われるのを喜ぶような、そんな人間になってしまう。そんな思いをするのは、私たちだけでたくさん! だから!!」
     すると、彼女はあの笑顔で見せてくれた――聖母の微笑みを。
     「努力するわ、沙耶」
     彼女が行ってしまった後、私はその場に膝を付いてしまう。
     やっと見られた。本当の彼女の笑顔を。
     この時ようやく、私たちの間のわだかまりが解けた、と実感することができた。願わくは杏子の子供が私たちのようになりませんように。他のことはもう、どうだっていいから。
     彼の誕生日にこんなことが起こるなんて、私は誰とはなしに感謝していた。



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  • from: エリスさん

    2009年04月09日 13時43分42秒

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    m(_ _)m

    仕事の事情と、家庭の事情が見事にぶつかってしまい、

    その結果

    明日の小説アップは休載することになりました。

    読者の皆様、本当に申し訳ありません。
    来週中には会社から代休をもらうようにして、明日の分もあわせてアップしたいと思っています。

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  • from: エリスさん

    2009年04月02日 21時11分31秒

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    「Re:ところで.....」
    家に帰ってきてから、このことを兄に話したら、


     「そうゆうバカな輩は無視しなさい! 時間がもったいないから」


     確かにそうだね。
     でも聞こえるものは、無視したくとも……

     まあ、そのバカップルの隣のブースとおぼしき人が仕切り板を蹴っ飛ばす音が聞こえたら、おとなしくなったけどね。

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  • from: エリスさん

    2009年04月02日 18時24分52秒

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    「箱庭・63」
     それですべて合点がいった――私が片桐の血筋と知って、似ていて当然だと言った喬志の言葉。そして、私にそっくりな顔をしていたあの幽霊。喬志の夢に出てきた少女とまったく同じ服装をしていたのだから、あの幽霊は間違いなく喬志の妹の史織さんだ。
     ……それじゃ、妹に似ているからって好意を寄せそうになった女って……。
     その答えは聞くまでもなく、杏子が教えてくれた。
     「あなたが入社したばっかりの頃は、銀行家のご令嬢、なんて言って馬鹿にしてた一人だったくせにね。そのことに気づいてから、私と一緒にいても目線があなたの方を向いていたりして。浮気者! ってほっぺた平手打ちしたこともあるのよ……あの時、私がそんなことしなければ、その後、あなたに告白されても、すげなく断ったりはしなかったんだろうな。今思うと、私があなたのチャンスを潰していたのよ」
     そう言って無理して笑う彼女が、痛々しく見える。
     知らず知らず、自分が罪を重ねてきたことを思い知る。喬志が私の中に妹さんを見ていたのなら、私は彼に妹を犯させたことにもなるのだ。――喬志のそばにいてはならないのは、私の方!
     「紅藤さん?……どうしたの?」
     杏子が声をかけてくれた時、私は自分が泣いていることに気づいた。自分がどれほどの犯罪者か、思い知らされて、悲しくなってきたのだ。思えば、私は生まれながらにして汚れていた。それを、人並みに幸せなど望んだばかりに……そう思って、今泣いている理由を口にするのを躊躇われた。口にしていいのだろうか? こんなこと。もし口にしてしまったら、きっと……。
     私は指先で涙をぬぐってから、言った。
     「坊やは、可愛いですか?」
     「……なんなの? 藪から棒に」
     「これから母親になる私にしてみれば、来目さんは先輩になりますから、参考までにと思って」
     「……可愛いわけないじゃないの」
     やっぱり……杏子も私の母と同じ考えだった。
     「生まれてひと月もたってないって言うのに、大石にそっくりなのよ。あんなのに授乳しなきゃならないのかと思うと虫酸が走って、どんなに自分の胸が張って痛くなっても、絶対にそんなことしてやるものですか。抱きかかえるのなんて以ての外よ。全部、家政婦に任せてるわ」
     「……可哀そうです」
     「どこが? 産んであげただけでも感謝してもらいたいものね。本当なら、水子供養どころか、私が自殺していれば墓さえ立たなかったのよ」
     「そんな言い方しないで」
     「だって本当のことよ」
     杏子は憎々しげな表情をしている。それだけ生まれてきた坊やに悪意を持っているのだ。きっと、母も今の彼女と同じ表情をしながら私たち姉兄妹(きょうだい)のことを見てきたのだろう。
     「本当のことでも……本当のことでも、言わないで!」
     私がつい大声を出したことで、彼女は驚いていた。
     「そうやって、母親に蔑まれ続けて育った、私たちの身にもなって! それこそ、死にたいと思ったことは数えきれないほどなんです」
     

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  • from: エリスさん

    2009年04月02日 17時44分35秒

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    ところで.....

     今はネットカフェにいるのですが.....斜め後ろのブースから、男女の怪しいため息混じりの声が聞こえてくるんですけど.........




     ここでやるなよ orz

     BGMにまぎれてごまかせると思ってるんだろうけど、私のいるブースとの距離で聞こえるんだから、隣の人には丸聞こえでしょうが。

     店員にチクってやろうかしら、迷惑な(-_-メ)

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  • from: エリスさん

    2009年04月02日 17時43分51秒

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    スウィート・トリップ復活祭

     知っている人は知っている。
     かつて秋葉原に女性限定のメイドカフェがあったことを。

     その名は「スウィート・トリップ」略して「スイトリ」(水鳥とも書く)

     そのスイトリが、4月4日と5日の二日間だけ復活します!
     \(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/(確かこのサークルプレイヤーでは、右手にあたる部分が文字化けするはずだが、そのまま入力します)

     というわけで、4月4日の土曜日 この復活イベントに参加してきます。
     本当は午前中だけ仕事をしてから、更衣室でおめかしして(^.^)秋葉原に出かけようと思っていたのですが、どうやら上司が、私がイベントに行くことを誰かから聞いたらしく、お休みにしてくれました。(本当にいいんですか?)
     うちの映画館も大忙しなこの時期、しかも土曜日に丸一日お休みをいただいてしまって、申し訳ないです<m (_ _)m>

     申し訳ないけど、でも楽しませていただきます!

     やっと会えるのね、可愛いメイドさん達に。もう何か月ぶりやら!
     そして店長さん(店鳥さん と常連は書きますが)の入れてくれるおいしいフルーツティー!!!!! 夢にまで見たよ、ホントにね。

     というわけで、しっかり百合萌えを注入してきます(^_-)-☆

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