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親父たちよ

親父たちよ>掲示板

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  • from: クマさんさん

    2012年02月29日 05時50分31秒

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    父の誕生日

    日々、一日一日と思い生きている。
    「今日だけ」と感ずることで、少しは生きやすくなったようだ。

    昨日、父の82?歳の誕生日だった。
    朝はすっかりと忘れていたので、言葉をかけられなかった。
    夜も用事があって帰りが遅くなり、声をかけられなかった。
    その代わりに秋田の酒を四合瓶で2本買って来た。
    ささやかなプレゼントのつもりだった。

    しかし、母は、その酒を返してきた。
    「酒があると思うと、呑むことをやめられなくなるから」という理由だった。
    父は、ワンカップを毎晩一つ呑んでいる。
    それは、父の定量の楽しみである。
    昔は日本酒の一升瓶を箱買いの父だった。
    しかし、今は一つを楽しみに、一つで終わり、また炬燵で眠る。
    「そうか。酒を贈れなくなってしまったのだなぁ」と、寂しくもある。

    父を見ていることで、学ぶことが多かった。
    それは、真似すべきよいこともあるが、反面教師の面も多かった。
    とにかく毎晩のように酒を外で呑み、帰って来る時は大暴れをした。
    競馬が好きで、そのギャンブルのために毎年借金をしていた。
    おかげで質屋やサラ金という商売があることが分かり、
    ある日には「つけ馬」なる女性と帰って来たものだった。
    夫婦喧嘩は、日常茶飯事で、それもなかなかの修羅場のバトルだった。
    そんな夜は、妹と私はおろおろと泣くばかりだ。

    そんな父と一緒に暮らす母の苦労は並大抵なものではなかったと思う。
    二軒長屋の一間で食事し、テレビを見て、布団を敷いて寝ていた時代だ。
    夜遅く父が大声を出して威勢よく帰って来る。
    その父の手にはよく「金寿司」の折がぶら下がっていた。
    妹と私とは起こされて、その大きな生寿司を食べさせられる。
    眠くて、眠くて仕方なかった記憶がある。

    夜中に呑み仲間を連れて来ることもあった。
    そうすると酔っ払いの親父たちのために、私たちは寝る場所もなくなってしまう。
    母は、そんな時もなにかれと出して接待していた。
    酔っ払いの親父たちは、酒臭い息で、妹と私とを可愛がって言葉をかけてくれた。
    それよりか、寝かしてくださいの世界だった。

    小学4年生の時、担任のM先生を突然我が家に連れて来たことがあった。
    「おう、兄ちゃん、先生を連れてきたぞ。」
    酔っ払った親父が先生と肩を組んで部屋に入って来た。
    がーん。何故か何故かとても悲しくなってしまった。
    こんな貧しげな暮らしを先生に見られたことが悔しくて、悲しかったのだろう。
    私は便所の中で泣いていた。
    扉を開けて外に出たら、先生が立っていた。
    泣いている私に握手した。強い力で私の手は握られた。
    その手には小指がないのだった。

    昔、「たけし君、ハイ」という北野武の自伝ドラマがあった。
    ペンキ屋の酔っ払い酒癖最悪親父と、その親父を愛し戦う母の話だった。
    「これって、家のことだよなぁ。」
    そこで繰り広げられる光景を笑うことが出来ず、
    しみじみとして、あの頃の疾風怒濤時代を懐かしむ私であった。

    それでも、父は82年間も生きて来た。
    「好きなことをやって、何にも悩みが無いことこそ、長生きの秘訣なのだ。」
    父は、自らの人生を振り返って何を想うのだろうか。
    今度聞いてみたいものだと思っている。

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  • from: クマさんさん

    2012年02月28日 05時58分02秒

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    いいんだよ いいんだよ

    今、自分自身を何に賭けているだろう。
    そう思うと少し寂しいクマである。
    現在進行形でいつも燃えていたい。
    そんな願いをもって生きていた。
    幾つになっても、その気持ちは変わらない。
    そして、自分を追い込んで、疲れて、ダウンしたりする。
    それでも、まだ懲りずに次の目標に向けて爆走する。
    そんなクマだったが、ここ一年間は変わったような気がする。

    まず、焦らなくなった。
    確かに蚊帳の外であるが、それはそれでいいと思えるようになった。
    その間、二本の脚本と、一本のミュージカルの原案を書いた。
    それが自分の使命なのだとも思えるようになったからだ。
    物語を語り継ぐことは、私に託された仕事だった。
    だから、独りでせっせとそれを書いていることが苦にならない。

