手嶋龍一「ウルトラ・ダラー」
新潮社

起伏のないまま、あっさりと完読。

精巧に作られた偽造米ドル札「ウルトラ・ダラー」の出所を探って、
日英米各国のエージェントが、調査していった先には
極東の某国の策略が浮かび上がる。
しかし、その裏には更なる陰謀が…

てな感じなんですが、
う〜ん…かなり期待していただけに、完全に肩透かしでした。

ドキュメンタリーとして書かれていると言うことですが、
現状と符合すると言っても、大した驚きがある訳じゃない。

正直言って、日本の平和ボケは福井さんの「Ｏｐ．ローズダスト」に
鋭く表現されているし、
エージェントの暗躍など、かつて、どれほど小説化されたか分からない。
「ゴルゴ13」あたりをチラチラ見ていれば、さほど、新鮮な驚きはないです。

まぁ「プロジェクトＸ」を期待して「７時のニュース」を
見せられたって感じですかね？(^^;;;

ドキュメンタリーだからワクワクしないかって言うと、
そんなことはないですよね。
「凍」「ワイルド・スワン」「悪魔の飽食」とか、
「うおー！すげー！ホント？」と唸りながら、
ページをめくった作品は多いですから。