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  • from: 一久さん

    2008年04月28日 07時06分56秒

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    政党について

    政党について

     【鼓腹撃攘】

     政治のひとつの理想は、鼓腹撃攘である。

     人民がなにも考える必要もなく、世の中が平和に繁栄している状態である。実際に、多くの国においては、国民は直接政治に関与することはない。民主主義の国においてさえ、その機会は多くはないし、また、国民自身、それを望むことも多くはない。

     多くの国民が直接政治に関与したいと思うとき、それは政治が末期的状態に至ったときであろう。その正反対の状態こそが鼓腹撃攘である。

     【政党による支配】

     残念ながら、鼓腹撃攘させてくれるような聖天子は、めったに登場しない。ゆえに我々は、為政者を監視し、少しくまともな政治をするように教導しなければならない。

     しかしながら、これもまた骨の折れる行為である。多くの国民は、その労を嫌うであろう。そこで、国民全体に代わって、為政者を監督する組織が必要となる。それが議会であるが、議会自体もまた、為政者として横暴を振るう存在に変身しやすい。

     ゆえに、議会と国民の間に立って、議会議員を監督する存在が必要となる。これが政党である。このような政党こそが民主主義の根幹なのである。

     これまで政党というものは、政党幹部の決定を下位の党員に押しつけ、党員は一般国民を自分達の側につけさせるように運動する。その為のものだと思われてきたようだ。

     だが、それは決定的に間違っていた。そのやり方では、決して国民の声が政治に届くことはなく、政党それ自体が政策を打ち出す能力を持つこともない。国民の信頼は、絶対に政党には集らないのである。

     政党は国民のなかの、政治に関心を持った人々が政治家を監視したり、政治家に助言したりするための装置でなければならない。そういう人々が政党を構成し、つねに全国民に代わって政治家を監視し、国政に関与していると思えばこそ、国民は選挙以外の政治行為に関わることもなく、安心することができる。

    【全体主義の逆説】

     ひとことでいえば、このような政党論は、「全体主義の政党」の逆である。

     全体主義では、国民>シンパ>党員>親衛隊>突撃隊>髑髏隊>幹部>総統

     というふうに、より中枢に近い者が下流の者を支配する。

     民主主義の政党のあるべき姿はまさにこの逆であって、

     総理<大臣<議員<党員<シンパ<国民  となる。

     議員が大臣や総理を突き上げることは、権力闘争の過程で普通に行なわれることであるから、放っておいても実現する。問題は国民やシンパが党員を突き上げ、党員が議員うを突き上げる過程である。この部分が未成熟である。

     これを補強するにはどうすればいいか。その方法は、全体主義に学べばよい。全体主義においては、より上位のグループに属する者は特権を持っていた。それをもって下位の者を支配した。

     一般党員に、民主的に大きな特権を与えればよい。選挙区ごとに「千人会」を作ってもよいだろう。ネット掲示板で討論させてもいいだろう。あるいは、重要法案の多数決を党員全員にさせてもよい。数が多過ぎるというのであれば、ナチスに倣って、精鋭党員グループを作れば、自在に人数を制御できる。

    【政治政党への脱皮】

     政党というものが、利権や教条主義的なイデオロギーの為のものではなく、国家・国民を繁栄させるための真摯に協議する人々の集まりに変わることによって、国民一般は安心して政治のことなど忘れることができる。

     もし、政党の人々に問題があれば、別の政党に票を入れるか、あるいは自分自身が政党員となって政治に関与するかすればよい。

     このような政党が存在しているという前提のもとでしか、選挙によってより良い政党を選ぶことはできないのである。

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