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恋愛小説発表会〜時にはノンジャンルで〜

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公開 メンバー数:6人

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  • from: エリスさん

    2008年03月29日 18時26分28秒

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    『百合な日々』サイト

     『百合な日々』というサイトに、以前、私の「罪ゆえに天駆け地に帰す」(つみゆえにあまがけつちにきす)を取り上げていただきまして、
     筆者として、サイトの管理人さんにお礼のメールを送りましたところ、
     昨日お返事をいただきました。

     管理人さんも作者本人からメールをもらって、驚いたそうです。

     これからも百合小説は書き綴ると思うので、この先、万が一、ひょんな拍子でまた本を出版できたら、その時には、また取り上げていただきたいと、伏してお願いします。m(_ _)m

     百合つながりで――夕飯を食べながら、「舞‐乙HiME」を見ていました。
     紫水晶のマイスター シズル・ヴィオーラ様、素敵すぎです。あんなお姉様がほしい(私のが年上だけど)。

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  • from: エリスさん

    2008年03月28日 15時32分37秒

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    男性読者に不評?



     「おまえ、男、嫌いだろう?」

     2サークル(「神話読書会」と「恋愛小説発表会」)とも、そんな展開になっている、最近の私。
     たまたまそうなったのよ、故意にそうしているわけじゃないの。今ちょうど書きたい作品が、両方ともそんなテーマになってしまっただけで。


     「だから、男が嫌いなんだろ?」
     「嫌いじゃなければ書けないよな、こんなテーマ」

     まあ、ぶっちゃけてしまえば、
     「男が恐い」
     が正解。嫌いって言うには、好きな男性もほんの一握りはいるので――あの人とか、あの子とか、堂本光一とか、西川貴教とか、岡本健一とか……。
     あっ、あとお兄ちゃん! (^_^)  お父さんは微妙……。


     この世のすべての男性が嫌いってわけではないけど、男性恐怖症はどうしようもない私の欠点なので、まあ、こんな作品が多くなっちゃうんでしょうね。
     特に今は。
     大丈夫。この次の作品はちゃんとした男女の恋愛を描く予定なので(予定は未定に良く似てる)、そうしたら、ちゃんと男性も格好良く描きますから。

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  • from: エリスさん

    2008年03月28日 14時40分27秒

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    「秘めし想いを……・30」
     可哀相な人――私は初めて、そう思った。悪いことだと分かっていても、妻恋しさに、妻に似た女人――娘を、身代わりにしようと、そこまで思い詰めてしまうなんて。
     その気持ち、私には痛いほど分かるから、もう、あの人を嫌いになれない……。
     「叔母様……」
     茉莉の声で、私は我に返った。
     茉莉は、傍まで来ていた。月明かりのもと、彼女の顔を良く見てみれば、本当に、過ちを犯してしまいたくなるほど、姉に似ている。この私でさえ……。
     それでも私が堪えていられるのは「私はこの子の叔母なのだ」と、ちゃんと自覚していられるから。
     少納言はその自覚をも失ってしまうほど、姉に溺れてしまったのだ。
     「可哀相な人……」
     「……叔母様……」
     私達は互いに抱き合って、しばらくそのまま泣き続けた。


              第 五 章

     翌朝。
     安心してぐっすりと眠っている茉莉に対して、私はあまり眠れなかった。
     茉莉を起こさないように、そうっと起き出した私は、風に当たりたかったので、庭の方へ下りていった。
     少し霧がかかっている。
     もう冬が近いのだろうか。塗籠の中では分からなかったが、大分寒くなっていた。
     でも、今はその寒さが心地よい。冷たい風が、興奮し過ぎて疲れてしまった頭を冷やしてくれる。
     私は、ゆっくりと歩いて、池の方まで行った。
     池の傍は、姉の定位置――子供のころの思い出が、一瞬で蘇る。
     姉が花飾りを作る――その花を、私が摘んでくる。
     あのころが一番幸福だった。姉がいなくなるなど、疑いもしなかった、あのころが。
     でも……もういない。
     姉がいないだけで、何人もの人間が悲しみに囚われている。
     決して姉が悪いわけではない。けれど――取り戻すことさえできたら。
     『お姉様、教えて。私は、どうしたらいいの?』
     私が思いを馳せている時だった。
     「……忍の君……ですか?」
     とても慎重に聞いてきたその声は、思った通り少納言だった。彼も夜着のまま、ここへ来てしまったのだ。

