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恋愛小説発表会〜時にはノンジャンルで〜

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  • from: エリスさん

    2010年02月26日 14時30分45秒

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    「阿修羅王さま御用心・22」
     しばらく笑いあってから、郁子は祥の前に座った。
     「ねえ? どうして?」
     ――どうしてこんな遅くに訪ねてきたの? という思いを短めに問いかけると、祥は苦笑いを浮かべた。
     「実はさ……しばらく会えなくなるんだよ」
     「え? また?」
     一年半も会えなかったことを思い出した郁子は、その時の寂しさが蘇って切ない表情になった。それを見た祥は慌てて、
     「あっ! と言っても二週間ぐらいだよ。明後日から試験期間なんだよ。それで……ほら、俺、一年浪人してるから、絶対に恥ずかしくない成績で進級したいんだ」
     「ああ、そういうこと……」
     郁子は安堵の吐息をつくと、すぐに微笑んだ。
     「無理しないでね。ショオは今のままでも秀才なんだから、具合さえ悪くしなければ、落第なんてありえないんだし」
     「うん、大丈夫だよ」
     そもそも大学受験に落ちたのも、三十九度も熱があったのに無理に試験を受けに行ったからであった。
     「それでさ、なんかさっきみたいなこともあるし、心配だから利衣夜(りいや)を護衛に置いていこうと思うんだけど、どうかな?」
     「ホント? 助かるわ。私のためじゃなくて、おばあ様のために。私が学校へ行っている間に、おばあ様を狙われたら大変ですもの」
     「うん。じゃあ、そういうことで……」
     ……しばらくの沈黙。
     「……する?」
     と郁子が聞くと、祥は頭を掻きながらうなだれた。
     「……ごめん」
     「どうしたの? そのために来たんじゃ……」
     「いや、そうなんだけど……ごめん、忘れてきた」
     「忘れたって?」
     「キムナーラさんにもらったやつ」
     「ああ、あれ?」
     キムナーラ(緊那羅王)とは、大梵天道場青森支部にいる八部衆の一人で、郁子の同僚になる。本名は丈河哲(たけかわ さとる)といい、同じく大梵天道場の東京本部にいるガンダルヴァ(乾闥婆王)こと鏑木響子(かぶらぎ きょうこ)と婚約している。二人は正式に結婚するまでは道場を引退しないつもりで、そのため寝間では常に「貞操帯」を使用している。大梵天道場では「貞操帯」を着けるのは男性の方で、キムナーラと友人になった祥もそれを分けてもらったのだが……。
     「別に、なくても良くない?」と、郁子は言った。「私たちの初めての時って、そんなの使わなかったじゃない」
     「おかげで、その後が気まずかったけどね、俺が」
     「いつまでそんなの気にしてるの? そのうち結婚したら、毎回同じことで気にするつもり?」
     「そ、そうなんだけど……」
     「別にね、私はいいのよ。あなたに会えなくても、私を求めてくれる人は他にもいるから」
     言わずと知れた郁のことである――祥はちょっとだけムッとした。それに気づいていながら、郁子は祥にすり寄った。
     「でもあなたは……ここでスッキリさせとかないと、会えないでいる二週間が辛いから、来たのでしょ?」
     「挑発するなよ。どうなっても知らないよ」
     「あら、大丈夫よ。ちょっと待ってて」
     郁子は祥の肩に手を伸ばすと、彼を上半身だけ脱がしてしまった。そして、自分が着ている浴衣から腰ひもをはずして、そのひもで祥の腿を、腰から下に裏返して落ちてきた浴衣ごと縛り付けた。
     「これで、貞操帯と隠れているところは一緒でしょ?」
     「あはは、動きづらさも一緒だね。でも……」
