このような中ロの後ろ盾もあって、シリアの内戦は一進一退の状態が続き、国土は破壊され、２００万人もの難民を輩出している。
　この混乱に乗じて、漁夫の利を得ようとして、武力介入を行っているのがＩＳＩＳである。
　ＩＳＩＳは前述のように、豊富に資金と外国人ジハ－ド戦士希望者の参加により、優勢に進攻し、支配地に対しては過酷極まる原理主義的なイスラムの戒律を押し付け、恐怖支配をし、勝手にイスラム国を宣言したのだ。
　この残虐非道なイスラム国の所為に対しては、当初は支持をしていたアルカイダも呆れ果てて関係断絶を宣言した程である。
　しかし、イスラム国を殲滅するには、次の三つの難題がある。
　１現在アメリカを中心に、ＥＵ、カナダ、オ－ストラリアが実施している空爆だけで、イスラム国を殲滅させるのは不可能で、地上軍による攻撃が必須だが、それをどこでやるかである。国連が決議すればよいが、中ロが安保理で拒否権を発動するであろうから、これはイラク戦争と同様に有志連合でやるしかあるまい。戦争続きで国民も嫌気が差しているなかで、その決意ができるか否かだ。
　２外国人のジハ－ド戦士希望者をどう食い止められるかである。