影響要因はこの五つであると思うが、次に決定要因を挙げてみよう
１ムスリムの土地に対する侵略者即ち、異教徒、白人に対する憎悪と復讐心を持ち、イスラムを復活しようとする意識
　ＩＳは「十字軍」という言葉よく使う。十字軍は、中世期に、キリスト教の聖地エルサレムをイスラム教徒から奪回しようとして欧州諸国軍から編成された遠征軍だが、その後の欧州による中東支配をこの言葉で表しているのである。その象徴はイスラエルであろう。これを排除して真のイスラムの国を建設しようという意識である。
２ムハンマドが、７世紀にイスラム教が創設した当時のイスラム帝国の状態に戻し王道楽土を築くこと、それが神の意思であるという考え方
　イスラム教の祖ムハンマドがイスラム教を唱え、広大なイスラム帝国を建設し、その版図がアフリカからインド、東南アジアまで及んだ頃の隆盛を取り戻したいという思いである。これは、キリスト教の白人支配を撥ね除けたいというムスリムの願望であろう。
３真のイスラムは剣によって築かれるという思想
　ユダヤ教やキリスト教などの一神教を含め、他の宗教や宗派を支配し、改宗を強制し、それに従わねば殺害することを神から許されているるという意識である。