     そのまま祥は郁子を押し倒した。
     「おかげで脱がしやすくなったけど」
     郁子の浴衣の襟元から手を滑らせると、すぐに白い胸と腕が露わになる……下着を一枚しか着けていなかったところを見ると、郁子もそのつもりだったらしい。
     郁子の左手に祥が右手を重ねただけで、彼女は甘い吐息を吐いた。
     右手にも同様に左手を重ねると、それだけで郁子の表情が夢見心地になっていく。
     そのままキスで郁子を愛していくと、ずっと声を堪えていた郁子がたまらずに言った。
     「左手を離して……口を塞がなきゃ……」
     「……離してあげるけど、塞ぐのは俺がするよ」
     祥は手を離してあげる代わりに、唇にキスをした。
     愛撫するたびに、郁子の口から祥の口に震動が伝わってくる。それがたまらずに愛しく思えて、ついつい手に力がこもってしまう。ちょうどその時、唇が離れてしまった。
     「あっ!」
     声を発してしまった途端、郁子は真っ赤になって手で顔を覆った。
     「我慢しなくていいのに」
     「だめよ。おばあ様に聞こえちゃう」
     「聞こえても構わないと思うけど……」
     「でも私が嫌なの!」
     「じゃあ……うつ伏せになってよ」
     「それは、ちょっと……」
     背中には無数の傷跡がある。そのことは祥も承知の上だが、それでもあまり見られたくはない。
     「私、枕で顔を隠してるから、このままの体勢でお願い」
     「それじゃ俺が襲ってるみたいだから!」
     「じゃあ、せめて横向きで……」
     「どっちにしても、枕で顔を覆いたいんだね。声を抑えるために」
     「うつぶせになったって、どうせそうなるのよ?」
     「……う〜ん……」
     祥は郁子の手から枕を取り上げると、遠くへ放り投げて、そのまま郁子に覆いかぶさった。
     「気をつけるから、枕で隠すのだけはやめてくれ」
     「うん……」
     郁子は祥に愛されている間、ずっと両手で声を抑えていた。それでも、郁としている時よりも祥との営みの方が三割増ぐらいに感じるので、やはり最後の最後には声が漏れてしまう……。
     恥ずかしさで涙が出てきた郁子に、祥はそっと囁いた。
     「俺だってこの後、恥ずかしい思いをするんだから……汚れた浴衣を洗濯するのはおばあ様だろ?」
     「それは……私が一足先に水洗いしてあげるから」
     「いや、水洗いしてある時点でバレバレだから (^_^;)」
     とりあえず祥が別の浴衣(郁子のを借りた)に着替えている間、郁子は乱れた布団を整えてあげた。
     「それにしてもさ、大変だよね」
     と祥が言うので、なにが? と郁子は答えた。
     「君の道場のしきたりだよ。キムナーラさん達も婚約してるのに、引退するまでは直接の関係を持ってはダメなんだろ?」
     「そうよ。うちは巫女武道だから、純潔でなければ神力を宿せなくなってしまうもの」
     「それで、あの帯を使うんだな……でもあれってさ」
     着替え終わった祥は、自分の方の布団ではなく、郁子のベッドに入って行って、郁子にも隣に横になるように言った。
     「腰から膝まで、完全に動かせなくなるんだよ。あれじゃ男はなんにも出来ないと思うんだけど」
     「そうよ、それが狙い」
     郁子は祥の腕を枕にして眠ることにした。
     「うちの道場の作法では、男が受け身になって、女が主導権を握るの」
     「作法って言っちゃうんだ(^_^;) じゃあ男は横になったまま、なにもしないんだ?」
     「基本はね。でもそれじゃ詰らないから、胸だけは触っててもらう――って、ガンダルバが言ってたけど」
     「……俺もいろいろと勉強しておくよ。あと、訪ねてくるタイミングも考える」
     「うん、そうしてね」
     これからもいろいろと障害はあるだろうが、この二人の場合それでもうまくやっていくようである。