    次に、自分の時間を持てるようになった。
    休日はいろいろな活動の予定で埋まっていた時代がある。
    土日が全部埋まってしまう時、私は窒息して生きていられなくなってしまう。
    私は、タイトな稽古の日程について行けず、オペラを降りた。
    そしたら、何か拘束された窮屈感から解放された。
    土日は仕事をしたり、自分の趣味の時間を楽しんだりしている。

    そして、降りてゆく生き方になった。
    まさに現在進行形は、「下山の思想」だ。
    もはやピークを目指して熱くなる気は全くしない。
    これからは自らの力量に見合った手頃な山を、
    楽しみながら登りたいと思っている。
    でかい夢はもっているが、その推進役は他の人に任せ、
    裏方の同志としての役割を果たしたいと願っている。

    この三つの生き方への方向転換のおかげで、
    相手の気持ちを考え、相手の心に共感し、
    日々のささやかな優しさに気づけるクマとなったような気がする。
    前ばかり向いて、猪突猛進している時には気づかなかったことに、
    こうして立ち止り、腰を降ろし、休息しながら周りを見渡すと、
    私が生きているこの場所に「全て」があったことにやっと気づくことができた。

    「これでよかったんだ。」
    「ここでよかったんだ。」
    しかし、ここまでくるためにどれだけの悲しみと、苦しみと、辛さと、孤独と、絶望と、悲惨さとを感じたことだろう。
    それは、生きることの当たり前として全ての人に平等なのだと、今は分かる。
    また、その切なさを経ない限り、本当の喜びには到達できないのだとも今は分かる。

    先日、何と5時間も酒も飲まずに、友とトークバトルを続けた。
    彼も私も、不思議なくらいに家族構成が似ていたし、
    共通する出会いがたくさんあった。
    その彼と語りながら、やっぱりこのために、
    それまでのさまざまな人生があったのだと、改めて思うことができた。
    その最中にいると、その意味は分からないものだ。
    しかし、こうして来し方を振り返ってみると、
    意味のないものは一つもなかったと感じた。
    そのパーツ、パーツ一つずつが、今の私につながっているのだった。
    もし仮にその中の一つのパーツがなかったとしたら、「今」は存在しないのだ。
    そして、彼とも出会わず、5時間のトークもできなかったということだった。

    今、あることに意味はある。
    下山を少しずつ楽しめるようになったクマは、
    そのことをある人たちに伝えたい。
    「いいんだよ。それで。」と。

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  • from: クマさんさん

    2012年02月27日 06時31分13秒

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    日々に奇跡あり

    いろいろとありすぎるくらいある。
    それを考えると心が重くなったりもする。
    会いたくない人と会わねばならない。
    それは、ブッダが語っている人生の苦の一つだった。
    それは、生きている限り仕方ないことなのだ。
    反対に、愛する人との別れという苦もある。
    どうにもならないことを悩んだとてもどうにもならない。
    そんな境地を諦めの境地と言い、悟りに近い境地と言う。

    そんな人生には、予想外の奇跡に出会うことがある。
    それはまさにアンビリーバブルな瞬間だった。
    まさかそんなことがあろうとは・・・。
    その瞬間に立ち会い、鳥肌が立つほどの感動を感ずることもある。

    以前、東京に行った時の話だ。
    友は新橋から山手線に乗り、私はそれを知らずにバスで恵比寿駅に行った。
    「今、電車に乗りました」とのメール。
    私は、ホームに立っていた。
    すると、止まった車両のドアから彼が出て来た。
    新宿で待ち合わせしていた彼と、偶然電車で出会えた。

    こんなこともあった。
    90歳の叔母さんのお見舞いにある病院に行った。
    ナースセンターで、叔母さんの病室を尋ねていたら、
    その横に立っていた中年の女性が、「○○です」と名前を告げた。
    それは、珍しい私の名字だった。嘘だと思った。声も出なかった。

    「オペラ座の怪人」は、私にとっては夢のミュージカルだった。
    あの名曲の数々は、曲が流れるだけで涙が流れる。
    出演する歌い手たちの絶唱には体が震えるほどの感動だ。
    しかし、本物を舞台で観る機会がなかった。
    ファントムの私は、yuccaさんをクリスティーヌとして憧れて生きていた。
    ヒョンちゃんという永遠なるディーバのファンクラブ1号でもある。
    そんな願いをもって生きていた私のために、ビックなプレゼントがあった。
    「オペラ座の怪人 25周年記念 ロンドンinロイヤルアルバートホール公演」の映画が、
    何と何と期間限定でユナイテッドで上映されているのだった。
    行った。泣いた。魂が震えた。凄すぎる。舞台の神様を観た。

