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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2014年05月11日 09時14分36秒

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    リナシメント芸術家(57) プラウティッラ・ネッリ

    西洋美術史上、女性の画家としては最も早く活動した一人とされる、尼僧画家プラウティッラ・ネッリを取り上げましょう。
    最初に活躍した女性画家として、ソフォニスバ・アングイッソラ(1532‐1625)が有名ですが、プラウティッラはソフォニスバよりも8歳年長で1524年の生まれですから、最初の活躍した女性画家の栄誉はプラウティッラに与えるのが至当かも知れません。

    Plautilla Nelli(1524フィレンツェ生まれ~1588フィレンツェで没):彼女の父ピエロ・ディ・ルカ・ネッリは、フィレンツェの裕福な織物商人でした。ピエロには三人の娘がいましたが、次女のプラウティッラと三女のコスタンツァをフィレンツェのサンタ・カテリーナ・ダ・シエナ修道院に入れたのです。
    当時、正式な結婚をするには多額の持参金が必要でしたから、裕福な商人とはいえ、三人の娘全員を正式な結婚をさせるわけには行かなかったのかも知れません。
    メディチ「王朝」の始祖ジョヴァンニ・ディ・ビッチ(コジモ・イル・ヴェッキオの父)は、妻の持参金を投資して、後のメディチ銀行の繁栄を築いたくらいですから、当時の持参金の高額なことには驚くばかりです。
    三女のコスタンツァは、サヴォナローラの伝記を書いたので有名です。
    少し脱線をしてしまいました、プラウティッラに話を戻します。
    彼女が14歳の時に修道女となったサンタ・カテリーナ・ダ・シエナ修道院は、サン・マルコ聖堂に隣接し、サン・マルコの修道士たちによって管理されていました。
    サン・マルコには、ベアト・アンジェリコ、フラ・バルトロメオ、フラ・パオリーノと続く芸術工房の伝統がありましたから、次第に彼女もそれに惹かれて絵画の修行をするようになったようです。
    フラ・パオリーノに師事したとの説、サン・マルコ修道院内芸術工房で自習して上達したとの説があります。
    やがて、彼女はアーニョロ・ブロンズィーノとアンドレア・デル・サルトの作品を熱心に複製することによって、さらに腕を磨きました。 
    修道女としては、厳格なサヴォナローラの教えに深く帰依して、修道院長を務めるようになりました。
    彼女の作品は、尼僧院の信者や外部のパトロン、特に女性に好まれました。ただ、女性でしかも尼僧だったことで、解剖学的な人物表現や優美な女性を描くことにはやはり限度があったことが作品から伺えると思います。
    画風ですが、一時期自習したアンドレア・デル・サルトの作品からの影響が認められますが、最終的にはフラ・バルトロメオの強いものに落ち着きました。
    また、アガタ・トラバッレシやマリア・ルッジェリなど多くの尼僧弟子を育てました。

    では、彼女の作品を見てみましょう。

    フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂ですが、ここに彼女の代表作「最後の晩餐」があります。

    この「最後の晩餐」は、普段公開されていない場所にあるので、ご覧になった方があまりいないと思いますが、弟子たちの表情描写や人物表現が優れた傑作だと思います。
    私がこの作品を見たのは一度だけで、それ以前には、このような作品がSMN聖堂にあるとは全く知りませんでした。

    フィレンツェのサン・マルコ美術館に彼女の作品があります。

    「死せるキリストへの哀悼」(サン・マルコ美術館)

    フィレンツェのサン・サルヴィ教会です。

    アンドレア・デル・サルトの「最後の晩餐」がある、サン・サルヴィ教会の食堂が美術館となっていますが、ここに彼女の作品が3点あるのです。


    「バラを受け取る聖ドメニコ」です。彼女の尼僧院はドメニコ会でした。(サン・サルヴィ美術館)

    「聖痕を受ける、シエナの聖女カテリーナ」(サン・サルヴィ美術館)

    「苦悶する聖母」(サン・サルヴィ美術館)

    パルマのピロッタ宮殿の国立美術館にも「マギの礼拝」があるのですが、作品画像が見つかりません。

    ペルージャのサン・ドメニコ聖堂にも彼女の作品があります。

    「聖霊降臨」(ペルージャ、サン・ドメニコ聖堂)
    フィレンツェのアッカデミア美術館に「シエナの聖女カテリーナの神秘な結婚」があるのですが、作品画像が見つかりません。

    「玉座の聖母子と四天使」は、フィレンツェで行われたサザビーズのオークションに出展されました。高値で取引されたそうです。
    これで、この項を終わります。

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    ぐら姐 Yuko

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