ペルジーノの「最後の晩餐」は、フィレンツェの旧フリーニョ修道院の食堂に描いた1480年の作品とフォリーニョ、フランチェスコ第三会修道院の1493年～1496年に制作した二つがあり、フィレンツェの方が有名で見た方が多いと思いますが、ここではフォリーニョの作品を取り上げます。何故なら、今度の「早春の旅」でこの作品を見るからです。(修道院及び作品が修復中でなく、修道院が開いていればの条件付きですが）
二つの作品は殆ど同じで区別がつきません。構図ではカスターニョやドメニコ・ギルランダイオと同じで、ユダだけがこちら側に座り、キリストと使徒たちは横一列にテーブルの向こう側に座っています。

この作品でも聖ヨハネがキリストの横で眠っています。「貴方方のうちの一人が私を裏切ろうとしている」との衝撃的な言葉の中で、寝ているとは少し合点が行きません。その発言の前の情景を描いたのでしょうか？ジョットのスクロヴェーニ礼拝堂の「最後の晩餐」でも聖ヨハネは寝ていますよね。