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恋愛小説発表会〜時にはノンジャンルで〜

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  • from: エリスさん

    2010年06月25日 14時26分51秒

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    「しばし花園に百合が咲く・4」
     「何はともあれ」と、忍は夫にすがりつきながら言った。「良かったじゃないの、教える手間が省けて」
     「複雑な心境だよ……わたしに紫苑が憑依していた時だったんだろ?」
     「そう、だからあなたが父親に――男に見えなかった。そもそも、あなたって髪をほどくと女人のように綺麗だから」
     「ああ、複雑だ……」
     忍と菅原の少将・利道は、もとは同じ女性を愛した者同士だった。それが忍の異母姉であり、利道の妻である紫苑(しおん)の君である。そして紫苑が一番に愛したのは、忍だった。
     だが紫苑と忍は同じ父を持つ姉妹であるため、紫苑は自分の気持ちを隠したまま利道と結婚し、数年後に他界したのである。その紫苑が、忍が利道の後添いに入った直後から、利道に憑依して、忍との情事を重ねるようになったのである。
     「初めは、私が紫苑姉さま恋しさの余り、夢を見てるのだと思っていたのだけど……」
     忍はそう言うと、夫に口づけをしながら、結いあげていた夫の髪を解こうとした。すると、その手を利道が止めた。
     「紫苑に憑依されるのは悪い気はしないけど、今宵はわたし自身があなたを愛したいから」
     髪をほどき、女性のような見た目になったときに紫苑が憑依してくることに気付いていた利道は、ほどくことなく妻を押し倒した。
     今では利道も紫苑も同じくらい愛している忍としては、どちらが自分を抱いても構わなかった……。
     夢見るような目合いの後、忍は利通に抱き寄せられながら、聞いた。
     「茉莉を女御として差し上げることに、周りの批判とかはないの?」
     「ちょっとはあるけど……左大臣様と右大臣様が、一笑のもとに握りつぶしてるよ」
     「一笑のもと、なんだ……だったら大丈夫ね」
     「とにかく今の女帝は中継ぎだからね。東宮が成人するまでの間と決まっているから、権力を欲している人物がいたとしても、この治世よりも、次の治世を狙うだろうね。それに、内親王が天皇になられた場合は独身を通し、御子も産まないのが慣例。普通なら天皇に自分の娘を差し上げて、その娘に次の天皇を産ませて、外戚として権力を手に入れるところだけど、女帝相手ではそれができない。せめて男と密通させて、女帝が生んだ子を抱え込もうと考えたところで、茉莉が女御として召されたことで、女帝が男に興味がないことが証明されてしまった」
     「つまり、女帝相手に政略結婚は不可能ってことよね」
     「そう。だから、狙うなら東宮なのさ。東宮の花嫁候補なら、今から産んでも遅くはないからね。今や宮中は、見目好い姫を生んでくれる女人を求めて、公達たちが慌てふためいているよ」
     「おかしな話ね。そうなると、茉莉の恋敵になりそうな姫は、今のところ現れそうにないわね」
     「当然、姫の独り勝ちさ。ただそうなると、内裏の華やかさが失われてしまうから、先帝に仕えていた女官に声をかけて、戻ってきてもらえないか、大臣たちが頼んでいるそうだよ。女帝の愛人としてではなく、純粋に女官としてね。早速、梅壷の更衣さまがお戻り下されるそうだ」
     「ああ、それは尚侍の君から聞いたわ。尚侍の君も、先々帝のころからお仕えしているから、そろそろ引退したいっておっしゃっていたけど、迷っておられたわ」
     「ああ、迷ってるんだ……わたしは左大臣様から、娘を妻の代わりに尚侍にしようと思ってるって聞かされたんだが」
     「ええ!?」
     忍は思わず起き上がっていた。「尚侍の君の姫君と言ったら、茉莉と同い年の? とても美しいと評判の……」
     「大臣は“女官として”仕えさせるつもりなんだから、茉莉の障害にはならないよ。安心おし」
     利道はそう言うと、妻を再び抱き寄せた。
     「大丈夫だよ。たとえ途中から恋敵が現れても、女帝が茉莉を飽きることはないよ。さっき聞いた話から察するに、本当に茉莉を大事に思ってくれているようだから」
     「そうよね……きっとそうだわ」
     茉莉には悲しい思いをさせてしまったから、これからの人生は絶対に幸せになってほしい――忍はそう思っていた。

