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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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from: シニョレッリさん

2012年08月14日 10時05分10秒

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リナシメント芸術家(1) アミーコ・アスペルティーニ

一応の目安としてバロック期までの芸術家を対象に、個々の芸術家について、私の独断と偏見に基づき、色々記したいと思います。第一回の今日は、マニエリスム期の

一応の目安としてバロック期までの芸術家を対象に、個々の芸術家について、私の独断と偏見に基づき、色々記したいと思います。

第一回の今日は、マニエリスム期のボローニャの画家アミーコ・アスペルティーニです。

Amico Aspertini(1474頃ボローニャ生まれ〜1552ボローニャで没)
ロレンツォ・コスタとフランチェスコ・フランチャに師事した生粋のボローニャ派の画家です。当初は師であるコスタとフランチャの折衷した画風でしたが、ローマ、ルッカ、フィレンツェなど各地を遍歴するうちにペルジーノやラファエロの影響が加わると共に、マニエリスム様式に接近し、最終的にマニエリスムの先駆を成す画風に転じました。筆使いが早く、一作品を完成させるのに時間がかからなかったと言われていますが、残っている作品数は然程多くありません。
フランチャの様な光沢のある鮮やかな色彩の影響を残しながら、少しくすみを入れたアミーコの色使いが何とも良いと思います。


ボローニャのサン・ペトロニオ大聖堂です。


ボローニャのサン・マルティーノ教会です。



ルッカのサン・フレディアーノ教会です。見事なファサードのモザイクはアミーコとは関係ありません。
以上、三つの教会の写真を掲載した訳はアミーコの作品があるからです。


ルッカのグイニージ塔からのルッカの絶景ですが、アミーコとは関係がありません。

これ迄に私が鑑賞したアミーコの作品リストです。
ウッフィツィ美術館:「羊飼いの礼拝」「アレッサンドロ・アキリーニの肖像」
フィレンツェ、パラティーナ美術館:「マギの礼拝」(傑作と思います)
ボローニャ、国立絵画館:「マギの礼拝」「幼きキリストを崇拝する聖人たち」「聖母子(フレスコ)」「聖家族」
ボローニャ市立博物館:「聖母子」
ボローニャ、サン・マルティーノ教会:「聖母子と聖人たち」
ボローニャ、サン・ペトロニオ大聖堂:「ピエタ」「聖ペトロニオの四つの物語」
ボローニャ、サン・ジャコモ・マッジョーレ教会サンタ・チェチリア祈祷所:「聖女チェチリアと聖ヴァレンティヌス(チェチリアの夫)の生涯(フレスコ)」(代表作です。場面毎に師匠であるフランチャ、コスタ、アミーコの三人で制作しました)
ルッカ、グイニージ邸国立博物館:「栄光の聖母子と四聖人」
ルッカ、サン・フレディアーノ教会:フレスコ
ブレラ絵画館:「聖カッシアーノ」
ジェノヴァ、赤の宮殿:「男の肖像」



ウッフィツィ美術館にある「羊飼いの礼拝」です。


ブレラ絵画館にある「聖カッシアーノ」です。


ボローニャのサンタ・チェチリア祈祷所のフレスコです。


サンタ・チェチリア祈祷所のフレスコで、アミーコが制作したものです。


同じくアミーコの制作したフレスコです。

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from: シニョレッリさん

2012年08月28日 06時37分26秒

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「リナシメント芸術家(5) マリオ・ミンニーティ」
バロック期初期にローマ、シチリア各地などで活動した、シラクーザ出身の画家マリオ・ミンニーティを取り上げます。

標題が「リナシメント芸術家」となっていますが、標題が長くなるのでそうしているだけで、バロック期までを対象にしています。

マリオ・ミンニーティが有名と言うよりは今日まで名が残ったのは、ミケランジェロ・メリージ通称カラヴァッジョの舎弟、つまり弟分としての密接な繋がりからだと思います。カラヴァッジョよりも6歳年下でした。

Mario Minniti(1577シラクーザ生まれ〜1640シラクーザで没)


