その手口もより巧妙になり、バラエティに富んできていることもあるが、そのような自体に遭ったときのに人間心理の動揺につけ込む犯人の巧妙さが上回っているのであろう。
　その心理の動揺は、そのような事態に上手く対応するやり方は分っているのに、それを出来なくする何ものかがあるのである。その瞬間に頭が真っ白になって、犯人の云う通りに動かされてしまう心理である。
　これは、過去の苦い経験が活かされない事例の一つにはなるであろうが、一寸違う。忘れた頃に来る天災なら、過去の経験も色あせ、忘却されているから、経験が活かされないことはやむを得ない面もあるが、振り込め詐欺事件は毎日のようにどこかで発生しており、NHKなどでは、毎日「私は欺されない」という番組で、いろいろな欺しの手口とその対策を放映しており、その回数もう５百回を超えているくらいだから、周知徹底しているのである。
それなのに、欺され続け、被害金額の記録を更新続けさせているものが何か。
　それは後述することにしよう。