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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2014年05月17日 07時46分34秒

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    リナシメント芸術家(59) フランチェスコ・グラナッチ

    今回は、フィレンツェのマニエリスム最初期にトスカーナ各地、ローマなどので活動したフランチェスコ・グラナッチを取り上げます。

    Francesco Granacci(1449バーニョ・ア・リポリ生まれ-1543フィレンツェで没):フィレンツェ生まれの説もありましたが、近年、バーニョ・ア・リポリのヴィッラマーニャで記録が見つかり、フィレンツェ説は過去のものになりました。
    ドメニコ・ギルランダイオ工房で修行中に若きミケランジェロがドメニコの工房にやってきました。その時、フランチェスコはミケランジェロに画家になるように勧めました。ドメニコ工房で二人が修行するうちに友人となり、1508年、ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂のフレスコ画制作の注文を受けると、フランチェスコを助手として採用しました。しかし、ミケランジェロはフランチェスコの技量未熟に閉口して、採用後、僅か一か月でフランチェスコを解雇してしまいました。このことが切っ掛けで二人の仲が疎遠になったとの説もありますが、友人としての関係はその後も続いたという説もあるようです。
    ローマからフィレンツェに戻ったフランチェスコは、自分の工房を構えましたが、かなり繁盛したようです。
    彼の画風ですが、基本的には当時の有名画家のスタイルを真似て器用に仕上げることだったので、独自性が殆ど感じられません。具体的には、初期のころは、ドメニコ・ギルランダイオのスタイルでしたが、直ぐにフィリッポ・リッピのスタイルに転じました。その後、ペルジーノ風の作品もあり、更に一時期、ミケランジェロの物まねに移りました。この時の作品帰属を巡って議論されたことがあり、フランチェスコの作品がミケランジェロ作と帰属されたことがありました。
    ローマから戻ると、フラ・バルトロメオの強い画風に転じました。
    ルネサンス期の時代、フランチェスコのように有名な画家のスタイルを真似ることは、注文主を満足させるために普通に行われていました。それが容易に出来る、つまり、一言で言えば器用な画家だったのです。
    では、彼の作品を見てみましょう。

    「聖母子と聖フランチェスコと聖ゼノビウス」(1515c) フィレンツェのアッカデミア美術館にあります。
    これはペルジーノ風ですね。

    「聖母被昇天」(1517-19) アメリカ、サラソータのリングリング美術館の所蔵です。
    フラ・バルトロメオ風でしょうか。

    「監獄に連行されるヨセフ」(1515) ウッフィツィ美術館にあります。

    「フィレンツェに入るカルロ8世」(1518) これもウッフィツィ美術館にあります。
    この作品には独自性が少し感じられました。

    「受胎告知」  イギリス、バースのCorsham Courtの所蔵です。

    「聖家族と聖ジョヴァンニーノ」(1500c) ホノルル美術館にあります。

    「甲冑を着た男の肖像」(1510c) ロンドンのナショナル・ギャラリーで展示されています。
    この作品が彼の最も有名な作品だと思います。

    この他に私が見た作品で記憶にあるのは、次の2点です。
    ウッフィツィ美術館:「ファラオに父と兄弟を紹介するヨセフ」(1515)
    パラティーナ美術館:「聖家族」

    「甲冑を着た男の肖像」以外は、一見しただけでは誰の作品なのか、全然分かりませんが、顧客の要望に応じて制作するために、次々とスタイルを変えることが出来た点が寧ろ彼の特徴なのでしょう。

    話が全く変わりますが、明日から丁度一週間の予定で、ルネサンス関係の集会出席のため、フランドル地方に行ってきます。国名で言えば、オランダとベルギーになります。
    今年のテーマが「北方ルネサンス」で、しかもイタリア以外の地での開催なので、当初は欠席を考えていましたが、友人から勧誘を受けたのと、年に一回の顔合わせで色々な話ができて勉強になるので、一転して出席することにしました。
    この掲示板ですが、原稿を書いてアップするように依頼したので、運が良ければ更新できると思います。

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    Yuko

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