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  • from: エリスさん

    2010年06月18日 14時12分37秒

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    「しばし花園に百合が咲く・3」
     
     内裏からの帰り道、茉莉姫は牛車の中でぼうっとしていた。
     心ここにあらず、とはこのことね……と思った母親(実際は実母の妹、つまり叔母だが)の忍の君は、しばらくはそっとしておいたのだが、車が揺れて茉莉が倒れそうになったので、咄嗟に受け止めたのだった。
     「もう、気をつけなさい、姫」
     「ごめんなさい、お母様……私ったら……」
     「まあね、無理もないけど。女帝に初めて愛していただけたのでしょ?」
     「はい……」と、茉莉はまた夢見るような表情になった。
     「とっても素敵だったみたいね。私としては一安心だけど、でも、あなたらしくない振る舞いをしたと聞いて驚いてもいるのよ」
     「え? ………えっと、お母様? ……もしかして……」
     「聞いていますよ。あなたから女帝(おかみ)に口づけをしたって」
     それを聞いた途端、茉莉は頬を真っ赤に染めた。
     「やっぱり気づいていなかったのね。良いですか、女帝はこの国にとって大事な御方。だから常に護衛が付くのです。それは、御寝所でも同じこと」
     茉莉は聞けば聞くほど恥ずかしくなって、ついには袖で顔を隠してしまった。
     「恥ずかしがってなどいられないのですよ。女御になられる方は、それも覚悟しなければならないのです。護衛の者が隣室で侍っているからと、帝のご寵愛を拒絶するなどあってはなりません」
     「それは……そうですが……」
     「それにね、大人になれば、多かれ少なかれそういう経験はするものなんですよ。屋敷の女房たちをごらんなさい。同室で、几帳でしか区切りのないところに、それぞれの男君(夫か恋人)が通ってくるのですよ。隣に寝ている人がいるからと男君を拒絶していたら、愛を育むことはできないのですからね」
     「はあ……」
     「私だって初めは恥ずかしかったけど、そのうちどうでもよくなってしまったわ。今では、誰かが覗いてるのなんてお構いなしになってしまったわね」
     忍がそう言うと、茉莉は少しだけ顔を覗かせた。
     「おかしいかしら? でも本当よ。私と少将(前作の少納言・菅原利道のこと。あの後昇進した)が営んでいるのを、若い女房達がのぞき見しているのを知っているけど、今ではもう恥ずかしがるどころか、見せつけてやっているわ」
     「あ、あの……」
     茉莉は顔を隠すのをやめて、忍に面と向かった。
     「覗き見しているのは、女房ではなく、童女(めのわらわ)たちです」
     「あら、そうなの?」
     「それで、その……私も見てしまいました」
     「え?」
     これはいくらなんでも、忍も引いてしまった。
     「見ちゃったの? 私と、お父様のを?」
     「はい……」
     「それで、大丈夫だったの?」
     「はい?」
     「だから、気持ち悪くとかはならなかったの?」
     「いいえ、ちっとも」
     「あら、そう?」
     茉莉は一時期、父親を嫌悪していた。それは、利道が愛する妻・紫苑を失った苦しみから、容姿が似通う娘の茉莉を、紫苑の身代わりにしようとしたからである。今は忍が後妻に入ったことで利道の精神も落ち着き、茉莉にそんな邪道な思いを抱かなくなったのだが。
     『それでも、その父親が、自分とそっくりの私を抱いている姿なんて見たら、おぞましくなりそうなものなんだけど……』
     忍の心配をよそに、茉莉はその時のことを語りだした。
     「童女たちがお母様たちのお部屋を覗いているのを見つけて、咎めようとしたのですが、逆に誘われてしまったのです。とても綺麗だから、一緒に見ましょうって。そしたら、本当に素敵で……お母様がとってもお綺麗に見えたんです。お身体も、お声も……」
     かなりうっとりとしながら語る娘に、母親として忍は聞いてみた。
     「本当に気持ち悪くはなかったの? 相手はあなたに悪さをしようとしたお父様なのよ?」
     「ああ! 全然気になりませんでした。なぜか、お母様が女性に抱かれているように見えたんです。お父様だってことすら、後になって気付いたぐらいで。だってお母様はその時、“お姉様”って相手のことを呼んでらしたから……」
     「ああ……そういう時だったのね」
     「そういう時って?」
     「ううん、いいのよ。私と少将との問題だから……でも、結果的にそれで、あなたは恐怖感を持つことなく“寝間での作法”を覚えることができたのね」
     「はい……というか……おかげで、女帝が恋しくてならなくなりました」
     「ああ、そういうことだったの」
     だから自分から女帝に迫ったのか……と、忍が納得したころ、ちょうど牛車が屋敷に着いたのだった。


