司教の懐に入ったのか、さらに市当局の有力者にも金が流れたのか、その辺が全く分かっていないのです。ピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリストの洗礼」の売却に纏わる話は伏せられていたからです。
23,000ポンドで売却されたとされてますが、それよりも非常に安い金額で売られたという説が有力とされてます。ピエロの作品なので、「23,000ポンドにしないと格好がつかない」ということで、後世に実際の取引価格よりも高価にしたというわけです。

サンセポルクロの旧サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会です。



教会の案内板です。



ピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリストの洗礼」の説明板が旧教会の建物の横にあります。


サンセポルクロ市立美術館で展示されている「サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会の多翼祭壇画」です。
中央の空白個所にピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリストの洗礼」がありました。

マッチンさん、

コメントを拝見し、

＞ロンドンのナショナルギャラリーにピエロの代表作の一つ「キリストの洗礼」があります。これはサンセポルクロの旧サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会の主祭壇を飾っていた多翼祭壇画の中央パネルでした。

ここまで読んで、かつてナポレオンがイタリアの多くの美術品をフランスに持ち帰った話を思い浮かべました。
これもナポレオンが？？？と思いましたが違ったのですね。

＞中央パネルだけをイギリス商人に売却しました。イギリス商人がナショナルギャラリーに贈呈して現在に至ってます。司教のピエロ作品売却についてはサンセポルクロ当局の暗黙の了解があったとされてます。

びっくりです！当局の暗黙の了解があったということは、そのお金が、司教の懐に入ったわけではなく、教会やまちのために使われたのでしょうか…
途端に嫌な顔をして口をつぐむ人たちがいることも頷けることですね。

市の紋章がピエロのキリスト復活で、公用車にもそのマークが使われていましたが…

ロッビア一族の作品は「彩釉テラコッタ」と呼ばれてます。
粘土で作った彫刻を一旦焼き上げてから（焼かれて出来た彫刻がテラコッタです）、テラコッタの上に透明なガラス製物質を塗ってから、さらに釉薬を重ねて塗布し、それを低温度で焼き上げたものが「彩釉テラコッタ」です。

ロッビア一族の「彩釉テラコッタ」作品を最も多く見ることが出来るのはフィレンツェのバルジェッロ博物館と思います。

＞街の入り口の表示には、「ピエロ・デッラ・フランチェスカのまち」とあり、このまちの人たちがいかに彼を誇りにしているのかが伝わってきました。

その通りなんですが、ピエロ・デッラ・フランチェスカの「キリストの洗礼」の話を聞こうとすると、途端に嫌な顔をして口をつぐむ人たちがいました。

ロンドンのナショナルギャラリーにピエロの代表作の一つ「キリストの洗礼」があります。これはサンセポルクロの旧サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会の主祭壇を飾っていた多翼祭壇画の中央パネルでした。中央パネル以外はサンセポルクロ出身のシエナ派画家マッテオ・ディ・ジョヴァンニが制作しました。（マッテオも当時の有名画家）
後に司教がサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会に命じて、多翼祭壇画を取り外してサンセポルクロ大聖堂に移動させて、司教の管理下に置きました。その後、司教は中央パネルだけをイギリス商人に売却しました。イギリス商人がナショナルギャラリーに贈呈して現在に至ってます。司教のピエロ作品売却についてはサンセポルクロ当局の暗黙の了解があったとされてます。
中央パネルが欠落した多翼祭壇画がサンセポルクロ市立美術館が展示されてます。

teruteruwasiさん、

デッラ・ロッビアの工房の作品は、彫刻みたいですが、陶板なのです。彫刻の仲間ではあるのでしょうが。
フィレンツェでも、けっこう目にすることができます。

彫刻がいいですね、生で見てみたいです

トスカーナの17は、サンタフィオーラです。
車で、サン・ジミニャーノ方向に向かっているときに、偶然通りかかって立ち寄りました。
まちの入り口にこんな看板があったのです。

