ピノチェトは１９８８年の国民投票で大統領不信任が成立して罷免されたが、それでもなお１９９３年まで軍の総司令官として影響力を行使したのである。
６ベネゼエラのチャベス
　１９５９年以来、石油収入を背景に、「ベネデモクラシシア」と呼ばれた民主化が、富裕層と中間層中心に確立されていた。
　しかし、経済的格差、経済の衰退で貧困層に対するポピュリスモ政策を訴えたチャベス元中佐が１９９９年に大統領に当選した。
　チャベスは、激しい反米を唱え、石油産業を国有化し、社会保障と、教育重視政策を取って、無料診療所、学校教育の無料化、非識字者のための補修教育制度の設置に注力した。
　このような既得権奪取の政策に軍部、富裕層が反発し、アメリカのCIAの支援によって、０２年にク－デタ－が起こり、数日間、身を隠したが、国民の大デモによって政権を取り戻した。
　チャベスは、貧困層を中心とする国民の絶大な支持を背景に、終身大統領を目指しているという。