ゼネコンの談合を巡るシビアな世界を、池井戸さんが軽快な筆致で描きます。
詳細は11/6にナナさんが書かれているのでパス。
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面白かったです〜。ぶ厚いハードカバーだけど、行間がけっこう空いているので（それともちろん面白いから）どんどん進みました。

談合か脱談合か。長い間かけて培われてきた悪習慣「談合」は、脱宣言をしてはいてもなかなか簡単に「はいやめます」とは言えない。交渉は海千山千の狸オヤジ達の中に新人の平太が送り込まれるが、びびることなく言いたいことをはっきり言うのが小気味よい。

政治家を巻き込んだ「官製談合事件」として虎視眈々と逮捕に向けて準備する検察側。刻々と迫ってくる入札日直前の各社の駆け引き。そして遂に入札の日がきた。

後半からラストに向けてスピード感が増し、一気に緊迫します。
「空飛ぶタイヤ」ほどのインパクトはありませんし、モノがモノだけに派手さはありませんが、池井戸さんはやはり最高にたのしめました。

武士猿・ブサーザール・・・今野敏　沖縄の伝説の唐手家・本部猿の物語です。「惣角流浪」のタッチで、今野敏の警察小説とは趣きが全く別。空手塾をしている今野さんならではの作品。廃藩置県後の沖縄。琉球王族の三男・本部朝基が兄に勝つために、琉球伝統の「手」の修行し、大阪、東京へ「手」の強さを証明する。今野作品に登場する、古武術の基みたいな感じです。ちょっと難しいかも・・・。

「読書好き？」発言に際して…
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「新規発言」で書くとスレッドタイトルが残っていきます。スレッドタイトルを元に話題の本を検索出来るようにしたいので以下の様ご協力お願い致します。
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（ドコモ系の携帯だとタイトルがRe:Re:Re:Re:…と続いてみっともないんで、ぶった切るか適当に書き換えて下さいね）
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「モザイク」田口ランディ 幻冬舎
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他人との接触が苦手なまま成長したミミは、自衛隊員、看護士と職を変え、社会的に特異な人物を納得ずくで収容する「移送屋」となる。
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問題定義が何か、答えは何か、さっぱり分からないんだけど(笑)独特のスピード感で一気に読ませてくれます。特に冒頭の40ページはあっという間でした。
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10年近く前の作品です。「コンセント」「アンテナ」と本書はサイコサスペンス三部作として田口ランディの代表作。
「アンテナ」はかなり前に読みまして、評価は◎→×でした。つまりはインパクトはあるけど深みはないって作品。(^^);
「コンセント」は図書館になくて私は未読です。
この三部作は連作とかじゃないんで図書館派なら書庫にあったらどれでもいいから読んでおこう！(笑)
元々、ネットコラムニストだから文章は流れるような読みやすさです。巧いよ〜
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エッセイとかじゃなく小説としてのランディ作品なら断然「キュア」をお薦めします。これは強烈な印象でした。
2008年２月18日にアップしています。興味があれば遡ってね〜(笑)
結構興奮して書き込んでますわ(^^);
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「罪深き海辺」大沢在昌 毎日新聞社
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首都圏に近い漁業の街に地元名士の孫を名乗る男がやって来る。
平穏だった街に次々と騒動が持ち上がり、ついには死者が出る羽目に。
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こういう顛末は初めてで…ネタばれしそうで読後感はうまく書けないなぁ〜(笑)
「オー！・ふむふむ…・なんだよ？・それかよ！・へっ？・やっぱりね〜・まだあんの？・え゛〜！・いやはや！納得」って感じっす(*爆*)
大沢作品の中ではかなり好きですね。読みやすいし。
場面毎に出てくる「バー・伊東」のお通しが嬉しいわね〜(笑)
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ハング・・誉田哲也　迷宮入りした事件に新事実が浮かび上がり、再捜査にあたった警視庁捜査一課特捜一係「堀田班」は一気に犯人にたどり着き、自供を得る。しかし、犯人とされていた男は初公判で「自供は強要された」と翻す。強要を名指しされた、「堀田班のメンバーは首吊りし、死んでしまう。不審に思った班員達は、バラバラに転属し、さらに一人、一人と死んでいく。まあ「ストロベリーナイト」や「ソウルケイジ」「シンメトリー」のつもりで読むと、大誤算です。巨大な闇、裏社会と言っても今野作品にはおよびませんね。