全然知らないまちです。
どんなまちなのか、橋を渡って旧市街へ行きました。

橋からの眺め。

旧市街に入りました。

ちょっと角を曲がってみたら、お花屋さんがありました。



その先に、教会が見えました。

ロマネスクの教会のようです。

中に入ってみて、びっくり。
デッラ・ロッビアの工房の作品がたくさんありました。















見晴らしのいい場所がありました。



またまちの中を通って車に戻りました。

サンセポルクロの続きです。
まち歩き写真。

冬





冬でも、2度目の時はお天気が良くて、印象が随分違います。







最初の時に、泊った宿のリストランテで食べた時の料理をいくつか。
リンゴとクルミのサラダ

トルテッリ･イン･ブロード

セコンドは、野生のフィノッキ（フェンネル）の香りをつけた豚のロースト。

コントルノは野菜のアル・ヴァポーレ（蒸し）

店のおじいちゃんがとてもいい雰囲気で

ドルチェのお薦め担当みたいでした。
ワゴンで色々来るので危険。目が食べたくなってしまうのですもの。

4種盛り合わせてもらいました。

朝食も素晴らしかったです。

宿のお母さんはとてもやわらかな雰囲気の素敵な方でした。

というわけで2度目の時には、この店で昼食をいただきました。
白トリュフのタリアテッレ

他にもいろいろ食べて2度とも満腹になりました。

3度目の5月に行った時の写真は少ないです。

トスカーナの16.は、サンセポルクロです。

3回訪れていますが、初回は’09年冬。
それ以前の数回の旅で、ピエロ･デッラ･フランチェスカの作品をウルビーノ、フィレンツェ、アレッツォで見て、生まれがアレッツォの近くのサンセポルクロで、そこの市立美術館にも作品があることを知り、是非行って見たいと思って、’09-’10年冬の旅で訪れてみることにしたのでした。
（多分、ミラノのブレラでも見ているのだけど、その頃あまり興味がなかったので記憶にありません）

2回目は、’11年冬にアレッツォから日帰り、そして3回目は’14年5月にアレッツォの語学教室に2週間だけ通った時の半日遠足でした。

アレッツォからバスで行ったのですが、平日だと結構な本数があるのに、この日は日曜で便数激減。
あれやこれやでトータル２時間ほどのロスで、できれば途中にあるモンテルキで降りて、「出産の聖母」を見てからまたバスでサンセポルクロへ向かいと思っていたのですが、バスがないし、翌日は月曜だから多分美術館は休み...ということでモンテルキはこの時の旅行では諦めたのでした。

サンセポルクロは、ちゃんと産業もあるそれなりに大きな新市街のある街のようで、旧市街は丘の上ではなく、城壁に囲まれているだけなのでした。バス停ではなく、とりあえずターミナルもあり。

街の入り口の表示には、「ピエロ･デッラ･フランチェスカのまち」とあり、このまちの人たちがいかに彼を誇りにしているかが伝わってきました。

まず訪れたのは市立美術館。
「ミゼリコルディアの聖母」

当時使っていたカメラの手ぶれ防止機能がイマイチだったのか、ぼやけていてすみません。

このゆるぎない構図、聖母の、大きく包み込み且つ凛とした強さのある表情。来てよかった...これを見ただけでそう思いました。

「聖ユリアヌス」

ほかに「キリストの復活」なども見て、大満足。
出掛けに係の方に聞いてみたら、月曜も開いているとか。
なあんだ、それならモンテルキに寄ってくればよかった、と思ったりして。（事前の調査不足でした）

この美術館は、太っ腹で、現在の入り口とはちがいますが、本来この建物の入り口と思われる場所をガラス張りにし、木の扉を開いて、ここを通る人が、正面に展示されている「キリストの復活」を見られるようになっていました。

