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  • from: 一久さん

    2006年04月09日 20時25分05秒

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    リヴァイアサン 感想Ⅰ


    【リヴァイアサン 感想 Ⅰ】

     ようやく、半分を超えたところだが、これまでの内容で気になったことを述べておこう。

    【万人の万人に対する戦争状態】

     ホッブスのリヴァイアサンといえばこの言葉であるが、実際にこの本を読んでみると解るけれども、ホッブスが言っているのは、主に、原始状態の社会についてのことであり、学校の教科書で教えているような自由民権風の意味あいは薄いようである。

     つまり、どんな国家であれ、国家のない状態よりはマシな社会である、という程度の意味でしかない。共和制を賛美するものでも、けなすものでもないのだ。実際、この著書において、君主制も共和制も、同列に検証の対象として扱われている。

     国家のある状態のほうが国家のない状態よりはるかにマシ、という主張は、いわばあたりまえのことである。しかし、ホッブスぐらい知っているという人の中で、「万人に対する戦争」という言葉を、そのような意味で理解している人はどのくらいいるのであろうか。

     というのは、「なぜ人を殺してはいけないのか」と問う者に対して、もしもホッブスのこの言葉を理解していたならば、一笑に伏せるはずだからである。そんな”自由”を認めれば、万人の万人に対する戦争状態になって、阿鼻叫喚の社会になってしまうのだ、と。

    このホッブスの言葉は、いやしくも政治や社会について何かを述べようという人であれば、知らぬ者はいないはずである。にも関わらず、上のような対応ができないというのは、理解していないからだというほかないだろう。

     古典を読む価値のひとつは、まさにここにある。あまりに有名な著書であるがゆえに、実際に読んでもいないくせに分かった気になってしまう。教科書に載っているデフォルメされた言葉を信じ、真実の言葉を見ようともしなくなる。それでは、ワイドショーのタレント司会者氏と同じではないか。


    【大き過ぎる贈り物は憎悪を生む】


     ホッブスが定義する言葉のなかに、このようなものがあった。大き過ぎる贈り物は、贈られた側からの憎悪を買う結果になるというのだ。なぜならば、お返しをするあてのない贈与は、自分が贈り主よりも劣っていることを自覚させるものだから。

     なるほど、韓国・中国の反日感情のひとつも、ここにあるのかもしれない。台湾がそうでないのも、韓国や中国ほどには日本からの援助の利益に与ることができなかったせいであるのかもしれない。日本人は、中国や韓国に対する戰後の援助や協力の大きさを言うが、それはまさに彼らにとっては触れられたくない過去なのであろう。

     日本自身も、かつてアメリカから多大な援助を得た。そのころの日本人には、今よりも多くの反米感情があったであろう。ところが、日本経済が発達し、十分に借りを返した現代の若者の間においては、反米感情というものは見る影もない。アメリカの不条理や自分勝手を責める声はあっても、それは決して反米感情というような軽薄なものではない。むしろ、アメリカが圧倒的な経済力を誇った時代に育った老人達にこそ、その種の感情論を吐く人が少なくない。

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