用心棒日月抄　藤沢周平　藤沢周平全集第9巻　文芸春秋　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　元禄の頃、国元で藩主毒殺の密事を知ったため人を斬ってしまい、国元を出奔し江戸へやってきた青江又八郎。米も味噌もなく生きるために口入れ屋を頼り糊口をしのぐ。刺客を待ちながら…　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　用心棒日月抄は4部あり、この9巻では前半の2作品を収めています。口入れ屋の相模屋吉蔵は狸に似ており、文中に何度も表現を変えて出てきます。細谷源太夫は口入れ屋で出会った大男！青江と細谷…男同士の友情っていいなと思ったのが昔見たﾃﾚﾋﾞ【腕におぼえあり】だったのです。　赤穂浪士の仇討ちが裏ｽﾄｰﾘｰとして流れています。

「食堂かたつむり」 小川糸 ポプラ社

一緒に暮らしていた恋人に全財産を奪われ、ショックで声を失った倫子は、故郷に帰り食堂を開く。
そこでは時間が緩やかに流れ、料理を作ること、その料理を食べた人たちに喜んでもらうことの楽しさを味わうが、一方母親との確執は消すことが出来ないまま日々は過ぎていく。

透明感のある文章が心地良く、すんなりと肌になじむように読み進められます。
すはるさんの評価は低かったと記憶していますが、あたしは好きです♪
食事をするということは食材の命を頂くということ、この考えに大いに共感します。

養老孟司の旅する脳　養老孟司　小学館　　　　　　旅と脳の関係、虫捕りの効能などをﾜﾝｼｮｯﾄ・ｴｯｾｲにして伝えます！ JALｸﾞﾙｰﾌﾟ機内誌“SKY WARD”に掲載された連載を単行本にしたもの。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　読みやすかったです。　旅先でよい景色を眺めれば、脳内には幸福感をもたらすｴﾝﾄﾞﾙﾌｨﾝという物質が分泌されるという事や解剖学の視点で見ると身体を激しく使う技能をもった人の筋肉がどうなっているかは興味深い。ﾋﾟｱﾆｽﾄの中村紘子さんに『腕だけでも献体してもらえませんか』と云ったことや…　子供のころから家に猫がいて、今いるのは（まる）という名前なんだって。

異色作家短編集①。ビリィが泊まることにした下宿屋の宿泊ノートには行方不明の人物の名前が記されていた…「女主人」
他全11作品。翻訳は開高健。
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久々に読みました早川ミステリー。
何故これを読んだのかというと、先日読んだ小池真理子のエッセイ「闇夜の国から…」の中で、晩年の谷崎潤一郎氏が息子の嫁の千萬子さんと恋に落ち手紙で淡い恋心を告白しあう「往復書簡」の中で、海外のミステリーが好きな千萬子さんに薦められて谷崎がダールの「キス・キス」なんかを読んでいたとは驚きだ…と出てきたから。
ダールの名前は聞いたことがあったけど未読だったから早速と思って探しました。

感想はというと、昔だから仕方ないのかインパクトが弱いです。
ブラックユーモアもアクが弱く、あとからぞっとする系のストーリーもあんまりぞっとしない。というか先が読める。
これなら阿刀田高のほうがずっと面白いやと思っていたら、何と解説で阿刀田氏がこの「キス・キス」を読んで感銘を受け、ダールのような小説を書きたい！と思ったと書いていました。いやいや、かなりレベルはダールの上をいっていると思いますよ。

それにしても好きな女性（しかも嫁さん）に薦められたらミステリーでも読むあたり、さすが谷崎であります。