よろずや平四郎活人剣　藤沢周平全集第18巻より　文芸春秋　　　　　　　　　神名平四郎は旗本の4男坊。亡き父が台所働きの女中に産ませたという肩身の狭い境遇だ。　縁談話もあったが相手の家が改易処分を受けて破談に…　　道場仲間の3人で金を出しあえば金を持ち逃げされ…　　自分の食い扶持を賄うために平四郎は“よろずもめ事仲裁つかまつり候”の看板をあげ、商売を始める。　　　この持ち込まれるもめ事が多種多彩で読み応えがある。もう一つは水野忠邦や鳥居耀蔵らがかかわる天保の改革。年号まではっきりわかる仕組みになっているから興味のある人は是非！

前に読んだ、どちらかが彼女を殺したと似たような作品で、犯人は○○である。という完結ではなくて、巻末に袋とじがあり作品の中に記載されている、行動、言動、物証を元に推理して、犯人はいったい誰か！難しい作品です。自分がまるで刑事になったような気持ちにさえなります。初出が２００２年の作品なのですでに、よんでいる人も多いと思いますので、あらすじはあえて省きましたが、一度読んで、犯人が判らず、袋とじのヒントを読んでもう一度部分的に読みましたね。自分なりに犯人はつきとめられましたが、あっているのかどうか・・・。こういう形式のミステリーもたまにはいいかも。

だいぶ前にすばるさんが読んで、面白かったと言っていたのでうちの図書館でも購入しました。森絵都の「DIVE」以来のスポ根もので感動しました！ボクシングもテレビで見たりするけど、この本はアマチュアボクシングで高校のボクシング部のことが沢山書かれています。描写があまりにも細かいので、グロイところもありますが、涙がポロリのところもあります。あらすじはすでに、すばるさんがアップしているので省きますが、友情、闘志、忍耐など盛りだくさんです。今月のダントツかも、すばるさん紹介ありがとうございました！

共犯者と名乗る男から、17年前の殺人事件の犯人だと名指しされた運送会社社長・末松。しかし彼はそれを否定せず「ノーコメント」と繰り返す。その末松が峠の山道で命を狙われる。警護を命じられた氷室刑事は、末松に自分と似た部分を感じながらも、真実は何なのか迷っていた。
一方、その事件で父を殺された青年は親父と慕う末松の無実を信じていたが、新たな殺人が起こり事件はますます謎を深める。
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全然面白くなかったです！
やはり堂場さんはスポーツ小説に限りますね。

末松という社長が犯人なのか違うのか。それだけのことです。
それだけでこれ程の長編までひっぱれるというのも、ある意味素晴らしいのかも。

人物もあんまり魅力がないし、とにかく退屈でつまらなくてたまりませんでしたが、末松が犯人なのかどうかを知るまでは…と最後は意地で読みました。

そして迎えた結末…もどうってことないし、久々のハズレ〜。

小樽での奉公から知床に帰ったとわは、昔、山で知り合ったアイヌの青年・三吉と再会する。しかしとわは、彼への思いを秘めたまま斜里へと嫁ぐ。夫と古着の商売を始めたとわは、子供を生み育てひたすら働き続ける。やがて戦争が北の果てにまで暗い影を落とし始める。
厳しく美しい知床の自然に翻弄されながら、ひたすら大正から昭和の時代を生き抜くとわの半生記の後半。
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自分の生き方も人生も何ひとつ選ぶことが出来ない時代。
とわの母は夫に従い、福島から未開のさいはての地に来ます。そこで生まれたとわの世界も非常に狭くそして貧しくて、そこには選択の余地など何もないんです。

そんな時代が確かにあり、とわのような賢く強い女性も、生まれた時代によって自分の気持ちを殺して運命に従うしかなかったんですね。今、自分の生き方を自由に選べることがいかに有難いことなのかを実感しました。

知床の語源はアイヌ語の「シリエトゥク」…地の果てという意味だそうですね。オホーツクの厳しく冷たい空気の中に凛とした強さが光る文章でした。会話が全て東北の方言(ズーズー弁)で書かれているのも斬新でした。
「なんとしてでも生きていかねばなんねえよ」というとわの言葉が尊いです。とてもよい本でした。

