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イタリア!小さなまちと田舎の旅

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  • from: ぐら姐さん

    2009年03月04日 20時05分55秒

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    ブッセート

     最近の旅のレポートは、前回で終わりました。いつもなら3月末にはイタリアにちょこっと出かけてくるのですが、今年は事情により行かないことにしたので、昨年、ネガからデジタルデータ化した昔の旅の写真を、少しずつエピソードを交えてアップしたいと思います。

     冬は冬らしいもの、夏は夏らしいものを心がけますが、昔は春と秋には行っていませんでしたので、季節外れになることも多々あるでしょうが、ご容赦を。しかもフィルムで撮っていた頃は、ほとんど自分が写っていて、遠目のものならそのまま載せたりしますが、アップのものは、ちょっと加工させていただいたりもします。

     さて、ブッセートなんて聞いたこともない方がたくさんいることでしょう。ここには、生ハムの王様、クラテッロを食べるために行きました。'02年の冬のことです。

     この年は、ボローニャにキッチン付きの部屋を1週間借りて滞在し、近くのまちを訪ね歩きました。ボローニャは、フィレンツェとミラノの中間ぐらいにあるエミリア・ロマーニャ州の州都で、交通の要衝となっているため、ここからあちこちに出かけるにはとても便利なのです。エミリア・ロマーニャは美食の都で、近くにはモデナや、パルマもあり、食もかな〜り楽しめそうなことも、この街を選んだ理由です。

     さて、ボローニャから列車で北西に進み、パルマの少し先に、フィデンツァという駅があります。そこで列車を乗り換えて、ポー川の方向に向かったところに、ブッセートがあります。
    http://www.paesionline.it/emilia_romagna/busseto/mappa_busseto.asp

     ブッセートは無人駅で、駅前には何も無く、もちろんタクシーも待機していません。駅前の通りを少し行くと小さなバールがありました。
     
     このブッセートから3kmほど行ったところに、ズィベッロZibelloという村があり、この辺りでクラテッロを作っている8つの村のうち、ここのものが一番美味しいと言われているのです。

     「美味しんぼ」で、このズィベッロにあるクラテッロ協会の会長がやっている店があると知り、滞在中の1日を使って昼食を食べに出かけたというわけです。

     駅で列車を降りて、歩くこと10分ほど。まちの中心部に着きました。普通の小さなまちで10分もかからずにチェントロを一周りできそうです。

     このまちは、作曲家ベルディの出身地だそうで、その名を冠したジュゼッペ・ベルディ劇場がありました。
     
     何でも、収容人員は300名だそうで、とても小さな劇場なのですが、新人歌手の登竜門として知られるコンクールがおこなわれるのだそうです。

     私と友人は、このときそそっかしくて、店の名前が載っているコピーを持ってくるのを忘れていました。でも、きっとハムサラミ屋で聞けば分かるだろうと思って、見つけた店に入り
    「クラテッロ協会の会長のレストランの名前をご存知ですか?」
    ときいたら、
    「ああ、カヴァリーノ・ビアンコね。」
    と教えてもらえました。

     よし、これでタクシーを見つけて店の名前を言えば、きっと大丈夫!とタクシーを捜しに行きましたが、劇場の辺りがチェントロ中のチェントロと言う感じなのに、タクシーが待機していないかと探しても、全然見つかりません。

     近くのバールでタクシーを呼べないか聞いてみたら、バールのオヤジさんが、
    「このまちにはタクシーが1台しかなくてね、向かいの宝石屋のダンナがやってるから、行ってみてご覧」
    というので、宝石屋に行って、タクシーをお願いしたいと言うと、
    「ごめんなさい。今日はパルマに行っているので、タクシーはないのよ。」
    と言われてしまって…

     場所も知らないし、適当に3km歩くわけにもいかないし…。でもここで諦める私達ではありません。電車を乗り換えたフィデンツァなら、少し大きなまちなのでタクシーを呼べるに違いないと、店までは遠くなるものの、フィデンツァに戻ることにしたのでした。つづく。 