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  • from: エリスさん

    2010年02月19日 15時02分21秒

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    「阿修羅王さま御用心・21」
     この経緯を聞いて、郁子の祖母・世津子は感激していた。
     「そうですか、祥さんが助けて下さったんですか。本当にありがとうございます。この子にもしものことがあったら、死んだこの子の両親に申し訳が立たないところでしたよ」
     「いえ、そんな……でも、今思えば、アヤならあんな二人ばかりの男ども、簡単にやっつけられたんですよね」
     祥は茶の間へ通されていた。その間、郁子は部屋で着替えていた。
     まさか祥がこんな時間に来るとは思っていなかったから、驚いた。おまけに、利衣夜と一緒に来易くなるために、車の免許まで取っていたとは……。
     『こんな時間に来てくれるのも、高校時代とは違う、本当の恋人になったから、よね?』
     自分で思ってみて、照れてしまう。
     その時、足の先に固い物が触れる――携帯用の薙刀だった。車に乗るときに咄嗟に真ん中だけ取り外したので、まだまっすぐなままだった。
     郁子はそれを拾って、両手に一本ずつ持ち、互いにぶつけ合わせることで「くの字」に折って、また大腿部のホルダーに戻そうとして、ためらった。
     『家の中なのに、我が身を守ろうとしてる』
     習慣というものは恐ろしい。七年以上も続けていると、どうしても手が勝手に動いてしまうのだ。
     郁子はガーターベルトごとホルダーを外して、薙刀も一緒にベッドの下へ置いた。
     部屋着として使っている浴衣に着替えた郁子は、別段急ぐ様子もなく茶の間へと行った。すると、入口のところで「あのとき……」と言う祖母の声が聞こえてきて、足が止まってしまった。
     「私があなたに、〈アヤには何事にも完璧な人を婿として選びたい〉などと言ったから、あなたに要らぬプレッシャーをかけてしまいましたね。そのためにあなたは大学入試に落ちてしまって……」
     「おばあ様、それはあなたの所為では……」
     「いいえ、あなたは気にしてくれていた筈ですよ。その証拠に、私がそう言った後のあなたは、学業でもクラブ活動でも、素晴らしい業績を残していらっしゃる。私は、アヤを差し上げられる方はあなたしかいない、そう思っていたんですよ」
     「ありがとうございます……けれどおばあ様、本当にもうあの事は、お気になさらないでください。僕が入試に落ちたのは、絶対に合格できるという慢心があったのだと思っています。それなのに、大学浪人になった自分を恥じて、芸術学院に進学することになったアヤを遠ざけてしまって、僕は本当に愚かでした。僕がそんなことをしなければ……彼女にその後降りかかった不幸は、すべて僕の責任です」
     「いいえ、いいえ! あれはあの佐保山っていう……」
     「アヤは武道家です。逃げようと思えば逃げられた……アヤが、佐保山郁に屈してしまったのは、僕が彼女を一人にして、寂しくさせてたからなんです。だから……彼女が、佐保山郁とどんなことをしていても、僕がとやかく言える資格はないんです。――構いません、別に。どんなことがあってもアヤはアヤですから。僕は、彼女のすべてが好きなんです」
     『ショオ……』
     郁子は――いや、世津子も、涙が込み上げてくる思いだった。普通なら、どんなに愛している女でも、いくらその相手が同性だとは言え、自分以外の人間のものになっていたら、ためらうはずなのだ。現にそういう理由で別れた恋人同士を郁子は何組も見てきている。それなのに、祥は構わないと言ってくれた。
     「あなたは……」と、世津子は言った。「本当にお強くなられたわ。あなた達にとって、きっと一年半の空白は必要なものだったのでしょうね。あの子も大分成長したんですよ」
     「ハイ。僕には勿体ないぐらいの、素晴らしい女性になりました」
     「あなたのために成ったんですよ。あなたに相応しい女性になりたいって、あの子はいつもそう思って生きているんです。けれど、それをあなたが重荷に思うことはありませんよ。あなた方はお互いが切磋琢磨することで、ちょうど釣り合っているんですからね」
     「そうですね……僕もそう思います」
     二人の会話が途切れ、静寂が訪れる。
     郁子は目の端に溜まった涙を袖で拭ってから、中へ入った。
     「そろそろお夕飯にしましょう? おばあ様。ショオも食べて行ってね」
     「うん、そうさせてもらう」
     すると世津子は言った。
     「いっそ、泊っていってくださいな。ご両親には私が連絡しますから。ね? 夜、車を走らせるのも危ないですから」
     「それじゃ、お言葉に甘えまして」
     「そうしてくれますか!」
     世津子は喜び勇んで、台所へと入って行く――郁子も行こうとしたところを、祥に浴衣の端を掴まれて引き留められた。
     「実はさ……」と、彼は小声で言った。「初めから泊まる気で来たんだ」
     「え? ええ!?」
     「らしくない驚き方しないでよ」
     「だって……泊まるって、あなた……」
     「……だめ?」
     雰囲気で何が言いたいのかが伝わり、郁子は頬を紅潮させながら言った。
     「おばあ様には気づかれないようにしましょ」

