親に捨てられ、八王子の施設で育った芳子と周也は、７歳違いで実の姉弟のように、身を寄せ合い生きていた。周也は、いつもいつも姉を頼りにしていて、甘ちゃんで何をやっても中途半端。我慢が足りず、仕事もすぐに辞めてしまい、いつも姉を困らせる。すぐに人を信じるが人に騙され易く、しまいには人を刺して2人は、居場所を求めて逃げて、逃げての生活をおくる。芳子と周也の「強い絆」は幸福に向かっているのか？絶望に向かっているのか？人は周也がいなければ、芳子はもっと幸せに暮らせたと思うのだろうが、芳子は周也のいない世界では、抜け殻のようになってしまう。人の幸せとは何か、愛情とは何かを感じさせられる作品です。あなたならどうしますか？私ならこんな姉には、なれないだろうと思いました。なぜなら、やっぱり自分が一番可愛いから、絶対ムリだわ！

いや〜皆さん今野作品続いてしまいすみません。そしてハマジンさん、お先に読み終えてごめんね！シリーズ特別短編集になっていて、隠蔽捜査１から３までのもう一つの陰の話となっています。それぞれの巻の中に登場する大森署署長竜崎伸也と幼馴染の警視庁刑事部長伊丹俊太郎との友情？嫉妬？尊敬？などなど盛り沢山で、すごく面白かった！！！やはりこの竜崎さん、なかなか曲者だわ。でも、最高の署長さんです。

ST色シリーズ黒崎のファイルです。携帯のワンクリック詐欺に遭った役者志望の内藤茂太が仲本一平や彼女たちと、チャイニーズマフィアを語り、悪徳業者に逆襲を図るが、同時進行で新宿の街が小火騒ぎとなる。２つの事件がどう係わり、そして黒崎がどう活躍し、STメンバーと警視庁の面々との掛け合いがまた面白く描かれている。STメンバー超最高！！！

「百舌」シリーズの第２弾。前作では記憶喪失になった新谷という男(＝百舌？)と公安刑事と暴力団との三つ巴で、最後に大量殺人が起きる。今回はその事件の真相に迫る刑事・倉木や大杉、明星といった面々が、政界の絡む大規模な陰謀を暴くために勇敢に挑む。
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「禿鷹」はⅡに入ったところですがワクワクしながら読んでます。

それとは別に逢坂先生のシリーズものをもう1つ抱えていまして(笑)1作目「百舌の叫ぶ夜」は少々古くさく感じられ、刺激が足りない感じもしたのですが、この２作目｢幻の翼」は面白かったよ〜。

倉木刑事は前作で、爆弾事件で死んだ妻が実は裏切っていたことが発覚する不幸な男＆けっこうな怪我を負うといった悲惨なキャラで終わっていたんだけど、警察幹部の事後処理に不信感を抱き、今回はその事件の内部告発的な原稿を書いて出版社に持ち込む。けど逆に命を狙われるはめに…。遂に捕まって廃病院に監禁されてロボトミーの手術をされそうになるんです。それを倉木に惚れた明星美希刑事が助けに入り…。

↑読んでいる時は感じませんでしたがこうして文字にするとけっこうハチャメチャだよね。最後は誰が敵か味方かもうさっぱりわからん！って感じになってきますが、そういう無鉄砲ぶりもしっかりした文章力・構成力があるのでチープな感じになっていません。

細かいことにこだわらずいちいち突っ込まずに読めば、非常に楽しめます。続きが気になります。

「トラちゃん」群ようこ 集英社文庫
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群さんが中高生時代に飼っていたペットに関してのエッセイ集。
縁日の金魚すくいで持って帰り、鯉と見間違う程大きくなったスパゲティを喰うよしこちゃんとか、冒頭から笑いっぱなしでした。
１〜２時間で読めちゃいます。猫、文鳥、インコ、モルモット、ハツカネズミなんかを飼っていた方には特にお薦めですね(笑)
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「漂泊」堂場瞬一 中公文庫
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スナックの火災現場から２体の焼死体が発見され、うち一人の背格好が失踪課に問い合わせがあったミステリー作家に酷似。燃え残ったネックレスも彼の愛用品だったが…
双方の死体には刺し傷、殴打痕があり店の金庫も持ち出されていた。
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読み始めて気づいたんですが、先日読んでペケ出しをした警視庁失踪課・高城賢吾シリーズでした(^^);
設定が失踪課なんで聞き込みを重ねてって進行だからかも知れませんが、やっぱり話がかったるいです。
堂場瞬一の刑事モノではあまりいい思いしてないかなぁ(笑)スポーツモノは絶品なのにね。
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　今日は酔っ払っています。幕末の三舟、海舟、泥舟、鉄舟の話。酔っ払わずにこの本が読めるかと、つい昔の侠気が出てしまう。若者に是非読んでほしい書です。

ST色シリーズ第３弾、密室状態のマンションの一室で、若い男女４人の死体が発見される。彼らは宗教団体の信徒たちで、七輪による集団自殺かと思われるが、その判断に疑いをもったのがSTの面々たちだった。今回は、山吹才蔵の出番である。山吹の過去から現在に至るまでや、実家のお寺での座禅の仕方、人生のおいての考え方など、学ぶことも多い。普通の警察小説のエンディングとは、少し赴きが違うことにも気付くと思います。STそれぞれの個性が上手く表現されていて、退屈しません。

「きみ去りしのち」重松清 文藝春秋
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前妻に理由なく別れを告げられ、再婚相手との間に生まれた子は一歳で突然死。
主人公は悲しみから逃れるため小旅行を繰り返すが、いつしか前妻との間にもうけた娘の明日香が同行するようになる。
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全然ダメでした。まあ自分の子を失った経験がある訳じゃないし感情移入出来なかった事もあるけど、旅を続ける理由付けが弱いしあまりに後ろ向きで腹がたってくる。
天童荒太の「悼む人」を思い出しましたわ。
「サンタ・エクスプレス」「かあちゃん」「とんび」と最近読む重松作品は連続で外してる気がするわ。
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高校生の由紀夫には母が1人と父親が何と４人いる！
全く個性の違う４人の父親たちに共通していることは、母と由紀夫を心から愛していることである。
ある日由紀夫は県知事選挙を巡る事件に巻き込まれ、同級生と共に監禁されてしまう。由紀夫を救うために４人の父親達が起こした行動とは…。
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「重力ピエロ」で思いっきりコケてから(わたしが)、数年ぶりの伊坂作品。何の気なしに予約してから３ヶ月が過ぎようやくゲット。
これが予想外に面白かった！

一夫多妻の逆バージョンの家族だが、母は仕事でほとんど不在。留守を４人の父達と高校生の由紀夫が守る感じの日常です。
父達のキャラがユニークすぎる。それぞれが様々な場面で多感な高校生の由紀夫に絡んでくるが、由紀夫は迷惑な顔をしながらもうまく４人を操って自分も楽しんでいる感じ。小気味よいテンポが楽しいです。

県知事選立候補者の対立に絡む事件に巻き込まれてしまう由紀夫。ミステリーの要素で読者を引き込む。彼の同級生達もいい味を出していて楽しい。同級生の家族と共に監禁された由紀夫の救出劇が展開されるラストはいい感じです。

本当の父親が誰なのかは誰も知らない！というところもかなり非現実的だし、1歩間違えばハチャメチャぶりだけが残る駄小説になってしまうところだけど、なかなか巧く書けていたと思う。
小説だからあり得る楽しい世界でした。