     その夜。
     自分が仕事でいない間にどんなことが起こっていたのか聞かされた少将こと利道は、あまりのことに落ち込んでいた。
     「姫にとうとう女帝の手が…………いや、喜ばしいことなんだが……しかも、わたし達の営みをのぞき見……」
     「ああ、もう! これだから男親は!」
     忍はパーンと勢いよく夫の背中を叩いた。

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  • from: エリスさん

    2010年06月11日 14時18分58秒

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    「しばし花園に百合が咲く・2」
     「あの……私になにか到らぬ点でもございますでしょうか?」
     茉莉の言葉に、賀茂の女帝はビクッとした。
     「え!? ど、どうして?」
     「それは……あまり、私に触ってくださらないので。距離を取られているような……」
     図星を突かれた女帝は、軽いため息をついた。
     二人は渡殿(渡り廊下)から庭の紫陽花を眺めていたのだが、その二人の間には、こぶし一個分の「空き」があったのである。
     「聡いわね……そうよ。少し距離を取るようにしているわ」
     「なぜです? 私をお厭いですか?」
     「そんなこと!……あるわけないじゃないの」
     女帝は頬を赤らめながらそう答えた。そして、観念することにした。
     「そうじゃなくて……私があなたに嫌われたくなかったのよ」
     「私が主上(おかみ)を嫌うなど!」
     「本当にない? 私たちは女同士。普通に考えて、女同士で恋をするなど“おかしい”ことなのよ。それなのに、私はあなたを好きになってしまった。だからあなたを女御に迎えたい! その要求を、あなたは飲んでくれたけど……それは、私が帝だからではないのかと……」
     「……私の気持ちを、お疑いだったのですか?」
     「親や、周りの人から説得されて、私のものになる覚悟を決めたのかもしれないから……ありえるでしょ? そういうこと」
     「主上……」
     茉莉は衝動的に女帝に抱きつき、そのまま彼女に口づけをした。女帝は驚いていたが、それでも茉莉の柔らかな唇が心地よく、自分からも茉莉を抱きしめたい欲望にかられ、抑えられなくなった。
     二人はしばらく絡み合ったまま、立っていられなくなって、その場に膝をついた。
     ようやく唇が離れると、茉莉は言った。
     「それならそうと、もっと早く言ってくだされば良かったのに!」
     「姫?」
     「私の方こそ、主上に嫌われているのではないかと、ずっと気にしておりました! だから、もっとお傍にいたいのに、そんな我が儘も言えず、我慢しておりましたものを」
     「それじゃ、姫は本当に私と夫婦になってもいいと? 夫婦ということは……私たちの両親のように、営むこともあるのですよ?」
     「私はそれをこそ望んでおります!」
     茉莉はそう言うと、恥ずかしそうに頬を真っ赤に染めた。
     「いやらしい子だと思わないで。私……主上に、早く大人の女にしてもらいたくて……このごろ、そんなことばかり考えてしまうんです」
     目も合わせられないぐらい恥ずかしがっている茉莉を見て、女帝は可愛いと思った。
     女帝は茉莉の唇に軽く口づけをすると、左肩の着物を少しずらして、首筋にも口づけをした。
     「主上……こんなところで……」
     「誰も来ないわ、大丈夫よ」
     茉莉の、十二単の五つ衣の下に手を滑り込ませた女帝は、そのまま単衣(ひとえ。下着)の上から茉莉の胸に触れてきた。
     女帝の耳のそばにある茉莉の唇から、甘い吐息がこぼれる――その吐息が、演技でもなく、嫌がってもいないことを確信した女帝は、ゆっくりと相手を横たわらせた。
     「……お……か……み……」
     女帝の愛撫で茉莉が恍惚としている。それをとても愛しく感じた女帝は、ゆっくりと袴の割れ目へと手を滑らせた。
     「あっ!」
     一番感じやすいところを触られて、茉莉はつい大声をあげてしまい、途端に恥ずかしさで顔を隠してしまう。女帝はそれを見て、秘部から手を放してやり、茉莉の顔を隠していた袖をどけさせた。
     「もういいわ。あなたも私を望んでくれていることが分かったから……恥ずかしい思いをさせてしまって、ごめんなさいね」
     女帝の言葉に、茉莉は必死に首を左右に振った。そして、
     「あの……まだ体がうずいて……」
     すると女帝はにっこりとうなずいて、姫を抱えあげた。
     「まだ清涼殿には来たことがなかったわね。連れて行ってあげる」