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  • from: エリスさん

    2008年03月28日 14時22分43秒

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    「秘めし想いを……・29」
     「私、もっと早く叔母様とお会いしたかったわ」
     「本当ね。そうしていれば、あなたをこんな辛い目に合わせることもなかったのに……さっ、もう静かにしましょう。私は帰ったことになっているのですから」
     右近が教えてくれたことが本当のことなのかどうか、この目で確かめるためにここにいるのだ。もちろん、何もないに越したことはないけれど……。
     私達は寝床に横になって、外の様子を伺っていた。
     このまま誰も来ないで――そう願った。これ以上の苦しみなど、茉莉に与えないで。この子は幸福にならなければいけないの。亡くなった姉の分まで――!
     それなのに、足音は微かに聞こえてきた。
     その音が聞こえた途端、茉莉は私にしがみついてきた。
     こんなこと、あってはならないのに、本当にそんなことを望んでいるの、あなたは!
     ……足音は、塗籠の前で止まった。
     誰かが、扉を開こうとしている。けれど、中から錠をしているのだから、開くはずがない。なのにその誰かは、懸命にそれを開こうとしていた。
     しばらくすると、扉をこじ開けるのを諦めたその人が、廊下に膝をついたのが分かった。
     「……姫……開けてくれ……」
     その声を聞いて、茉莉がますます強く私にしがみついてくる。
     もう疑いようがなかった。
     この声は、間違いなく、菅原の少納言だった――。
     「頼む、開けてくれ……姫、わたしを哀れと思うなら、ここを開けて、中へ入れてくれ……」
     「……いや……いや!」
     茉莉が耐え切れずに、叫ぶ。
     「お願いだ、姫。わたしは……紫苑に逢いたい……」
     私は、茉莉の手を離させた。そして、声を出さないようにと合図をして、扉の方へと歩いて行った。
     少納言はきっと、私の足音を茉莉のものと思っていることだろう。だから、扉の錠を外す音を聞き、彼は歓喜の声をあげたのだ。
     私が扉を開くと、月明かりの下、少納言はまるで平伏するようにそこにいた。
     そして彼の目にはきっと、私のことが、極楽から妻が舞い戻ってきたかのように見えたことだろう。彼は恐る恐る近寄ると、こう言ったのだ。
     「これは夢か……紫苑……紘子!」
     私に抱きつこうとしたその時、私は少納言の頬を叩いた。
     相当強く叩いてしまったのかもしれない。少納言はその場に倒れてしまった。そして驚いて見上げる彼に向かって、私は怒鳴った。
     「情けない! 目を覚まされなされ、少納言殿!」
     そこで彼はようやく、私が忍であることに気づいた。
     「忍の君……なぜここに……」
     「あなたは自分のしていることが分かっているのですか。いくら、紫苑姉様が恋しいからと言って、茉莉を犠牲にしていいはずがありません。茉莉はお姉様じゃないのよ! あなたの血を分けた娘ではありませんか!」
     少納言は体を震わせていた。
     「分かって……いるのです」
     「分かっているのなら、何故!!」
     「それでも!!」
     少納言は目に涙を溜めながら、私を見上げた。
     「わたしは……紫苑が恋しい……」
     「少納言殿……」
     なんて切ない声を出すの――怒れなくなってしまうじゃない……。
     「……行って、下さい。……今日はもう、遅いから」
     私がそう言うと、少納言は一礼をしてから、歩いて行った――。

