2西山事件
　１９７１年、敗戦以来米国の委任統治下におかれていた沖縄が日本に返還された。
　その際、将来沖縄の米軍基地を撤収される場合の、基地の復元費用は、米軍が負担するという取り決めがさなれた。
しかし、その後、日米の話し合いで、当時の佐藤栄作首相は、これを日本側が負担するという密約を交わしていたのだ。
　当時、毎日新聞記者であった西山太吉は、この密約があることを嗅ぎつけ、その証拠となる外交文書を、外務省の女性事務官から入手し、社会党議員に渡して、国会で質問させたのである。
　外務省は、その文書が公式のものであることは認めたが、密約そのものは外交機密であるとしてノ－コメントで押し通した。
　ところが、この事件は、西山記者が女性事務官と情を通じて、入手した不道徳な点に焦点を当てて、起訴され、結局、密約問題は影に隠されて、単なる公務員法違反事件に矮小化されてしまったのである。