     「一つ困っていることがございます」
     忍の君は碁を打ちながら言った。
     「あら、どんな?」
     対戦相手の薫の君は興味津々で聞いてきた。
     「姫の“夜の教育”のことです」
     「母親としての務めね。姫に嫁入り前に“男女の営みとはどういうものか”ということを教えてあげなくてはならない。とても大切なことね」
     「はい」
     「それでお困りとは? 説明に使う春画が手に入らないのなら、私の秘蔵のものをお貸ししましょうか? 私も最近、うちの娘に使ったのよ」
     「いえ、春画は我が家にもあるのですが……娘にはとても見せられません」
     「どうして? 確かにあまりいいものではないけど……」
     「そうではなく……娘は男性との交わりに嫌悪感を抱いているので、そんなものをお手本にしては、ますます恐怖感を抱いてしまいます」
     「……ああ、なるほどね」
     薫の君も幼少のころに、「夜の営みでの作法」を母親から教えてもらい、恐怖を覚えてしまった経験がある。その恐怖感から脱するまでは、結婚の約束をしていた桜の君(今の左大臣・藤原房成)とも距離を置いていた。
     「なので、どこぞに女同士の春画を描いてくれる絵師はいないものでしょうか?」
     「実践で見せてあげたら? そういう教え方もあるでしょ?」
     「誰と誰がですか? うちの女房たちに女同士で交際している者などおりませんよ」
     「うちにいるわよ。今晩でもそちらに行かせましょうか?」
     「本当ですか? そうしていただければ……」
     その時、外出をしていた女房が帰ってきて、薫の君に声をかけてきた。
     「檀那様、申し上げたきことが……」
     すると薫の君は、忍の君に片目をつぶって見せた。
     「噂をすれば、その当人よ。ついでだから聞いてみるわ」
     薫はその女房の方へ行き、彼女の話を聞き始め……それだけで、帰ってきた。
     「忍の君、どうやら必要ないみたいよ」
     「は?」
     「さっきの女房――茜と言うんだけど、清涼殿の女房と交際しているのね。その清涼殿の女房から聞いてきたそうなんだけど……今、主上と茉莉姫は清涼殿にいるんですって」
     「え?……清涼殿というのは、帝のご寝所ですよね?」
     「そこで、茉莉姫は主上から直接“お手ほどき”を受けているそうよ」
     忍はしばらくその意味が理解できなかったが、ようやく気付いて、「まあ!」と感嘆の声をあげた。
     「入内前に姫に手をつけるなんて、良くないんだけど……まあ、女同士なら子供もできないし、穏便に済ませられるでしょうね」
     「お願いいたします、尚侍の君」
     それでも……茉莉の入内は予定通りの日時で行われることになったのだった。