翌日このガラス越しに撮った「キリストの復活」です。

ドゥオーモの鐘楼と、サン･フランチェスコ教会の鐘楼は、双子のようでした。



ドゥオーモにあるペルジーノの「キリストの昇天」。

８〜９世紀に製作されたと言われる十字架像。

死んだ裸体ではなく、コロビウムといわれる服を着て、大きな目を開けているキリスト像は、「死に対する勝利」や「司祭であり王であるキリスト」を表現したタイプだそうで、「聖顔」と称されるのだそうです。

泊まったB&Bが料理宿と言った感じで、（夕食はそのリストランテで食べたのですがそれはまた次回）、そこのお母さんがとても素敵な人で、このまちの見どころを地図に印をつけながら教えてくれたので、それに従って見て回りました。

サンタ･マリア･デッレ･グラツィエ教会でマドンナ･インチンタ（身重の聖母）

おかあさんお薦めの１つ、サンタ・マリア・デイ・セルヴィ教会は、残念ながら閉まっていて、横にある宿泊施設の方の呼び鈴を押したら、今日は終日開かないよと言われてしまいした。
サンタ・マリア・デイ・セルヴィ教会には、ピエロの弟子が、出産の聖母を模して描いた小さなフレスコ画があるそうで、お母さんが地図の横に図を描いて、「ここの通路のこの向きのところに描いてあって、暗いので携帯電話か何かの灯りで見るようなところだけど、本当にきれいよ。」
と熱心に話してくれたので、見られないのは本当に残念でした。
その後行った時も見られずじまいで、またいつか行く機会があったら是非とも見たいと思っています。

次のサン･ロレンツォ教会も扉は閉まっていましたが、見たい人は、５番地の呼び鈴を鳴らしなさいという表示があったので鳴らして、インターフォン越しに、中を見たいとお願いしたら、入り口で待っていてくださいとの声。

２、３分待つとおばあちゃまのシスターが、静かなゆったりとした物腰で、扉を開けてくれました。

ここにあるのは、ロッソ･フィオレンティーノの「十字架降下」

自分一人だけのために開けてもらって、じっくりと見ることのできる空間、時間がとても贅沢なことのように思えました。

その次は、サンタントニオ教会へ。
とても小さな教会で、ここも閉まっていましたが、

この写真を撮っているときに、通りかかったこの教会の管理人らしき人が、中を見たいのかい？今開けてあげるよ、と鍵を持ってきてくれました。



小さな教会で、日本のガイドブックには出ていない絵なのですが、親切に開けてもらって、一人でじっくりみることのできることをとても幸せなことだと感じました。

まちの写真も少し載せますね。
ナターレの時期の夜です。







明るい時間のまちの写真や食事なども載せたいので、次回に続きます。

マッチンさん、

＞ドゥオーモではなくサンタゴスティーノ教会と思われます。

ありがとうございます。
確認し、訂正しました。

＞私は静寂に包まれたサンジミニャーノを堪能するために城壁内に泊まるのがお勧めです。

そうなのですね。
これまでにシエナなど、日本人が比較的日帰りで訪れているまちで泊まって夜も朝もひと気の少ない時間に歩くのがいいと思っていました。
サン・ジミニャーノには、日帰りで行ってみて、小ぶりのまちなのであまり散歩のし甲斐がないように思えたのですが、ちゃんと堪能できるのですね。
泊まってみたいです。

本当に❣　行きたーい❣

私もサンジミニャーノは泊って朝と夜を見るのが良いと思います。泊まる人は非常に少なくて、観光客（私も観光客ですが）が立ち去った後の城壁内はひっそりとして、昼間とは全く違う表情を見せてくれます。私にとってそれがサンジミニャーノの大きな魅力となってます。ぐら姐さんとは少し違って、私は静寂に包まれたサンジミニャーノを堪能するために城壁内に泊まるのがお勧めです。

