「帰国の途」
　バスを待つ間にも明るくなって。
　

　ホテルに戻ったのが、８：１５頃。朝食を摂りにいきました。パン類が豊富で、なかなかいい感じです。
　

　そしてバスに乗り、空港へ。ローマ経由で帰国します。ローマへ向かう飛行機の窓から、山々（アペニン山脈だと思います）が見えたり、湖が見えたりしました。
　

　

　フィウミチーノで、搭乗前の最後のイタリア食。お馴染みフレスコバルディのワインバーに入りました。
　

　美味しいのだけど、都会や空港は高いですね。次もやっぱり田舎へ行こう！などと考えながら冬のイタリアの旅を終えたのでした。

「ジェノヴァ、冬の朝」
　ジェノヴァに１泊した日は日曜日。ジェノヴァには、メルカート・オリエンターレという常設の大きな市場があると聞いていたので、是非覘いてみたいと思っていたのですが、行くことができませんでした。

　帰国当日の朝、月曜なので市場が開きます。空港へ向かうバスは９：３０発。ホテルから、バス乗り場のある駅までは１分足らずの距離。９：１５にチェックアウトしても間に合います。市場が開くのは、７：３０と書いてあったので、何とか覘くぐらいはできるかも！

　というわけで、６：００起床、荷物をまとめ、出かける支度をし、部屋にあったティーセットでお茶を飲み、朝食前に徒歩で市場へ向かいました。バスでも行けるのですが、街歩きが大好きなので、行きは徒歩、帰りは多分荷物を持つことになるのでバスにしようと思ったのです。

　７時にホテルを出ましたが、まだ夜のような空でした。ずんずん歩いて、フェラーリ広場を通りかかったときも、この程度の明るさ。（なので街角写真は撮りませんでした。）
　

　フェラーリ広場からほどない距離にある、メルカート･オリエンターレに７時半すぎに到着。ちゃんと開いていましたが、まだ商品を並べている途中のところがほとんどです。
　

　

　こういうのを見ると、キッチン付きの部屋に滞在したくなりますね。
　

　

　元気なハーブもずらりと並んでいました。
　

　名物のフォカッチャもいろいろ並んでいます。美味しそう〜
　
　
　フォカッチャなど、いろいろ買い込んでずっしり重くなったショッピングバッグを抱えて外に出ました。
　

　ようやく空が明るくなって、通りも賑やかになっていました。
　

「ジェノヴァで魚介２」
　昼にちょっとちょっとぉ･･･のランチだったので、夜はちゃんとジェノヴァ在住の方からお聞きして狙いをつけていた店へ。

　夏に行った、展望エレベーターに近いところにある店です。
　

　ほのぼのとした明るさの夜のまち。
　

　店の入り口は、鮮魚店かと思うようなガラス張りで、新鮮な魚介がずらりと並んでいました。
　

　アップで。
　

　このお店、昨夏ジェノヴァに行く前に、幼児もいる７〜８人でも入れる店として紹介してもらったのですが、小泉元首相も行ったことのある店なのだとか。店内はカジュアルな雰囲気です。

　

　２組のカップルが、３人の子どもを連れて来ていました。たいていは、ヴォンゴレやジェノヴェーゼなどのパスタを食べているのに、１人のお母さんのところには伊勢海老のリングイーネがサーヴされました。

　半身がデーンと乗っかっているのを見て、お母さんはすごーい！と感動して、嬉しくて仕方ないという顔をしています。お母さんがお父さんにもちょっと味見させてあげようとしたら、お父さんはせっかくなんだから、存分に食べなさいというようなことを言い、ちゃんと子供達の世話までして、お母さんがその皿に集中できるようにしてあげていました。

　私は、この旅行最後の晩餐なのでフルコースでオーダーし、ワインもボトルのものを１本。でもカモッリでオマール海老を食べてきたので、ここでの伊勢海老はやめておきました。

　アンティパストの蛸とじゃがいものサラダ。
　

　プリモの烏賊墨のリングイーネ。
　

　セコンドのイカのフリット。
　
　あ、これは皿が小さいのではなく、レモンが大きいのです。念のため。

　そしてワイン。
　

　どれも定番メニューで、盛り付けもちっともお洒落じゃないけど、素材が新鮮で、火の通し方もぴったりでした。大満足。

　このお店、私は開店して間もなくの時間に予約して入ったのですが、すでに数組の客が入っていて、その後続々と来客があり、あっという間に満席になりました。

　２階席があり、夏はそのバルコニーで港の景色を楽しみながら食事ができるのだとか。残念ながら冬だったので、１階で食べることだけに専念しましたが。美味しくいただき、いい気分で駅近くのお宿まで歩いて帰りました。