     

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  • from: エリスさん

    2010年06月11日 11時42分06秒

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    「夜中に目が覚めて 後日談」
     とりあえず、病院に通わなくてもよくなりました。


     完璧に治ったのか? と、問われると「う〜ん?」と頭を捻るところですが。
     通っていた内科の先生には「喉の専門のお医者さんに診てもらった方がいい」と言われたのですが、その同じ病院内の喉の専門の医者というのが、週に一回の午前中にしかいない――しかも私が通えない曜日に。それじゃちょっと困る(-_-;)
     実は同じ理由で右腕の筋肉痛も診てもらえない状況で、もう一ヶ月も湿布のお世話になっている。まあ、こっちはうちの父が帰ってくれば診てもらえるからいいんですが.....(うちの父は新潟県で整体師をやっています。月に一回、一週間だけ東京に帰ってくる)
     かと言って他に病院を探すのも難しく、とにかく夜中に目が覚めることさえなければ、仕事には影響が出ないからと、いろいろと試した結果、

     「寝る前にうがい薬をつかって、うがいをする」

     それだけで夜中に目が覚めることがなくなりました。
     私が夜中に目を覚ましてしまう理由は、喉に痰が絡まって、呼吸をするたびにピューピューと音を鳴らし、息苦しくなってしまうからでした。だから、痰さえできなければ眠れるんです。
     これで、病院から「喉を拡張させる薬」をもらわなくてもよくなったので、病院に通うのをやめました。


     しかし、約一ヶ月間の闘病生活はちょっと大変でした。
     先ず、夜に眠れないから昼間が眠い......仕事中にぼうっとしていることもあったと思います。実際、会社の方に、
     「ストアのレジをやっていた人が、あまりにやる気がなさそうだったので、前売り券を買うのをやめました」
     と、苦情のお手紙がきたとか.........ああ! それ、絶対わたしだ!
     そのことを上司から聞かされて(誰がそうだった、という追及はありませんでしたが)、今後はそういうことがないように、休日であまり体調が良くない日は昼寝をするようにしていました(3時間ぐらい)
     その影響もあって、困ったこと2番目――見たい映画をいくつか見逃した。
     「アリスインワンダーランド 2D版 日本語吹替」をとうとう見逃してしまったぁぁぁぁぁぁ! まだ体調完璧じゃないから3Dは見られないというのに!(3D映画は体調が万全の時に見ないと、乗り物酔いと同じ症状が出るタイプなんです、私)。あと、このままでいくと「RAILWAYS」も見逃す可能性が......。「超電王トリロジー エピソード・レッド」も、もう一度見たかったのにちょっと無理そう。
     でも一番困っているのは、医療費が異様にかかってしまったこと。以前もお話ししたかと思いますが、うちの映画館は今、「平日のみ閑散期」に入っているので、平日だけ人員削減をしているんです。その結果、私の出勤時間が短くなり、その結果、来月のお給料がかなり少なくなっているはずなんです。
     来月のことを考えればお小遣いを節約しなければならないのに、医療費にかなり持ってかれてしまいました。なので、仕方なく、次のことを諦めました。

     ・今年の夏は新しい服を買わない
     ・6月18日の「スイートトリップイベント」は不参加


     そんなわけで......
     秋葉原の姉妹カフェ「スイートトリップ」で再会を待ちわびておりましたお姉様方と、店鳥さま、そしてぴよちゃん(このお店ではメイドのことをこう呼ぶ)達、ごめんあそばしませ。今回、私――エリスはイベントに参加することができません。とても残念ですがお許しくださいませ。またの機会を心待ちにしておりますわ!