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from: ぐら姐さん

2009年03月06日 01時53分02秒

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「カヴァリーノ・ビアンコへの遥かなる道」
 さて、ブッセートの続きです。20分ほど待てば来るはずの電車が来ません。しばらく待っても来ません。私達のほかにも4、5人地元の人が待っているのに全然来ません。無人駅なので、列車遅延の放送もなく。

 やがて待っていた人たちが、まちのほうへと行ってしまいました。私達は、とにかく待つしかないので、暇だから待ちぼうけ写真なんて撮っちゃいました。
 

 そして待つこと1時間半。もう次の列車が来る時刻です。そうしたらさっき待っていた人たちがまたやって来ました。どうやら1本列車を間引かれたと判断して、バールでカフェでも飲みながら温まってきたようです。何せ12月下旬の火の気のない無人駅ですからね。やっと次の列車がやってきました。やれやれ。

 乗ればあっという間にフィデンツァに着いたのに、乗るまでの待ち時間の何と長いことでしょう。ああ、これがイタリア。イタリアでは、国鉄と郵便局にはけっこう不満が募ります。

 フィデンツァの駅前には、タクシー乗り場がありました。でも、車は待機していなかったので、待つことに。(当時は、携帯電話をもっていなかったのです。)ここも、待っても全然来ません。

 困ったなぁ…と思った頃に、私達の後ろに1人のシニョーラが並びました。そして彼女は自分の携帯で、タクシーを呼んだのです。そして、「もう1組、客が待っているから、2台お願いね。」なんて言ってくれています!

 少し待って車が来たら、そのシニョーラは「私の方が後だから」と、私達を先に乗せてくれたではありませんか!!!感激です。お礼を言って、カヴァリーノ・ビアンコへ向かいました。(タクシーの運転手には、レストランの名前を伝えただけで、すぐに分かってもらえました。)

 乗ってしまえば田舎道をすいすい走り、ものの20分もかからずにレストランへ着いたのでした。そのレストラン、本当に周りには何もありません。
 

 時刻はすでに3時。いくら食事時間が遅いイタリアとは言え、もしかしたら、ラストオーダーが終わっているかもしれません。店に入り、おそるおそる聞いてみると、もうお湯を落としてしまったので、パスタは無理だけど、それ以外なら大丈夫とのこと!よかった〜!!だって目当てはクラテッロなのですもの。

 クラテッロは、霧と寒さのある10月から翌年の2月までしか生産することができず、エミリア=ロマーニャ州およびロンバルディア州で、別途規定された方法で育てられた豚のお尻の肉の上質の部分のみが原料になります。

 整形した肉に岩塩をすり込み、まるめてひもで縛った後に豚の膀胱に詰め、さらにひもで縛り上げつるして20〜24ヶ月間熟成させます。熟成庫で床にワインをまき、生ハムの風味づけと湿度の管理をしているのだそうです。クラテッロの熟成には湿気と寒さが必要なため、それに適したポー川南側の8つの村でしか作れない、本当に貴重な生ハムなのです。

 席に着き、1人1皿ずつのクラテッロと、店の人が進めるポー川で獲れた魚のフリットをいただきました。うおぉぉぉと感動するほどたっぷりとスライスして盛り付けられたクラテッロをじっくりと味わって食べながら、ここらの名物の発泡赤ワイン、ランブルスコを2人で1本。川魚を味わいながら、少し癖のある魚に合うと言う別の赤ワインをもう1本。食後酒もいただいて、2人とも本当に満足感に包まれました。

 店の人も遥々訪ねて行ったことを喜んでくれて、5時ぐらいまでゆっくりさせてくれました。来た時に乗ったタクシーに2時間後にきてもらうように頼んであったので、それを待つ間に、とても感じの良かったお店のオネエサンと入り口のカヴァリーノ・ビアンコ(白い仔馬)のところで記念撮影。
 

 フィデンツァの駅に着いたときには、もう日も暮れていました。
 

 お昼ごはんを食べるために1日がかり。なんてアホな…、旅行の1日がもったいない…と思われるかもしれませんが、私と友人にとっては、いろんな意味で忘れがたい1日となりました。旅行は1日1イベントでのんびりと、というのを旅の基本にしていますが、こんな1イベントがあってもいいかなと思っています。

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