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  • from: 倭寇の末裔さん

    2015年06月12日 09時25分35秒

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    故郷慕情 (3)

     詩人であり、小説家でもあった犀星は金沢市の犀川のほとりに生まれ、育った。21歳のとき文人を目指して上京したが、食いつめると帰郷し、何度も金沢、東京間を往復していた。が、帰郷しても冷たい仕打ちしか待っていなかったようである。
     「ふるさとは遠きにありて思うもの」の言葉は有名だが、それはその頃詠んだ詩の一句である。
     ふるさとは遠きにありて思うもの
     そして悲しくうたうもの
     よしや
     うらぶれて異土の乞食となるとても
     帰るところにあるまじや
     ひとり都のゆふくれに
     ふるさとおもい涙ぐむ
     そのこころもて
     遠き都にかへらばや
     遠き都にかへらばや
     傷心の帰郷に冷たい仕打ち、その心情を切々と詠っている。
     変わらないのは自然だけであった。
     
     



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