新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

新規登録(無料)

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

独断と偏見で楽しむイタリア芸術

独断と偏見で楽しむイタリア芸術>掲示板

公開 メンバー数:54人

チャットに入る

サークルに参加する

サークル内の発言を検索する

新しいトピックを立てる

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

from: シニョレッリさん

2012年08月06日 11時15分28秒

icon

美術鑑賞の手助け(1) 大天使

今日からサークルを始めました。宜しくお願いします。イタリア美術鑑賞には多くの約束事があり、聖書、ギリシャ神話、ヨーロッパ史などに普段馴染みが薄い日本人

今日からサークルを始めました。宜しくお願いします。

イタリア美術鑑賞には多くの約束事があり、聖書、ギリシャ神話、ヨーロッパ史などに普段馴染みが薄い日本人には中々分かり難いと思います。


ベアト・アンジェリコの傑作「受胎告知」です。コルトーナの教区博物館で展示されています。
処女マリアにキリストの誕生を知らせるのは大天使ガブリエルです。マリアの純潔の象徴として白百合を持っています。
また、洗礼者聖ヨハネの誕生を告げたのも、そして羊飼いにキリスト誕生を告げたのも大天使ガブリエルです。


フランチェスコ・ボッティチーニの「三大天使とトビアス」です。フィレンツェ・ウッフィツィ美術館にあります。
尚、絵画の画像は全てWeb Gallery of Artからの転載です。
白百合を持っている、向って右が大天使ガブリエルです。向かって左の甲冑を着て剣を手にしているのが大天使ミカエルです。黙示録で悪魔を打倒したこと、最後の審判で魂を測ることから、天秤や剣を持ち、甲冑を着て、時に悪魔を従えたり、下敷きにして描かれることが多いと思います。
真ん中に描かれているのは大天使ラファエルとトビアスです。「トビト書」を見れば、ラファエルとトビアスの経緯が分かりますが、簡単に書けば、ラファエルとトビアスは犬を連れて貸金取り立てのために旅に出ましたが、その途中で巨大な魚がトビアスを襲ったので、殺して魚を食べた時にトビアスの父トビトの目を治すために魚の胆嚢を取っておきました。このことから大天使ラファエルは病気を治したり、息子たちを仕事の旅に出す商人たちや商取引と関連付けられるようになったのです。犬と魚でトビアスが特定され、トビアスと一緒にいる大天使がラファエルと分かるのです。

  • コメントする

    サークルで活動するには参加が必要です。
    「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
    ※参加を制限しているサークルもあります。

    閉じる

  • 4
  • 拍手する

    サークルで活動するには参加が必要です。
    「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
    ※参加を制限しているサークルもあります。

    閉じる

  • 0

icon拍手者リスト

from: シニョレッリさん

2012年08月07日 10時57分59秒

icon

「美術鑑賞の手助け(2) 聖人の識別 その1」
ルネサンス絵画の定番と言うべき画題に「聖母子と聖人たち」や「聖人たち」があります。

その聖人たちを特定出来れば、絵画鑑賞が更に楽しくなるでしょう。
聖人が何を持っているか、何と共に描かれているかによって、聖人が特定出来るのです。それをアトリビュート(持物)と言います。
アトリビュートは絵画鑑賞の基本中の基本で、西欧では多分常識なのでしょうが、何故か日本ではアトリビュートに言及した書物が少なく、あまり馴染みがありません。
と言う訳で、今回は老婆心ながらアトリビュートの話をします。既にご存知の方々が沢山いると思いますが、その場合はご容赦を。


ルッカのサン・ミケーレ・イン・フォロ教会です。ピサ・ルッカ様式のファサードが印象的です。
この教会の右翼廊にフィリピーノ・リッピの板絵「四聖人」があります。


左に描かれているのは聖ロッコです。ペストの治癒に力を入れたので、ペストに対する守護聖人となっています。聖ロッコは、自分の足の一部を犬に分け与え食べさせたと言われているので、足に傷をして描かれたり、時に犬と共に描かれます。足のキズ、犬などが聖ロッコのアトリビュートです。
聖ロッコの隣に弓矢を手にして描かれているのは聖セバスティアヌスです。聖セバスティアヌスはキリスト教に改宗したローマ軍の兵士で、兵役拒否をしたことで軍によって弓矢で射られ殉教したので、弓矢がアトリビュートとなっています。ただ、この作品の様に弓矢を手にして描かれることは少なく、多くの場合、下の作品のように弓矢で処刑された若者として描かれます。


ポッライウォーロ兄弟の「聖セバスティアヌスの殉教」です。ロンドン・ナショナル・ギャラリーにあります。

聖セバスティアヌスの隣は聖ヒロエニムスです。教会博士の聖ヒロエニムスは、聖書をラテン語に訳し、後で枢機卿の位を追贈されましたが、ライオンの足に刺さったトゲを抜いてやった逸話が残っています。それらの事から枢機卿の法衣である緋の衣を着て、書物(ラテン語訳聖書)を手にして、ライオンと共に描かれます。この作品でも足もとにライオンが描かれています。
右の女性は聖ヘレナです。キリスト教を公認したコンスタンティヌス大帝の母ヘレナは、真の十字架を発見したことから、十字架がアトリビュートとなっています。

  • コメントする

    サークルで活動するには参加が必要です。
    「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
    ※参加を制限しているサークルもあります。

    閉じる

  • 拍手する

    サークルで活動するには参加が必要です。
    「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
    ※参加を制限しているサークルもあります。

    閉じる

  • 1

icon拍手者リスト