直木賞受賞後からの、新聞や雑誌に掲載されたエッセイをまとめた自伝的な一冊。
「闇夜の…」という題名は、井上陽水の曲の一節からとったもの。
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ほとんどエッセイ集は読まないのですが、先日読んだ「望みは何と訊かれたら」に紹介が載っていたので読んでみました。大変面白かったです。

作者の50余年の人生が、その時代や土地、風景、関わった人々などと共に一本のしっかりとした線で描かれてます。
彼女がどういう人間なのかが心に直に伝わってきます。そして私の中で描かれて形を成した「小池真理子」という人物像はすごく魅力的で、自分に感性が近いんだけど、それをこんなふうに美しい文章で書ける彼女はやはりすごいと思ってしまう。

読書好きの彼女ならではの書評がいくつかあってそれもすごく面白かった。読みたくなって何冊か買ってしまったので、また後日。

…多感な十代を生き、時間はその時から脈々と流れ今も途切れることなく続いていて、そしてわたしはあのころの自分をそのまま引きずりながら、やみくもに舟を漕ぎ続けている…

まさしく私もすばるさんも、青くなったり朱くなったりしてまだまだ舟を漕ぐんだわねきっと。