     と、スイトリの常連さんじゃないと分らないと思いますが、きっと皆さんが読んでくださっていると信じて、ここに書かせてもらいます。
     とにかくこの一ヶ月は、健康って本当に大事なんだなァっと、つくづく実感させられました。読者の皆様も体調にお気を付けください。

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  • from: エリスさん

    2010年06月05日 01時10分34秒

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    夜中に目が覚めて またしても

     治ったと思ってたのに、またぶり返した。
     薬を使用しなくなった二日後ぐらいに、また具合が悪くなる――この繰り返しだ。
     いつになったら治るのだろう……月曜日にまた病院に行かなきゃorz

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  • from: エリスさん

    2010年06月04日 12時42分51秒

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    しばし花園に百合が咲く・1


     
     その昔、まだ若き帝が急逝したことにより、その姉である内親王が中継ぎの帝に就いたことがあった。その女帝のことを後に「桃園天皇」と称することになるが、当時はまだ「賀茂の帝」とお呼びしていた。なぜなら、その内親王が先帝の御世では賀茂の斎院(賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)の両賀茂神社に奉仕した皇族出身の巫女)だったからである。
     斎院もしくは斎宮であった内親王が帝位に就くのは異例のことだったが、この賀茂の帝はもっと異例なことをしてのけた。
     なんと、女御をお傍に召したのである。
     女帝は一生独身を通すのが慣例であった世の中で、伴侶を――それも女人をお傍に召すなど、前代未聞の出来事で、世の人々は度肝を抜かれたのだった。
     そしてその女御に選ばれた姫君は、先月内大臣になったばかりの藤原弘純(ふじわら の ひろずみ)の孫娘・藤原利子(ふじわら の とおるこ)――俗に茉莉姫(まつりひめ)と呼ばれる姫君だった。


     茉莉姫を女御にすると公表されてからも、入内の儀式はその半年後と定めたので、二人はまだ世間一般的に言う「婚約」の状態だった。それでも、茉莉姫の母・忍の君が筝の琴の名手ということで、よく女帝のもとに招かれるので、茉莉姫もそれに同行し、女帝との逢瀬を重ねるようにしていた。
     母親の忍の君も、自分が招かれるのは口実で、帝の本意は娘に会いたいだけなのだと分かっていたので、あまり長々とは演奏をしなかった。
     忍の君が筝から手を離して、「今日はここまでにいたしましょう」と言うと、帝はニッコリとうなずいた。
     「ありがとう、忍の君。あとはゆるりと、叔母上とお話でもなさってください。……茉莉姫、一緒に庭の花でも眺めに行きませんか?」
     帝の言葉に、茉莉姫は恥ずかしくも嬉しそうにお辞儀をした。
     「はい、主上(おかみ)」
     帝が上座から降りてきて、下座に座っている茉莉姫の手を取った。――二人はそのまま紫宸殿の裏庭へと歩いて行った。
     帝と入れ違いに、隣室から帝の叔母である薫の尚侍(かおる の ないしのかみ)が入ってきた。
     「今日も来てもらって、悪かったわね、忍の君」
     薫の君がそう言うと、
     「なにをおっしゃいます」と、忍の君は言った。「尚侍の君(かん の きみ)がお気になさることではございません。娘のために母親が骨を折るのは当たり前のこと。それに、私もこうして尚侍の君にお会いできますのが嬉しいのですから」
     「ありがとう、忍の君……本当はね、こんな面倒なことをしないで、さっさと姫を入内させればいいことだと思うのだけど」
     確かに女御が入内するまでには、いろいろと煩わしい儀式があるので、その日まで最低でも半年はかかるものなのだが、これまで前例など意に介さなかった女帝なのである。茉莉姫と会いたいのなら、儀式など取っ払って早く入内させてしまえばいいところなのだが……どうやら女帝には「ためらい」があるらしかった。

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