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  • from: エリスさん

    2008年03月28日 13時58分17秒

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    「秘めし想いを……・28」
     「幸い、発見が早かったので大事には至らなかったのです。世間にも知られずに済みましたし」
     「そうだったの……」
     ――茉莉が男性を好きになれない、というのは分かったわ。でもそれで、父親まで怖がるというのは、ちょっとおかしい。
     そのことを改めて聞いてみると、右近は信じられないことを語りだした――!
     「紫苑様が亡くなられたのは、夜中です。それも、満月の美しい夜でした。だからなのでしょうか、満月の夜になると、少納言様は己を失ってしまわれて、紫苑様の幻を求めるように……」
     「いつからなの?」
     「二年ほど前からです。――忍様、今夜はその満月です。ですから、きっとまた……」
     「分かったわ」と私は言った。「それじゃ、この後のことを相談しましょうか」
     こんな事は、早く終わらせなければならない。そのためにも、私が行動するべきだと思った。


     姫が塗籠(ぬりごめ。当時でいう納戸)で寝ているということを、今日初めて知った。確かに塗籠は中から錠がかけられるし、外部からの侵入者を気にしないで安心して眠れる。でも、夏は暑そうね……。
     私はそこで、姫の左手首の傷を見せてもらった。ほの暗い部屋で見たそれは、紫色にくっきりと横たわって見えた。
     「深く切ったのね……」
     私は茉莉の手首を撫でながら、そう言った。
     「本当は、首筋を切ろうと思ったんです」
     と、茉莉は言った。「でも、恐くなってしまって……」
     「それで、手首にしたのね」
     「はい……」
     「恐くなって当然よ。あなたはその時まだ十一歳。子供だったんですもの。大人だって死ぬのは恐いのよ」
     「でも、私……」
     茉莉は泣いていた……。
     「自分でも分かっていたんです。自分は女なのだから、女人を好きになるのはおかしいことだって。でも、七重のことが大好きで、どうしても独り占めしたくて堪らなかった。だから七重が紀伊介(きのすけ。紀伊の国の二番目の受領)と結婚したと知った時は、紀伊介なんか死んでしまえばいいと思ったわ。そして七重も紀伊の国へ行くと聞いて、もう生きていたくないと思った。……分かっているの、こんなのおかしいって! 私は女なのだから、男性を好きにならなければいけないって。でも、七重を想う気持ちは、どうすることも……」
     茉莉がいつまでも自分を責め続けるのが堪らなくて、私は茉莉を抱きしめた。
     「おかしくはないのよ。人を好きになるってことは、それがどんな相手であっても、素敵なことなの。私なんて、お姉様に恋をしたのよ」
     「……お姉様って……」
     「そう、あなたのお母様。私は血のつながった姉を愛したの。それでも、そんな自分を私は恥じていないわ。だってそうでしょう? それだけ、お姉様は素晴らしい人だったのですもの」
     私は茉莉を離してあげると、彼女の目を見て言った。
     「あなたが七重という人を好きになったのは、それだけ七重さんが素敵な人だったから。そうでしょう? だから、好きになったことを恥じる必要などないのよ」
     茉莉はその言葉に頷いてくれた。

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  • from: エリスさん

    2008年03月28日 12時49分29秒

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    「秘めし想いを……・27」
     「許して……許して、お姉様……私が……私さえ気づいていれば、こんなことには!!」
     「忍様。紫苑様のお気持ちも分かってあげて下さい。世間一般では、女人同士で愛し合うことも、ましてや血のつながった姉妹でなど、許されることではないのです。ですから紫苑様は、悩みに悩んで、少納言様と結ばれることを選んだのです。そして少納言様は、そんな紫苑様の気持ちに気づいておられました」
     そのようね。あの時の少納言を思い出せば分かる。彼は、私たちの姉妹愛に嫉妬したのじゃない。本当に私を恋敵と分かっていたのだわ。
     「少納言様にしてみれば、愛する妻が、自分以外の者を愛しているというのは、とても悲しいことでございましょう。その思いが、ますます紫苑様を欲するようになってしまわれたのです」
     「だから、お姉様に似ている私を、手に入れようとしているのね」
     「……忍様だけではございません」
     「え?」
     どうゆうこと? と思っていると、右近は急に話題を変えた。
     「茉莉姫様は、紫苑様の血を色濃く受け継ぎました。姫様も、殿方を好きにはなれない御方なのです」
     「茉莉も!? あの子も、私達のように同性を……」
     「実際に、姫には好きになった女人がいるのです。この家の女房だった娘で、姫より三つ上でした。でも二年前、その娘が結婚して、夫の任国へ下ることになった時、姫は狂ったように嫌がりまして……。それでも、娘が夫の方を選んで、この屋敷から出て行きましたら、その夜、姫は自ら命を絶とうとなさいました……」
     「……左手首を、切ったのね」
     「お気づきでしたか?」
     「偶然ね。普段は袖に隠れて見えないけど、たまたま、触ってしまったことがあったの」
     やはり、あの傷跡はそういうことだったのね……。

