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  • from: 倭寇の末裔さん

    2018年12月21日 11時38分06秒

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    アメリカ政府の三大ミス

     専門の政治家が結集する政府といえどもミスを犯すことがある。ここ半世紀でアメリカ政府が犯した大ミスは三つある。
     その第一は、ベトナム戦争である。
     ベトナムに共産主義の政権が発足したのは1969年だが、そのベトコンの勢力拡大を懼れて1969年にはアメリカが、ベトコンの掃討戦闘を行なっている南ベトナム政権を支援して軍事介入し、米軍を投入したが、国民大衆が支援しているベトコンに追われ、1975年サイゴンが陥落し、米軍は撤退を余儀なくされた。これは米国史上はじめての敗戦だとされている。
     この米国介入は、中ソに発する共産勢力がその勢いを増し、徐徐に南下してインドシナ半島を席巻し、東南諸国まで共産化されるかもしれないというドミノ現象を憂慮したアメリカがその阻止のためにやった軍事介入であつた。
     米軍撤退により、北ベトナムはベトナムを統一し、共産政権ほ樹立したが、1991年のソ連崩壊、共産圏の消滅で、今日では、共産党独裁ながら穏健な国家となつている。
     その第二は、アフガン戦争である。
     アメリカは、01年のアルカイダのサダム・フセインによる同時多発テロの報復として、同年10月アルカイダの根拠地であるアフガンを攻撃、アフガンを支配していたタリバンを2ヶ月で制圧し、新政権を樹立した。しかし、新政権の支配力は弱体で、オバマ政権時代に米軍勢力の縮小後タリバンは勢力を盛り返して、現在は複数の州を制圧し、反政府テロを散発させている。
     タリバンはしぶとい勢力なのだ。
     1979年ソ連時代に、ソ連のブレジネフ大統領が、アフガンを支配していた親ソ政権を支援するためにソ連軍を投入してイスラム過激派ゲリ、タリバンを攻撃させたが、10年も掛けても成果が上がらず、撤退したと言う事実があるのだ。こうして、タリバンは世界の二大国に勝利したということになつたのである。
     その第三は、イラク戦争である。
     1990年8月、イラクのサダム・フセイン大統領が油田を奪取しようとクエ-トに侵攻した。91年1月、この侵略を排除するためにアメリカを中心とする国連軍が投入され、2月末までにイラク軍を排除した。これが、湾岸戦争で、この闘いは正当なものであった。
     ところが、その後イラクは大量破壊兵器を持って近隣諸国を制圧しようとしているとの疑惑が上がり、国連が現地調査に乗り出したのだが、その調査結果を待たずに、02年3月、イラクが大量破壊兵器を持っていると断定して米英軍中心にイラクに侵攻し、1ヶ月でイラクを制圧したのである。しかし、大量破壊兵器は出てこなかった。アメリカの早とちりであったのだ。
     この戦闘では20万人もの民間人が犠牲になり、その時使われたウラン弾による放射線被曝被害は今日まで続いているのである。

    この三つのミスは、人間に喩えれば「不安神経症」の症状である。不安神経症という病は、当人の神経が繊細すぎて、過度に用心深くなって、病気に罹っていなのに、病気だと思って心配するという病だが、共産主義やテロを過度に怖がって先走った対応をした結果である。
     米国にはCIAという強力なスパイ組織があり、全世界に諜報網をはりめぐらせて、細大もれなく情報をキャッチしているのにもかかわらず、このような判断ミスをするのは、世界トップの富裕国であるが故の過敏神経症になっているからなのかも知れない。

     
     

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