野菜もたっぷりＧＡＢＡ　
　機能性表示申請、カゴメがトマト発売　（中日新聞　12月5日）

血圧の上昇を抑えたり、ストレス軽減に効果があるとされるアミノ酸
「GABA（ギャバ）」を多く含むことをうたう食品が増えている。
国の審査が必要なく、比較的簡易に健康効果を表示できる
機能性表示食品として、加工品だけでなく生鮮品にも応用が広がり
つつある。

ギャバは、正式名称をγ（ガンマ）－アミノ酪酸といい、タンパク質を
構成しない天然のアミノ酸の一つで動植物内に含まれる。
哺乳類の脳や脊髄の中枢神経に特に多くあり、興奮を鎮めるなど抑制性の
神経伝達物質として働く。
ストレスを低減するとうたうチョコレートで、認知度が高まった。

カゴメ（名古屋市）は3日、同社では生鮮トマトで初めて機能性表示食品に
申請した「GABAセレクト」を首都圏向けに発売した。
高知県の契約農場で作る中玉トマトのうち、ギャバを12.3グラム以上含む
品を「血圧が高めの方に」と表示して売る。
3個入りで398円前後。
好評で生産量が増えれば、拡販する。

高糖度など味わいを前面にする野菜が増え、栄養面で特徴を打ち出す
必要が高まった。
同社はリコピンを1.5倍含むトマトも販売。
広報担当者は「生のトマトに求められる要素が広がっている」と話す。
トマトジュースも今年1月からギャバの機能性表示食品として売っており、
9月までの売り上げが前年同期比で1割増えた。

キャベツなど野菜品種を開発する「増田採種場」（静岡県磐田市）は
11月、「旬搾り青汁GABAケール」を発売した。
同社が2005年、国内で初めて品種登録したケールの「ジューシーグリーン」
を使用。
旬の1～2月に収穫した葉を粉末にした。ネット通販で6,480円で販売する。

機能性表示食品は特定保健用食品（トクホ）と違い、論文などの科学的
根拠を示して消費者庁に申請すれば、審査なしで健康効果をうたえる。
同庁によると、ギャバの効果を表示する商品は11月末現在で約150件ある。

調査会社の富士経済によると、13年に8億円だったギャバの市場規模は
堅調に伸び、16年に10億円を突破。
22年に12億円に達すると見込む。
担当者は「うつや不眠などメンタルケアに関連する市場はだんだん拡大
している。
ギャバは代表的な素材で、応用製品が今後も増える」とみる。