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  • from: エリスさん

    2008年03月28日 12時28分19秒

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    連載再開前に...


     逢いたい人がいるのに、
     逢えないもどかしさを抱えていると、
     孤独でいるのが悲しくなる。

     だから、恋のことを「孤悲」と言う。……昔の人は、粋な言い回しをしたものです。

     忍の君は、逢いたい人がいても、じっと堪えるタイプの女性です。だから今まで独身を通してきました。
     でも紫苑の君は、自分がそれに耐えられないと分かっていました。だから、二番目に好きな男と結婚したのです。
     そのことによって生まれた悲劇――紫苑の選択が正しかったのか否か、問われるところです。

     それでは続きをどうぞ……。

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  • from: エリスさん

    2008年03月28日 11時57分04秒

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    「こっちにも載せます・4」

     桃の花が満開に近くなりました(完璧な満開ではありません)
     ベランダから撮影しています。

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  • from: エリスさん

    2008年03月26日 21時43分24秒

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    「Re:あり か なし か」
     今すごく眠いんだけど、我慢して書きます。
     私がまだ印刷会社で校正技能士をやっていたころ。年齢は32だった。そこに、私より10歳年上の派遣社員が入ってきた。10歳年上なんだけど、ことあるごとに、自分の年は私と一歳違いだと主張してました。
     クリスチャンで、教会の人と共同生活をしていたので、そうとう規律が厳しかったのでしょう。
     その人が、私が七分丈ジーンズをはいているのを見て、

     「やだ、みっともない。あなたの年齢で、そんなに足をだして」

     「そんなみっともないかなァ?」
     と言い返したら、その人は、
     「みっともないし、はしたない。あなたと一歳違いの私でも、そんなの着ないよ」
     一歳じゃなくて十歳だろうがッ! 人事部に確認取ってるのよ! と言いたかったけど、ぐっと堪えて、

     「七分丈ジーンズは、今はやりだから。他にもはいてる三十代の人は、いっぱいいるよ」
     「ええ〜! 私ははかないのに? とにかくみっともないから、止めなね」

     やだ、止めない――と、当時は思った。
     だって、躾の厳しい我が母でさえ、
     「あら、涼しそうでいいじゃない」
     と、言ってくれた格好よ。タイトスカートより足が隠れる長さなのに、はしたないってなにさ。
     それとも単に、似合わない、て言いたかったんだろうか。
     試しに、過去に私の七分丈ジーンズを見たことある人たちに、聞いてみた。

     「悪くないと思いますよ」
     「三十代だからって、気にしなくてもいいんじゃない?」
     「それに、今わたしらが着ている制服よりは、はるかに丈が長いから」
     「そうだよね(^O^)」

     だけど私も37歳になった。
     あの時、私を「はしたない」と言った派遣さんの、年齢に近付きつつある。
     本当にまだ着ていて、いいの?
     そのうち、職場の制服が似合わなくなったら、もう着るのを止めないと。

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  • from: エリスさん

    2008年03月26日 20時21分59秒

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    あり か なし か

     衣替えは済みまして?
     普通は「四月一日」にするもの。四月一日に綿入りの衣服(ちゃんちゃんこ、など)から綿の入っていない衣服に替えたことから、四月一日は「わたぬき」と読むようになりました。――CLAMPの「×××HOLiC」に出てくる「わたぬき君」も四月一日って書きますね。

     古典ネタとアニメネタはこれぐらいにして。

     そろそろ七分丈ジーンズを出そうと思っているのだが、あれを出すたび、私は自問自答することがある。
     詳細は後程、時間があった時に。

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