シラクーザ・オルティージャ島は今なお海に浮かぶ要塞に見えます。


シラクーザ大聖堂です。外観は典型的なバロック様式ですが、堂内はギリシャ神殿みたいで雰囲気が全く違います。ギリシャ神殿の改造と聞けば、それは当然と頷けます。


暮れなずむドゥオーモ広場です。


今迄の三つの写真はマリオとは直接関係ありませんが、この写真は違います。
右側の手前から二番目の建物がミンニーティの住居だったそうです。宿泊したB&Bのオーナーから住所を聞くと共に地図に印を付けて貰って行きました。でも建物は何の表示も無いので確証はありません。


カラヴァッジョの「果物籠を持つ少年」です。ボルゲーゼ美術館にあります。
この少年のモデルがミンニーティだったと言われています。
ミンニーティは1593年ローマに出て、同郷の三流画家ロレンツォ・カルロに弟子入りして工房で働き始めましたが、ロレンツォに雇われ一日に人物の頭を3点描く仕事をしていたカラヴァッジョと知り合い、直ぐに同居する程の親しい間柄になりました。


ルーブル美術館にあるカラヴァッジョの「女占い師」です。「女占い師」にはモデルが違うものがローマ、カピトリーノ美術館にあります。ルーブルの豊頬の少年のモデルもミンニーティと言われています。

ミンニーティはカラヴァッジョと殆ど一緒にいて暴れていた様ですが、ローマで画家として大成するのを諦め、1606年シチリアに戻りました。性格はカラヴァッジョに似ており凶暴で、シチリアに戻って直ぐに殺人を犯してしまいましたが何とか許されたので、地方画家として身を立てることにしてシラクーザに工房を構え、最初のカラヴァッジェスキとなりました。やがて彼の工房は繁栄して地方の名士になるなど成功を収めました。

1608年マルタ島から脱獄して聖ヨハネ騎士団から追われる身となったカラヴァッジョはミンニーティを頼ってシラクーザに来ました。友情に篤いミンニーティは親身になってカラヴァッジョを助け、仕事の世話も行いました。こうしてカラヴァッジョはシラクーザで「聖女ルチアの埋葬」を制作しました。カラヴァッジョはシラクーザを離れメッシーナに逃れて、メッシーナでも作品を制作しましたが、これもミンニーティの斡旋によるものと言われています。

では、ミンニーティの作品を幾つか見ることにします。


シラクーザのベッローモ州立美術館にある「聖女キアラの奇蹟」です。
ミンニーティは才能に乏しく、大したことない画家と言うのが通り相場ですが、どう思われますか?


シラクーザのベッローモ州立美術館にある「聖女ルチアの殉教」です。


シチリア、エンナのサンタントニオ教会にある「スティグマテ」です。


メッシーナ州立美術館にある「ナインの寡婦の奇蹟」で、彼の代表作と言われています。

彼の作品を見ると、「大したことが無い画家」と即断することは到底出来ないと思います。沢山の注文があり、結構な数の作品が残っているからには、それなりの評価を下すべきだと思います。カルパッチョ、ティントレットなどの粗製乱造した駄作群よりは遥かに感動を受けます。

最後に例によって私が観た彼の作品リストを掲げます。
シラクーザ州立美術館:「聖女ルチアの殉教」「聖女キアラの奇蹟」「十字架降下」
シラクーザ、カルミネ教会:「四聖人」
シラクーザ、サン・ベネデット教会:「埋葬される聖ベネデット」
シチリア、ヴィッツィーニ、サン・ジョヴァンニ教会:「救出の聖母」
シチリア、アギラ、サンタントニオ教会:「スティグマテ」「Le cinque piaghe(何と訳すべきでしょうか?)」
メッシーナ州立美術館:「洗礼者ヨハネの殉教」「ナインの寡婦の奇蹟」「ロザリオの聖母」「磔刑」
カターニャ市立美術館:「寓話の情景」
カターニャ、教区美術館:「十字架のキリスト」
ミラッツォ、ルチフェロ美術館:「カルバリーへの道」「キリストの鞭打ち」

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