東京バンドワゴン「シー・ラブズ・ユー」の続編。シリーズになっているので一応買った本。
　家族が増えて、関連する人も多少増えていく。前作の続きものとして気楽に読める本。
　最後の解説で書かれているがお茶の間の連続テレビドラマにしたらよさそうな内容。

　張作霖の爆殺の真相究明の勅命を受けた陸軍中尉・志津邦陽。北京、奉天（瀋陽）から陛下あての報告書の形で調査内容が語られる。
　元西太后のお召列車であった張作霖の乗る列車の独白が挟まれ、列車の詳細と張作霖の心裏が語られる。
　単独でもそれなりに面白いが、「中原の虹」、「蒼穹の昴」の続編として読めば更に内容理解が深まるだろう。
　関東軍が張作霖を爆殺したという説が最有力だが、諸説もある。関東軍としては満州支配の上で邪魔だったかもしれないが、協力して満州の開発に望めば日本、満州、そして満州の人々にももっと利益は大きかったのではないか思っている。
　「中原の虹」を読んだ人には是非読んで欲しい本。
　息子の張学良や配下の将軍達の続編が待たれる。

随分前に広末涼子の主演で映画化され、ここ２週間位前から志田未来主演でドラマ化しています。原作は今まで読んでいなかったので・・・原作とドラマとどんなふうに違うのか読んでみました。ある日、母親と娘が母の実家へ帰省する途中、バスの転落事故で多数の人が死亡し、直子は藻奈美をかばって死んでしまう。藻奈美が昏睡状態から目覚めたが、目覚めたのは体は藻奈美、意識は直子だった・・・。とても面白かったと思いました。最後の最後まで、引っ張っていくところなんかは、さすが東野作品。こんなに面白かったのに、今まで読んでいなかったなんてもったいないことをしました。二重人格もの最近では、プラチナデータですが、この作品よりもずっと奥が深く、感動ものでした。

「空白の叫び」(上中下巻) 貫井徳郎 文春文庫
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実母を焼き殺した神原、女性教師を殺害した久藤、使用人の息子を撲殺した葛城。14歳で殺人者となった３人の少年が少年院で知り合う。
罪を犯した少年たちの心境の変化と、その後の彼らの生活を描く。
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本作品は2001年から６年間連載された大作で、上巻が少年３人がそれぞれの殺人に至る経緯、中巻が少年院での出会い、下巻が少年院を出た後の物語になっています。
脇役と思われる登場人物までもがしっかりと繋がっています。そのあたりがミステリー仕立てになっていてかなり深いお話でした。
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私は借りるタイミングが悪く中→上→下巻という変則読みになってしまいました。文庫本で読むなら是非とも順番通りにね。間違っても下巻からは読まないように！(笑)
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　1,000兆円になろうとする日本国債の発行残高。しかも毎年財政収入を超える国債発行。
　誰もが先行き不安を持ち、日本の財政破錠に危惧を抱えている。　今や財政収入に倍する国際発行（借金）を重ねることは国民の預金残高から見て限界に近付いている。
　破錠した時どうなるか、どうすればよいかを本書は述べている。本当によく考えなければならない時期に来た。よく読んでよく考え、実行に移さねばならない時期に来ている。
　１０年前から私も常々言ってきていて、当時金を買ってヘッジしようとしたが家族の反対でできなかった。金価格は今は当時の３倍になっていて今さら買えないが、それに代わるヘッジを考えざるをえないとつくづくと思わせる書。

だいぶ前にすばるさんが読んであらすじなどアップしているので、省略します。流れ的には、連作短編集で北海道が舞台となっています。文章などはすごく上手いんだけれど、私には「ガツン」とくるものがなくて、なんだか退屈な感じが・・・物足りないというのか、刺激的な作品を多く読んでいるからなのかな？それとも佐々木譲作品が、私にあってないのかも知れませんね。読んでも、読んでもページが進まなくて挫折してしまうところでした。良かったと押していた人達ゴメンナサイ。

「ミハスの落日」貫井徳郎 新潮社
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美人妻のもと、再婚相手が次々と不審死を遂げる。
調査にあたった保険調査員は関係者の面談を繰り返すうちに違和感を覚える。
「サンフランシスコの深い闇」より
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海外を舞台にした短編集でした。上手く出来てるんだけど、海外を舞台にした意味が分からない。登場人物の名前を覚えるのが面倒くさいわ(笑)
まぁ、海外設定にしとけば、麻薬問題とかサラッと流せるし…取材旅行が楽しかったのでしょうね。(^^);
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太宰後期の16作品を集めた短編集。
田島は女性関係を清算しようと、たくさんの恋人と上手に別れる方法を考える。そしてキヌ子というすごい美人を疎開先の妻として恋人に会わせ、諦めさせるという手を思いつく。〜「グッド・バイ」
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ご存知、自殺した太宰の絶筆であり未完の小説です。

伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」が太宰のこれをモチーフに書かれたものだと聞いて、図書館の順番まで時間がかかりそうなので先に本家を読んでみました。
この作品に限ってみれば、ユーモアに溢れ洒落て粋な話です。

美容師の恋人の店にキヌ子を妻として連れて行き、最後に札束を美容師のポケットにしのばせて「グッド、バイ」…。
人が振り向くくらい美人のキヌ子ですが、声が「鴉声」で仕事は「かつぎ屋」で部屋は汚く、奢るというと異常なくらいよく食べる。田島の足元を見てあれやこれや要求する強欲な女です。
そんなキヌ子を使って、あちこちにいる女と別れようとするんですが…。残念ながら、田島のその後は太宰のみぞ知る、です。

他の短編も切なさ、哀しさ、時に狂気も混じって心に沁みる話でしたね。この年齢で読む太宰は、若い頃と全然違う印象で私の前に現われました。彼にはさぞ生きにくい時代だったろうと同情します。

警視庁科学特捜班、通称STの個性的なメンバー５人がそれぞれ活躍する「色」シリーズ４弾。
今回は超聴力を持ち「人間うそ発見器」の異名をもつ結城翠が、バイオリンの盗難事件を追う。
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STの個性豊かな５人組も既に４人目に入りました。

美青年の青山と、すっかりSTの一員となっている菊川刑事の２人が実は熱烈なクラシックファンで、世界的な指揮者とバイオリニストを前にして興奮したりはにかんだりする様子が面白いです。

バイオリンの紛失に関するトリックも密室殺人のからくりも単純ですが、シンプルなだけに安っぽくなっては台無しです。
名探偵コナンのような謎解きでありましたが、十分楽しめました。

キャリアのチーフ・百合根と菊川刑事がいい味を出してきました。

警視庁科学特捜班、通称STの個性的なメンバー５人がそれぞれ活躍する「色」シリーズ第３弾。今回は化学分野担当で僧籍を持つ山吹才蔵が、新興宗教に絡む事件を解決する。
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今回の事件はマンションの一室で若者４人が七輪による一酸化炭素中毒で死亡したというもの。４人はある新興宗教の団体に所属していて、最初は集団自殺と思われたのですが、結局は殺人事件ということで捜査が始まります。

実家が禅宗の寺で父親が住職という山吹が、団体のリーダーと宗教論争を繰り広げたりうんちくを語ったりで、少々読みづらかったです。容疑者も最初から絞られていたし、シンプルな事件で、可もなく不可もなくって感じ。

班長の百合根さんが山吹氏のお寺で座禅の修行をする場面が一番面白かったかも。