世の中には、世話焼き好きの人が稀にいる。それは決まって中年過ぎの女性である。
　他人の病気を知って、自分が知っているかぎりの薬や医師に関する情報を伝えたり、そのフォロ－を熱心にやるのである。
　が、このような親切を受けた人が、やってくれた人に何かのときに、同じようなことをするか、というとそれはまずない。
　因果応報、という形にはならないのである。そのお節介やのおばさんは、それを期待するわけいはないから、相変わらずお節介をやり続けるのである。
　この場合も「互助」という型には当てはまらない。
　しかし、「慈善」という行為は「互助」ではない。カネのあるものが貧者に恵むという一方通行の行為だからである。
　それでは、「互助」なんて言う行為はないのかといえば、あるのである。昔の下町の、風習がまさしく、「互助」に該当するものであったとい言えると思う。