「ジェノヴァで魚介」
　この冬の旅、リグーリア州、ピエモンテ州がメインだったですが、最後はジェノヴァからローマ経由で帰国することにしたのは、ピエモンテで美味しいお肉を食べたら、最後にもう一度魚介を食べたくなるに違いないと考えたからです。

　昼過ぎにジェノヴァに着いて、早速食事に出かけました。昼の目当ては、１５年前に初めてジェノヴァを訪れたときに入った、懐かしの店です。

　同じ場所に、同じ名前でありました。１５年前の日曜日、お店が軒並み休みで、宿の近くで道行く人に「どこかランチを食べられる店はありませんか？」と訪ねたら、「そうだなぁ…、あ○○○なら開いてるよ。すぐそこだし。」と教えてもらった店です。

　私の初イタリアは'89年でしたが、そのときはドイツに行くのに、ローマ経由だったため、１日ストップオーバーしてローマを観光しただけでした。２度目が１５年前。初イタリアに近く、ほとんどイタリアのレストランのことなど知りませんでしたから、この店に入った途端、ずらりと並ぶ前菜を目にして感動したものでした。

　前菜が並べられる場所は変わっていましたが、前菜が並んでいることには変わりがありません。
　

　前菜盛り合わせ（自分で取る）、魚介のスパゲッティをオーダーしました。これが、前菜です。
　

　食べてみると、野菜は普通に美味しいのですが、魚介や肉系のものは、う〜ん・・・。と思っているところに、前菜をまだ半分も食べていないのに、スパゲッティを運ばれてしまいました。え？え、え、え？イタリアで、こんなことは初めてです。和食や中華じゃあるまいし。

　落ち着いて店内を眺めてみれば、あら、この店で働いている人は全員中国系の人のようです。まあ、内装も、壁の上の方やらあちこちに飾られている花はすべて造花で、しかも統一感のないケバイ色。
　

　しかも、入っている客は、ほとんどが観光客と思われる外国人客･･･。恐らく、経営者が替わってしまったのですね。ちょっとがっかり。それでもスパゲッティは、それなりに美味しかったです。
　

　盛り付けは色気も何もありませんが、中にはちゃんと海老２匹、スカンピ１匹も埋もれていたのでした。
　

　この店を昼の目当てにしていたのは、もし失敗した場合のリスクを考えて、夜の目当ての外さない店を決めていたからです。もちろん、夜はその店に行ったのでした。

「アスティ　おもしろＴシャツ」
　アルフィエーリ広場に面したツーリストインフォメーションのショーウィンドウに、面白いＴシャツがありました。

　ボトル人間に添えられた言葉は、
イタリア語の-are動詞、それの再帰動詞-arsi、にAstiをかけてあります。

　innamorarsi（恋をする、惚れる）→innamorasti
　

　degustare（味見する）→degustasti
　

　meditare（熟考する）→meditasti
　
　最後のmeditastiでは、両手に持ったグラスのワインの量を見比べてじっくり考える（熟考する）のがすっかり気に入って、インフォの人に、あのＴシャツはおいくらですか？ と訊いたら、なななんと！５０ユーロですと！！！

　思わず「高いんですね…」と外に出てしまいました。今のレートでも、６０００円ですよ、Ｔシャツが。これが２０ユーロだったら、絶対に買っていましたね、友人の分まで。残念。

　気を取り直して、前日から目をつけていたジェラート屋さんに。以前ジェノヴァでも食べたことのあるGROMです。
　
　今月のラインナップ。スローフード協会がプレシーディオにしているバニラもあります。

　そのバニラとピスタチオを食べました。
　
　私、冷たいビールは大好きですが、かき氷とかジェラートとか氷点下の食べ物って得意じゃないし（眉間の奥の辺りが痛くなるのです）、甘いものはたくさんはいらないので、一番小さいコーンに入れてもらいました。好きな人だと大きなコーンに3種類ぐらい盛り合わせてもらうのでしょうけどね。

