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from: クマさんさん
2006/09/13 21:33:16
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いやはや
今夜は本気で中三の長男と喧嘩した。
玄関で彼は、「くそ親父」と捨て台詞を言って、
雨の中、3キロ先のレンタルショップに走って行った。
今日までのDVDを返しに行くためだった。
この野郎とは思ったが、
やっと帰ってきた親父は、ネクタイにサンダル履きで、
車に乗って彼を探した。
国道に添った歩道を見ながらゆっくりと彼の姿を探した。
どこにもいなかった。
どうしたのだろうか?
どこか他の所へ行ってしまったのだろうか?
怒ったことを、心の中で後悔した。
雨はだんだん激しくなってきた。
彼はジャージの上下である。
きっとずぶ濡れになっているに違いなかった。
人影が、彼に見える・・・。
違った・・・。不安がよぎる。
するとまっすぐに雨の中を走っている男の子がいた。
彼だった。
私はもう一度Uターンして彼の姿を捜し求めた。
レンタルショップまで車で行き、
駐車場に車を止めてから、傘をさして彼を待っていた。
道路の向こう側に彼の姿あり。
とうとうこの雨の中を走りとおしたのだった。
「くそ親父」その一心の思いをエネルギーとして。
私は何だか彼が大人に見えた。
何だかいつの間にか逞しく一皮むけたようである。
駐車場で「帰りは、乗っていかないか?」と声をかけた。
彼は「何のために走ったんだよ」と、私の手を振り切った。
「おーーーーー、やるなぁ」
何だか私がすっきりとした。
彼はまた雨の中、3キロの道のりを帰って行った。
この反発があれば、生きていけるな。
途中何度か車を止めて彼を見ていた。
雨の中ひたすら走る我が息子を見て、
何だかほっと安心した自分が不思議だった。
先に家に帰り、彼が帰って来るのを待った。
ガラガラと玄関の戸が開く音がした。
「ほれほれはよ風呂入んなさい」と婆ちゃんの声。
私は、安心して遅い夕食にすることにした。
中三の9月。
忘れられない思い出になりそうだ。
雨の中ひたすら走る息子を、
反対側の歩道から見つめていた。
「親」という漢字の意味が少し私にも分かった気がする。-
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