英仏での権力と民衆の戦いと憲法の歴史的経緯をざっとみときたが、最も影響力が大きかったのは、英国のウィリアム三世が受け入れた「権利章典」であろう。
　ここで規定されている、「議会の同意を得ない法律の適用免除・執行の停止、議会の同意なき課税、平時の常備軍の禁止、議会選挙の自由、国民の請願権の保障、国王の議会招集の義務、議会における議員の免責特権、人身の自由に関する諸規定」などの精神は、憲法の原点として今日まで引き継がれているのだ。
　現在の日本国憲法の９７条に「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年に亘る自由獲得の努力の結果であって、これらの権利は、過去多数の試練に耐え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利ーとして信託されたものである」と明記されているのはそり精神を謳歌したものである。