　外は寒いので、中で食べて、その後はホテルに戻って、次のまちジェノヴァへ向かいました。
　
　

「アスティの寒い朝」
　ピエモンテと言えば、トリノで冬季オリンピックが開かれたぐらいだから寒いのだろうと思いますが、意外やカネッリの辺りはそれほどでもありません。今年は雪が多く寒い、と言っていましたが普段はそれほど雪も降らないし、凍ることもないそうです。

　ところが、バスで１時間も離れていないのに、アスティは寒くて、カネッリから午後に出かけたときにはその違いにびっくりしました。

　泊まった朝も、朝食後の９時ごろに街に出たのですが、頬がピリッと引き締まるような寒さです。

　９月にパリオの開催される広場に行ってみました。パリオが行われるとき以外は駐車場になり、週に１回だか２回だか市が立つようです。

　この朝は、数台の車が駐車している中、ひろ〜い広場を大きな清掃車が走っていました。　
　

　木々の枝は、白い花が咲いたように、凍って真っ白です。
　

　

　赤い実も凍り付いて、見るだけで寒くなってきます。
　

　でももうすぐ１月６日、エピファニアの日を控えて、箒に乗ったお婆さんの人形やお菓子を売る店が開店準備中でした。
　

　この広場に隣接するアルフィエーリ広場には、常設の市場があります。でもこの日は、日曜だから休み。
　

　バールやジェラート屋は開いているはず。さて、広場を離れてジェラートでも食べに行きますか。
　

「アスティ⑥」
　時間が前後しますが、夕方の街です。市庁舎が、控えめにライトアップされていました。
　

　昼食を遅く食べたので、夜は軽くと思いながらよさそうなところを探して歩きました。
　

　

　大きな三角形のアルフィエーリ広場に面して、古い薬局がありました。何だかとても懐かしい感じがします。
　

　ここ、と言うところが見つからなかったので、宿の近くのピッツェリアにでも入ろうと思い、裏道を通っていると、ハッピーアワーを実施中のバールを見つけました。ここでワインを飲んで、つまみ類を適当につまめばいいかと思って入ることにしました。
　
　ちょっとゆっくりしたいと思い、カウンターではなく、テーブル席に。スプマンテを１杯オーダーしました。

　もちろん、ハッピーアワーですから、適当に見繕って盛り付けられたおつまみもおまけに付いてきました。
　
　丸い揚物は、ピッツァの生地を揚げた物。ふんわりもっちりしていて、スパークリング系の飲み物との相性抜群です。

　お皿のおつまみをアップにして見ましょう。
　
　チーズのところから時計回りに見ると、チーズは何チーズか分かりませんが、ちょっと癖のある滑らかな舌触りのもの、その横が一口サイズに切ったピッツァ、茹でたジャガイモ、生サルシッチャ、ほうれん草入りのコロッケ、仔牛肉のフリット、真ん中はパンです。

　後でカウンターから、マッシュルームのソテーとサラミ、そしてピッツァをもう１切れ追加。これでなんと３ユーロです！

　え？１杯ではもの足りないのじゃないか？うふふ、実はアグリのオーナーからワインを１本頂いてきていたので、続きは部屋で飲みました。

「アスティ⑤」
　街歩きの続きを。ローマ広場に面したコメンティーナの塔とネオゴシックのカステッロ。塔は、１３世紀に作られたものだそうですが、その後少しずつ改築・増築され、カステッロは１９世紀に作られたものだとか。
　
　ローマ広場には、イタリア統一を祝ったモニュメントがつくられています。
　

　これはただの街角写真です。
　

　サン･セコンド教会と市庁舎
　

　サン･セコンド教会は１０〜１４世紀につくられた教会で、ドゥオーモ（司教座の置かれた教会）ではありませんが、古く趣のある教会です。この日は、日曜でミサが行われ、終わったところへ私が入っていったので、まだ残ってお話している人たちがいました。
　

　内部の一角に、パリオの時に使う地域ごとの旗が展示してありました。
　

　この教会の横の道を通ってアルフィエーリ広場に続く道は、なぜか男性ばかりが歩いていました。
　

「アスティ④宿と昼食」
　アスティに着いたのが２時頃、まち散歩の前に腹ごしらえをと、北イタリアとしては少し遅い時間に、昼食を摂りました。

　あ、その前にホテルの部屋を。この時期は、宿泊代が安いので、スーペリオーレのダブルルームをシングルユース（７０ﾕｰﾛ）。スーペリオーレは、本棟とつながってはいるものの別棟で、屋根裏部屋のようになっていました。なかなかゆったりとしたモダンなつくりの部屋です。
　