     郁子がお風呂から戻ってくると、郁子のベッドの横にもう一組寝具が敷かれてあった。その寝具の上に胡坐をかいて座っている祥は、
     「おばあ様が敷いていったんだよ」
     と、楽しそうに笑っていた。
     「やだ、おばあ様ったら。気の遣いすぎだわ」
     部屋ならいくらでも余っているものを……よほど祥を信用しているのか、それとも?
     「おばあ様って、アヤを道場から引退させたがってるんだよね?」
     「既成事実を作れとでも?……もう、おばあ様ったら」
     「参ったね。気に入られて悪い気はしないけど、責任重大だ。絶対にアヤを泣かせられなくなる」
     なので郁子も茶目っ気たっぷりに言った。
     「泣かせる気、あるの?」
     「あるわけないだろ」

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  • from: エリスさん

    2010年02月19日 11時12分55秒

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    「静養、そして回復」
    > 実は昨日、あまりにも具合が悪いので病院に行ってきました。
    > 「腸炎」と診断されました。
    > 昨日の夜から薬を飲んでいるのですが、副作用なのかなんなのか、胃が重たく感じて、腰も痛いので、今日は炬燵と座椅子を利用して眠ってました――お布団で寝ると腰が余計に痛くなるので。
    > そんなわけで、明日は小説アップができるかわかりません。読者の皆様、ごめんなさい。




     と、書いてから一週間。
     なんの音沙汰もなくてすみませんでした。数日前から回復して、仕事にも復帰しております。
     仕事復帰は自分としてはかなり無理矢理だったのですが、体が辛いからと言って家で寝てばかりいると、悪いことばかり考えて精神的に良くないので、
     「仕事していれば、気が紛れるし……」
     という、言うなれば自分勝手な言い訳で出勤してました。まあ、私の代わりに出勤できる人を探すのも大変だから、多少具合が悪くても私自身が出勤してしまった方が手間は省けるのですが。
     その代わり、「腰が痛いから、重たい物は持てないの」と、荷物の運搬を男の子に押し付けたり(^_^;) 、「しょっちゅうトイレに行きたくなるから、その場から離れることができないストア(キャラクターグッズ売り場)の担当はできない」などと我ままを言ったり(-_-;) 、どうしようもない先輩に成り下がっておりました。後輩のみなさん、本当にスミマセン。
     でもね、具合が悪くて昼間からお布団の中にいるとね、考えちゃうのよ。
     「このままお婆ちゃんになりたくない……」
     ちゃんとした彼氏もいないまま、もうすぐ40歳になって、50歳になって、60歳…………………………って、本当に悩むんだよ、どん底まで! だったら痛い思いしてでも仕事に来ていた方がいいでしょ!



     話は変わりますが、実は今日、私の誕生日です。39歳になりました……40代へのカウントダウンが始まりましたよ(;一_一)
     そんな私に、我が兄・木堀ZO(またの名を三菜斗 岬)が誕生日プレゼントとしてDSの「トモダチコレクション」をくれました。
     「なぜにゲームソフト???」
     と思いつつも始めてみたら、ハマるハマる(^◇^)
     さっそく私と兄と、うちの愛猫・姫ちゃんと公太を擬人化したキャラを作り、不和女神エリスと、エイレイテュイア、アテーナー、ヘーパイストスを日本人化して作ってみました。
     アテーナーとヘーパイストスが両想いにならないかなァとやりはじめたんですが……開始三日目にして、私とヘーパイストスが恋人になっちゃいました。いいのか? これで!
     あとは「仮面ライダー・キバ」の紅音也と、堂本光一、西川貴教などのお気に入り芸能人も作ってみました。今のところ光一君は決め台詞として、
     「おまえなんか、握ってやる!」
     と、しゃべるところまで教育してあります。そのうち音也には、
     「いい子だ、渡(わたる)」としゃべってもらいましょう。
     風間俊介には迷った末、「俺のターン!」を覚えさせました。(「作戦会議だ!」とどっちにするか迷ったんですが)

