長編サスペンスと、本の帯に書いてあったのね。あらすじとしては、不倫相手との子供が産めなくなり、奥さんからもいやがらせを受けて、不倫相手の家を監視して、奥さんがご主人を送って留守の間の数分の隙に子供を盗むというか誘拐というのか、自分の子供として転々と居所を変えながら愛情深く３年半育てていく話。自分と子供が見つからないように、ひっそりと生きていくんだなあ・・・と思ったら最後は誘拐犯でつかまり、子供は父母のもとへ、しかしまだ続きがあって因果応報いろいろあります。わりと良かったです。お暇なら読んでみてください。

「三面記事小説」角田光代、可もなく不可でもないって感じかな。新聞の三面記事になった事件をもとに、小説にしたもので短編が５つ程で悪くはないけど私は長編の方が好きなので、ちよっともの足りない気がしました。この流れで今「八日目の蝉・角田光代」を読んでいますので、読み終えたらまた書きますね。「制服捜査・佐々木譲」は、すばるさんが読むちょっと前に読みました。まあ今野敏作品にはおよびませんが、良い作品だと思いましたね。時間返してとは思わなかったから・・・

「制服捜査」佐々木譲 新潮社

刑事を15年勤めた男が機構改革のあおりで、北海道の片田舎の駐在所勤務へ。
そこには「地元のルール」がはびこり隠蔽体質が染み付いていた。
----------------
警察がらみの小説だと、どうしても今野敏とかと比べてしまうんだけど、十分に面白かったです。
欲を言えば、憎むべき人、言わばヒール役をもっと際立たせて欲しかったかな。
そうすればもっとスカッとしたはず。
----------------
物語の舞台が仕事で通い詰めたところで、ちょっと思うところがありました。毎年末、当時の担当者から「ししゃも」を送って頂いています(笑)

「そうか、もう君はいないのか」城山三郎 新潮社

亡くなった奥様への想いを綴ったエッセイ。
小さなサイズの本で、文字数も少なかったので、本屋で立ち読みしてしまいましたf^_^;
奥様の天真爛漫で大らかな人柄を偲ばせるエピソードや、城山さんの深い穏やかな愛情が文面に溢れていて、心がほんわかとあったまります。
図書館で借りて、じっくり読み直したいと思います。

「すぐそばの彼方」白石一文 角川書店

大物代議士の父を持つ柴田龍彦は、４年前に起こした不始末から自らも精神に変調をきたし、人との関わりを閉ざしてしまう。
そんな龍彦が自分をとり戻していきつつも、政界への関わりが深まり目に見えない政治の渦に巻き込まれていく。

正直、政治の話にはトンと興味がなくて、政治部分の描写は読み流そうかと思ったのですが、それをやっちゃうと面白さが半減するんで、真面目に読みました(笑)
龍彦の不甲斐なさにツッコミながらも、人間ってそんなに強くはないよなぁ〜、って納得したりして(^_^;)
ラストの方で薫という女性が言ってたセリフにすごい共感！
ぷるさんが、似たような話を書く人だって教えてくれたし、少し間をあけてから違う本も読んでみます〜(笑)

「好かれようとしない」朝倉かすみ 講談社

冒頭の10行で「こりゃ外れだな〜」って感じで、結果外れでした。
偶然知り合った鍵職人に一目惚れする女性のお話なんだけど、基本的に筋立てが出来てないのか、とにかくダラダラと愚にもつかない展開。
キャラも立ってないし、読後出た言葉は「なにこれ？」でした。
----------------
前に読んだ「肝、焼ける」もピリッとしないお話で「なんだかな〜」って感じでした。
こんなん読むなら藤堂志津子の「秋の猫」とか雫井脩介の「クローズド・ノート」を読みましょうや(笑)

「仇敵」池井戸潤 実業之日本社

不正を暴くことに失敗し大手都市銀行の次長職を追われ、地方銀行の駐車場係に甘んずる男が、プライドを取り戻すために立ち上がる。
元銀行員の作家・池井戸潤のお得意な物語。
「銀行総務特命」「銀行仕置き人」などと似たようなお話なんだけど飽きずに読ませてくれます。面白かった！
基本的に勧善懲悪ものだから水戸黄門や遠山の金さんを見るような心地よさがあります。
この「仇敵」の前があれば面白いんだけどね。
悪に叩きのめされて終わる話し…売れねーか(笑)
----------------
今月は外れ本が多かったからちょっと溜飲を下げました。(^^)

東海道五十三次完全踏破　旅人　岩本輝男　講談社MOOK　　　　　　　　　　　　東京・日本橋から京都・三条大橋へ宿場を巡りながら岩本さんが徒歩で旅をした全記録！　　　　　　　　私のうちも東海道沿いにあるんです。(^^ゞ　岩本さんが家の前を歩いた日に私は頭痛で寝ていたんです…　くる日がわかっていたら待ってたのに(T_T)　　東海道を歩いてみたい方、興味がある方はぜひどうぞ！

「マザコン」角田光代 集英社

なんだか訳の分からない短編集。どうしてこの作家の短編って起承転結も何もないんだろう？
一応、母と子をテーマとした作品集なんだけど、起承承承(笑)って感じでワクワクもドキドキも何もないわ(T_T)
お約束の東南アジアの描写はもう辟易！(笑)

白石一文３連続です。間にラノベを数冊読みましたが。

これも好い事書いてあるのですが、キャラクターが どの作品も似たような感じなので少し厭きてきましたね。
　たまに読むくらいが丁度良いのかもしれません。
今度は半年後くらいにデビュー作を読んでみようかな。