　
　テラスがあり、テーブルと椅子があるのですが、この時期は、屋根の陰に置かれていました。寒くて使う人はいませんものね。気候のいい時期だと、昼下がりにここでゆったりとビールを飲んだら気持ちがいいだろうと思いました。
　

　朝食のサロンに架けてあったパリオの絵。
　
　アスティでは、毎年９月の第三日曜にパリオが開催されるのです。そしてこのホテルの名前が、「ホテル･パリオ」。リタイアしたら、またここに泊まって、パリオ見物をしてみたいと思います。

　さて、昼食でした。クリスマスや年明けから１月６日までとか１月いっぱいとか休んでいる店が多いので、適当に開いている店に入りました。

　遅い時間で、ラストオーダーの時間。食事客はほとんど帰ってしまっていました。
　

　昼食後は散歩の予定なので、ワインはひとまずグラスワインをオーダー。そうしたら、大きなグラスにたっぷり入って出てきました。（日本のレストランの２杯分以上あるのではないかと…）
　

　プリモのポルチーニのタヤリン。
　

　セコンドのファソーネ牛のアイ・フェッリ（筋付き鉄板焼き）。
　

　ちょうどよい焼き加減で、この肉の味を楽しめました。
　

　付け合せのサラダ。
　

　イタリアの地方の店って、ふらりと適当に入っても、本当に外れません。カフェで〆て、まち散歩に出かけました。

「百搭のまちアスティ③」
　ボローニャやサンジミニャーノのような高い塔がたくさんあるわけではないのですが、確かに塔は多く、ついつい縦長のものが多くなってしまう街角写真です。
　

　
　１６世紀頃までの古い建物には、何年ごろに建てられた建物なのか、表示のプレートが付けられていました。

　少し暗くなってきて、まちに灯りが灯りはじめます。
　

　

　古くて雰囲気のよさそうなお菓子屋さんの前を通りかかりました。この辺りで採れる立派な栗を買いたいと思っていた友人が、ショウウィンドウに見事なマロングラッセを見つけました。
　

　ドアには、スロウフード協会やら、ガンベロロッソやらのスティッカーがたくさん貼ってあります。
　

　思ったとおり、「老舗」という雰囲気がただよっていました。
　
　
　友人の買ったマロングラッセを包んでいる、この店の「女将」という雰囲気のシニョーラ。私達が外国人なので、親切に片言の英語で話そうとしてくれました。イタリア語で答えると、どちらから？私の英語よりずっと上手ね、と微笑んで。私よりずっと年上と思われますが可愛らしく、そして客に対する余裕と気配りが、とても素敵なシニョーラでした。
　

「百搭のまちアスティ２」
　ドゥオーモの中に入ると目を引くのは、高い天井まで伸びる柱です。４本の細い柱をあわせたように見えるのですが、実は１本で、彫ったように見える筋も、騙し絵のように描かれたものです。
　

　柱の模様は、葡萄の葉。古くからワインが作られていたからなのでしょうか、この地域はワイン生産で成り立っているからなのでしょうか、流石という感じ。

　入り口を振り返ってみると、薔薇窓の下には受胎告知の絵が描かれています。（すみません、暗くてよく写っていません。）
　

　入り口近くに、私好みの２つの素敵な水入れを見つけました。これは洗礼用のものと、教会の案内に書いてありました。
　

　教会の説明によれば、足の部分はなんとローマ時代、１〜２世紀頃のコリント式の柱頭を逆さにしたものに、１つは推定１１世紀、もう１つは１２２９年製の水入れを乗せているのだそうです。（↑のは１２２９年製のもの）

　１１世紀のものと思われる方の水入れが何とも味があって、私好み。
　
　裏側はこう。
　

　私が１人で行ったのは日曜日の午前で、ちょうどミサが行われていました。

　何人かの少年少女（青年もいました）が、何か役目をもらって神父さんの後に歌いながらついて行っていました。

　始まる前に打ち合わせをしている様子からみると、初めてのようで、何が気になったのか、ちょうど１人が振り向きました。（私がフラッシュを焚いたわけではありません。内部は全て発酵禁止にして撮っていますので。）