　ドゥオーモですが、掲載された写真の教会外観を拝見すると、ドゥオーモではなくサンタゴスティーノ教会と思われます。

teruteruwasiさん、

私も、自分の写真を見ながらまた行きたくなっています。
GW直前に円安がさらに加速してどうしようかと思いましたが、どうやら日銀の介入が行われたようで少し戻したこの隙に、と思ってローマ～カターニアへの航空券を購入しました。
円安にどきどきしながらも計画を着々と進めています。

くるめながさきさん、

そうなんです、美味しいんですよー。
「食」は、イタリアの幸福の１つですね。

見ていたら行ってみたくなりました、いいですね

スタベッチ　パン　魚貝類　全~~部　美味しそう

トスカーナの15は、サン･ジミニャーノです。
’14年3月にレンタカーで移動したときに立ち寄りました。
（ペコさんと姉が運転してくれました）
’17年3月にも行きました。
この時は、なおさんが運転してくれました。
なぜいつも3月かというと、夏と年末年始はまとまった日数で旅ができるのですが、当時は3月だと長くは旅程を取ることができないので、ちょこっと回れるエリアを選ぶのでこんなふうになってしまいました。

’17年のときは、郊外のアグリトゥーリズモに泊まって近くの小さなまちを訪ねたので、’13年の初めてのときの写真を中心に載せます。

この門をくぐって入ります。

ご存じの方も多いと思いますが、サン・ジミニャーノは塔の町と呼ばれるほど、多くの塔があります。
早速見えてきました。









眺めのいい場所に出ました。





見事な藤がありました。

サンタゴスティーノ教会です。（閉まっていました）

３人ともパスタ１皿のみ。ポロネギとサルシッチャのピーチです。

たまたまドゥオーモ横にあったのでふらりと入った店なのですが、これが抜群に美味しくて今でも忘れられない味です。

’17年の時は、郊外の宿だったので、サン・ジミニャーノの塔がにょきにょき突き出ているシルエットが見えました。



このお宿、キアーナ牛を育てています。

屠畜し、出荷するところまでやっているようでした。

そのキアーナ牛のラグー･ビアンコがそれはそれは美味しくて。
（ビアンコと言っても白いのではなく、トマトを使っていないので普通のラグーのような赤みはないということです）

我が家では、これに夫が掘って来た筍を小さなダイスにして入れ、実山椒を入れたものを春になると必ず食べるようになりました。

散歩も楽しみました。



明る過ぎない夜景もきれいでした。

フィレンツェから日帰りでこことかシエナに、下手すると両方に行かれる方も多いようですが、できることならシエナには泊まって夜も朝も見ることをお薦めしますし、サン・ジミニャーノには、郊外に泊まってのんびり景色を眺めたり散歩したりするのをお薦めしたいです。

トスカーナの14.はサン・クィーリコ・ドルチャ（San Quirico d'Orcia）です。
'11年の夏、オルチャ渓谷巡りをしたときに行きました。

まちに入るとすぐ先にドゥオーモが見えます。
ロマネスクの、とても美しい聖堂でした。







横にも入り口があって、これがまた美しいのでした。

井戸も素敵でした。

とても小さなまちでした。





オープンしたての美味しそうなジェラート屋さん。
美味しいジェラートには、蓋がある・・・確かに蓋付き！



アプリコットと桃で〜す。美味し～い！！！
本当に店の奥で手作りしていて、果汁は１００％混ざり物なし、その他の余計な香料等も何も使っていないと言っていました。

まちを出る直前のところで「BIRRIFICIO」と書いてある看板を見つけて...
BIRRIFICOはBIRRA（ビール）の製造所なんです。

入場自由、試飲もどうぞなんて書いてあったので、店に入って試飲させていただきました。

1つめ

2種類目

小さな美しいまちで、ジェラートもビールも美味しくて、いいところでした。

teruteruwasiさん、

はい。この時は「食べる」がメインでしたが。
見る、くつろぐ、イタリアの楽しみはいろいろありますが、食べることは必須です。

食べて見て回るのいいですね