そういうことが有り得ないとすれば、どうするか。
　自分は政治のことは分からないから、選挙は棄権するという者は関係ないが、分かっているつもりになって、おかしな投票をする者が一番困るのである。
　今の自民党支持者の多くはそれに該当する。
　しかし、これらの者を一斉に洗脳して、正しい政治感覚を持たせることは不可能である。
　お前の考え方はおかしいから、投票するなということも出来ない。かって、森首相のときに、若者に反対する者が多いてみた首相が「投票日に、みんな寝込んでくれればよいが」と思わずつぶやいて物議をかもしたことがあるが、政府に有利な投票を期待しようとする気持ちはよく分かる。
　また、投票の仕組みを変えて、一票を分割して、投票するという方法をとったら、という説もある。
　分割して複数の候補者に投票してもよいし、誰か他の人に投票権を譲ってもよい。それによって、きめ細かく意思表示が出来るようにするというのである。
　そうしてみたところで、元になっている考え方自体がおかしければ、投票結果は何も変わらないのだ。
　最も望ましいのは、優れた識見と国家ビジョンを持つ政治家が指導者となって、民意を踏まえながら、これに迎合するのでなく、短期。長期の展望に基づく政策を国民に納得させ、これを実施する政治であろう。
　このような、しっかりした心棒のある民主主義こそ現実的な民主主義の姿ではないのか。