・世界はイスラム国殲滅に躍起だが
　クトゥプ主義というのがある。
　クトゥプは、エジプトのムスリム同胞団の理論的指導者だが、彼はイスラム原理主義についてこう言っている。
　「イスラム教国の世俗化、西洋化、共産化を志向する指導者が統治し、腐敗と圧政が蔓延する現世は、イスラム教成立以前のジャヒリ－ア（無明の世界）と同じであり、武力を用いてもジハ－ドにより真のイスラム国家の建設を目指さねばならない」
　これがイスラム原理主義の原点であると思う。
　イスラム国はこれを目指しているのである。だから非イスラムの欧米を目の敵にする。
　それは分からないでもないが、問題は、その欧米敵視のやり方の言語を絶する残虐さである。
　欧米人の普通のジャ－ナリストやＮＰＯ活動家、国連の人道支援活動従事者などを捕らえて、斬首する動画をインタ－ネットで公開するとか、その生首を晒して、これもネットで流すなど、見ていられない残虐非道さである。
　前述のイスラム国の残忍な統治ばかりではなく、このような行為に、世界中の国が怒りに震え、イスラム国の殲滅に躍起になるのは当然である。
　こうして、現在では世界中の国がイスラム国殲滅に動いているが、これまでの経緯は複雑を極めていた。