     こんな感じで、私の三十代最後の一年が始まっておりますが……なんとか今年中に彼氏を見つけたいものです。ゲームではたった三日で捕まえられたのに……。

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  • from: エリスさん

    2010年02月11日 16時28分57秒

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    静養中

    実は昨日、あまりにも具合が悪いので病院に行ってきました。
    「腸炎」と診断されました。
    昨日の夜から薬を飲んでいるのですが、副作用なのかなんなのか、胃が重たく感じて、腰も痛いので、今日は炬燵と座椅子を利用して眠ってました――お布団で寝ると腰が余計に痛くなるので。
    そんなわけで、明日は小説アップができるかわかりません。読者の皆様、ごめんなさい。

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  • from: エリスさん

    2010年02月09日 19時27分15秒

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    もうすぐバレンタインですが……

     本命チョコを用意してあるんですが、

     渡せるかどうか分かりません。


     その昔、OL時代に片思いをしていた人にバレンタインプレゼントをしたところ、
     「おまえのはいらない」
     って突き返されたことがありまして……(アンタのことだよ、○倉)、それ以来本命の人にも義理チョコを渡すようにしています。

     今年もそうした方がいいのか、考え中。

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  • from: エリスさん

    2010年02月05日 14時53分53秒

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    「阿修羅王さま御用心・20」


     ちょうどその頃、高木祥(たかぎ しょう)は彼女の家へ向かって車を走らせていた。
     『免許取ったって言ったら、驚くよなァ、きっと』
     買ったばかりの愛車には、愛犬の利衣夜(りいや。ハスキー犬)も同乗している。彼も愛しの茶々ちゃんに会えるのが嬉しくてたまらないらしく、松戸の駅の前を通ったあたりからしきりに尻尾を振っていた。
     すると、公園から男の奇声が聞こえてきた。
     なにか、と思って車を止める。目を凝らしてよく見ると、三人の人間が手に長い物を持って格闘していた。……そのうちの一人は……。
     『アヤ!? また狙われてるのか?』
     祥は思わずドアを開けていた。そして、外へ出ると利衣夜のいる後部座席のドアを開いた。
     「行け、利衣夜! 茶々のご主人様を助けに行け!」
     利衣夜は猛烈ダッシュで飛び出して行った――祥も利衣夜も、郁子ならあんな奴らに負けるわけはないと分かっているのだが、やっぱりそういうところは男の心理である。
     二人(いや、一人と一匹)がそんな心意気でいることなど露知らず、郁子は刺客の二人を叩きのめしていた。――これでも手を抜いている方なのだが。
     「チクショウ!」
     飛びかかってくる一方を薙ぎ払おうとした時だった――目の前に灰色の影が飛び込んできて、郁子は思わず薙刀を握る手を止めていた。
     刺客の首元に飛び掛かってて行ったのは、やっぱり利衣夜だった。
     「怪我、ない?」
     その声で、自分の隣に祥が立っていることに気づく。
     「ショオ、どうして?」
     「話はあと。アヤにもしものことがあったら大変だ。逃げるよ」
     祥はすでに郁子の鞄を手に持っていて、もう片方の手で郁子の手を引いて駆け出した。利衣夜はと言うと、一方を襲い、もう一方が助けに入ることで二人とも引き止めていたのだった。
     車は公園の出入り口の前で止まっていた。
     「乗って」と祥が言うと、
     「って、これショオの?」
     「いいから乗って!」と、祥は郁子を助手席に押し込めた。「利衣夜! もういいぞ!」
     祥は自分も運転席に乗り、すぐにも走れる状態にする。郁子は薙刀に術解除の言霊をかけて、真中から切り離し――そこへ、利衣夜が後部座席に飛び込んできた。
     後部座席のドアを閉める間もなく、発進。
     郁子は体を伸ばして、薙刀をうまく使って後部座席のドアを閉めながら、よろけながらも追ってくる奴らの姿を確認した。
     「ショオ、真っすぐ家には向かわないで。あいつらに私の家を知られたくないの」
     「心得てるよ。しばらくは迷路みたいに走るから、ちゃんと捕まって」
     「うん……」
     郁子は、急いでいたために中途半端に掛けられていた祥のシートベルトをちゃんと閉めてあげてから、自分のを閉めた。利衣夜も身を伏せてグッと踏ん張っている。
     祥は巧みにハンドルを操って、右へ左へと路地を曲がっていった。まだ若葉マークでも、刺客の二人を巻くには充分の腕だったのである。

