素直に考えれば、価値は、真、善、美や愛、仁、嬉、満足のように個人を超えた一般的、普遍的なよきもの、役立つもの、人間の肉体的、精神的な欲求を満たすと認められるものと言うことになろう。
　このような価値観は、人に育成過程環境、教育、経験によって、影響され、違ってくるものである。
　その過程はともあれ、ともかく、基本的な倫理や道徳を守ろうとする意識とは別に、人が自然にそれを良いことと思って、それに沿ってやっていることが価値観であると思う。
　そう考えてみると、今の日本人の価値観一体何なのか。
　戦前は、現神(あきつかみ)としての天皇に対する崇敬とか愛国と、男なら男らしく勇敢強靭に、女なら女らしく、良妻賢母になるということが日本人の価値観であったと思う。
　信仰心の篤いキリスト教徒やイスラム教徒なら、バイブルの訓えや隣人愛とか、アッラ－の訓えコ－ランが、最高の価値観になるであろうが、無宗教の日本人には、そのようなものはない。
　
　こう考えると、地縁、血縁の絆も薄れてしまっている今の日本人の価値観は「安定した仕事と生計の資を得て、安定した健康な生活を送ること」ということになるのではなかろうか。