アメリカも表面的には、日本の集団的自衛権行使に賛成はしているが、それによって、阿倍政権が同盟国面して、中国と事を構えるようになることは迷惑至極なのだ。
　米中関係は、経済的には、日米関係よりも遥かに重要だから、その関係に水を差されるようなことはされたくないからである。
　阿倍の本丸は、右傾化の更なる促進と憲法改正だが、そこまで固執させているものは何か。
　それは、彼の祖父岸信介が達成できなかった悲願である憲法の改正を是が非でも成就させたいという凄まじい執念であると思う。
　それは、太平洋戦争の原因となった、満州、中国への侵略を否定したり、極東軍事裁判に疑義を挿んだりしていることからも明らかなのだ。
　彼が、靖国神社参拝に固執するのも、それと軌を一にするものであろうと思う。
　また、彼が昭和２９年生まれで、本当に戦争の悲惨さを知らない世代であることも、戦前回帰的な考え方と無関係ではないかも知れない。
　自民党の中にも、阿倍の右傾化暴走に釘を打とうとする古参の大物はいる。古賀誠や加藤紘一である。が、大多数の自民党議員は、阿倍に睨まれて、弾かれることを恐れて阿倍の言いなりに追随しているのである。