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  • from: エリスさん

    2010年02月05日 11時37分12秒

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    「阿修羅王さま御用心・19」


     電車の中、ずっと見られていることに郁子は気づいていた。
     『刺客の奴らね……』
     いつもは同じ電車で帰っている建は、今日はガールフレンドの尾張美夜(おわり みや。高等部1年生)とデートなのでいない。
     『まあ、一人でも大丈夫だけど……』
     まさか、この混雑している千代田線の中で襲っては来ないだろうが。――それでも、郁子は警戒しながら電車が自分の降りる松戸駅に着くのを待っていた。
     駅を降りても、奴らは付いてくる。直接彼女を襲っても勝ち目はないことは分かっているだろうに、沙耶をみすみす逃がしてしまった悔しさから、こんな夜道に尾行する気になったのだろう。
     そうなると、困ってしまう問題がある。
     『家がバレるとマズイわね』
     家がどこか分かってしまうと、夜もオチオチ眠れなくなってしまう。それに、普段は祖母が一人でいるのだ。それが分かって祖母を人質に取られようものなら……。
     『仕方ない……途中で始末するか』
     郁子は帰り道の途中にある公園に立ち寄った。――公園の中に人はいない。
     「ここならいいわ。姿を見せたら? あなた達」
     郁子の言葉に、外灯の光の下に奴らは現われた。
     「いつから尾行に気づいた?」
     と唄子のボーイフレンドが聞くので、郁子は呆れながら答えた。
     「電車の中からよ。そうね、根津駅あたりからかしら」
     「そ、そんな前からか!?」
     「あなた達、気配を消すのが下手すぎるのよ。本当にそれで武道家なの?」
     「馬鹿にするな! 俺たちは武神道場(たけがみどうじょう)の門下生の中でも、一番隊に所属する者だ!」
     郁子はそれを聞いて『ホントかしら?』と心のうちで首をひねった。今までの対戦を振り返ってみると、そうは思えない。
     『武神道場って規模はそれほどでもないけど、むしろ技術的なものは大梵天道場より勝るって、うちの師匠が言ってたけど』
     「とにかく!」
     奴らは背中の袋から、竹刀を取り出した。「勝負だァ!」
     郁子も鞄をベンチに置いて、身構えた。「いらっしゃい」
     「お嬢様ぶるのもそこまでだァ!」
     二人いっぺんに飛び掛かってくる――そして、あとちょっとで迫ってくるという時に、郁子は跳躍した。奴らには消えたように見えただろう。
     奴らの背後に回り、慌てふためいているのを見ながら、先ず左足の大腿部に装着してある薙刀の上部を右手で抜き、右へ払う――くの字に折れていたものが真っすぐになる。次に右足の大腿部に装着されている薙刀の下部を左手で抜き、同じように払って真っすぐにする。そして二本をつなげて、気を籠める。
     「アスーラ、オン!」
     言霊(ことだま)を発すると、薙刀の継ぎ目が消え、刀身も伸び、普通の薙刀へと変じる――大梵天道場の天王と八部衆だけが使える術「双面秘法」である。
     ここまでに要した時間はわずか3秒だった。
     郁子の言霊を唱える声で、奴らは背後に彼女がいることに気付いた。
     「あっ、またいつの間にか抜いてやがる」
     「いったいそんな長いもの、どこに隠し持ってるんだよ、貴様!」
     二人の当然な疑問に、郁子は嘲笑する。
     「教えてしまったら暗器ではないわ。さァ! かかってきなさい!」

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