　「杖下に死す」の続編。

　時代は桜田門外の変、新撰組の登場する幕末に。光武利之は剣を捨て料理人になっているが、店は養子夫婦に引き継ぎ、別に小料理屋を開いて孫の利助に料理を仕込んでいる。
　慌しい周囲の動きに対する姿勢、それに料理の腕に剣の心得が見える。料理の場面が多いので、私のような男の台所を趣味とするような者には結構興味をそそられます。剣の心得に秘められた生き方には厳しさと爽やかさがあって、「杖下に死す」とは一転した展開につい引き込まれて読み終えました。

　利之に限らずどのような職業、仕事にもその道を究めようとする姿勢はこの極楽蜻蛉にも深く感じさせられるものがありました。社会人にはよい本だと思いますし、気楽に面白く読めると思います。

　前編である「杖下に死す」を先に読んでいないとそのつながりの面白さが半減すると思いますので、是非「杖下に死す」を読んでからがお勧めです。

「心の野球」桑田真澄 幻冬舎
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清原とともにＰＬ学園の最強期を担い、巨人のエースナンバー18を背負った桑田真澄の自伝。
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私自身、野球は自分でプレーするのが好きなだけで、ひいきチームの応援とかにもほとんど興味はなく、図書館の新蔵書のところにこの本があったのは気づいてましたが、以前、魔が差して(笑)借りた清原の自伝本に懲りてましたんで無視していました。
サブタイトルの「超効率的努力のススメ」を見たから借りたんですが、面白かった！今年最短時間で読了！
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有言実行でプロ野球の世界を乗り切ってきた人だからかなり説得力がありますし、勉強家、読書家の桑田さんの才覚を感じます。
何よりも、超合理的思考が私自身にそっくり！身長体重も同じ(笑)
野球に全く興味のない方にも十分お薦め出来る「幻冬舎」の本です(*爆*)
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密謀　藤沢周平全集第17巻より　文芸春秋　　　　　関ｹ原の役前後の戦国時代、上杉謙信のあとを継いだ上杉景勝と景勝に仕える重臣直江兼続を主役に描いた歴史小説長編。　　　　　　歴史小説好きの人にはぜひ読んでもらいたい！　秀吉も家康も出てくる。　石田三成はどのようにして死んだのだったかを忘れていたので、改めて学ぶ事ができた。　家康に対するｲﾒｰｼﾞが多少変わった！　いつも思うことは、当時生きていた武将たちは考えに考えた挙げ句、最善の方法だと信じて作戦をたてたり実行したり命令を下したり、上の者に従ったりしたのだろうなということ。　自分の欲はさておいて…　心のもち方が現代人と違うよね。

　「大塩平八郎の乱」を書いた本。

　幕府御庭番・村垣定行の妾腹の子・光武利之は目的を明かされないままに大坂に派遣される。そこで大塩平八郎の乱に関わっていくのだが、利之は第三者として乱への経過を見ていく。
　大塩平八郎の息子で与力・格之助と知り合い、剣を教えることで友情を深めていくが、格之助は平八郎に従い、乱を起こす。政治と経済の複雑な動きと大塩平八郎の蜂起、それらをつぶさに見てきた利之の心情は武士を捨て料理人への道へ進ませることになる。

　御庭番を家系とする利之は剣の達人であり、その行動に関わって幾度か剣で切り結ぶこととなるハードボイルドな展開も面白い。

　武光利之、大塩格之助の性格は違うが、共に私の性格と共鳴するようなところがあって面白かった。

ﾄﾞﾘﾄﾙ先生ｱﾌﾘｶゆき　ﾋｭｰ・ﾛﾌﾃｨﾝｸﾞ作　井伏鱒二訳　岩波書店　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　医者のﾄﾞﾘﾄﾙ先生はなんと、動物語が話せるのだ！　その噂は世界中に広まっていて、ある時ｱﾌﾘｶのｻﾙから疫病が流行っているから助けてくれとSOSが来た。　ﾄﾞﾘﾄﾙ先生は犬やﾌﾞﾀのお供を連れてｱﾌﾘｶへ向かった！　　　　　　　　　　　　中学の時に友人と読むのを競った本！　全12巻あるらしい。　楽しい(^O^)というのが的確。　訳があの井伏鱒二だし、大人が息抜きに読むといいかも。