    そう考えると、会いたくない人と会わねばならないこの人生には、
    そんな私の小さな思いなど越えて、
    「まさか」と思われる奇跡と出会えるチャンスにも満ちているのだった。
    何で私だけがこんな馬鹿げた苦労を負わせられるのかと嘆いているが、
    神様はよくしたもので、
    大きなマイナス分のプラスを私の人生に下さっているようである。

    コントロールできない私の人生であるが、
    だからこそ、少し前向きに、神様は何とかしてくださるさと信じて、
    思い煩うことなく今日だけを歩いてもいいかなぁと、
    心が思い月曜日の朝に自分を慰める。

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  • from: クマさんさん

    2012年02月26日 10時00分04秒

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    思い出を残す

    この掲示板をお休みしている時は、私はいつもぼろぼろなのだ。
    風邪をひいて寝込んでいた。
    こんな時もあるのだと自分自身を慰めていた。
    病気も人にはコントロールのできない一つだ。
    熱は勝手に上がるし、節々はギシギシと鳴り、喉はひりひりと痛かった。
    それは、時には心と体からの危険信号と捕えて、素直に対処することだと観念した。

    そんな日に限って、心を暗くするニュースが耳に入ることがある。
    どうしてこんなに弱っている時に、そんな話をするん・・・。
    それでもやはり現実は現実として受け止めて行かねばならなかった。

    この年になると、何だか親戚のおばちゃんたちから頼りにされることも多い。
    私が弱って倒れていると、おろおろと心配してくれるのは叔母ちゃんたちだ。
    幼少のままの呼び名で、まだ54歳の私は呼ばれている。
    「頼りにしているからね。」「頼むよ。」
    旦那さんを亡くして一人身の叔母ちゃんたちにとって、
    こうみえてもちょっとは頼りにされるナイトなのだ。

    と言うよりも、私は叔母ちゃんたちにとにかく可愛がられて育てられてきた。
    小さな頃から、私は従兄弟たちの面倒をみたり、一緒に遊んだりして来た。
    大家族のテレビ番組があるが、
    休日になると叔母ちゃんたちが子供を連れて実家に遊びに来る。
    私もそこで一緒になって遊んだものだった。

    そんな帰らぬ昔の思い出が、最近とても懐かしく感じられるようになった。
    人の人生は後戻りできない、片道切符のバスの旅かもしれない。
    そのバスは停留所に止まり、休憩所で長く休むこともあるが、
    発車すれば着実に私たちを目的地にまで連れて行ってくれる。
    新宿から新潟行きの高速バスに乗ったとする。
    バスは時刻通りに運行し、決して後戻りはしないのだ。
    時間が経過すれば、目的地の新潟に近づき、東京との距離は遠くなる。
    長岡に着き、三条に着いたら、もうすぐ終点の新潟なのだ。

    東京での楽しかった思い出を心に浮かべる。
    それはすでに消えた時間だ。
    そして、新潟駅に着いたらその旅を終えなければならない時刻になった。

    優しくされた思い出。困った時に助けてもらった思い出。
    可愛がってもらった思い出。慰めてもらった思い出。
    そして、困難に向かった時に励ましてもらった思い出。
    叔母ちゃんたちとは、そんな思い出がいっぱいだった。

    しかし、父や母や叔母ちゃんたちには、これから残されて時間は限られている。
    私自身も既に越後川口辺りまで来ているはずだ。
    惜しむべきは、今日このひと時なのである。
    人の心にはよい思い出を残せる人になりたいものだ。

    お陰様で、風邪は快癒したようだ。

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  • from: クマさんさん

    2012年02月24日 22時54分58秒

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    満月の温もり

    風邪をひいて二日間ダウンだった。
    それよりも、月曜日から激動の日々だった。
    己の無力をひしひしと感じ、何も出来ぬ日々だった。
    私とかかわりなく、私の思惑とは全く関係なく物事は展開して行く。
    それは、それで当たり前のことなのだが、
    ああっ。疲れた。疲労困憊とはこのことだった。

    その渦中に悟ることがある。
    じたばたするな。
    そうなのだから仕方ないのだ。
    それをどう受け止めるかなのである。

    その気づきが、己の無力感となっていく。
    例え、私が吠えたとしても、叫んだとしても、願ったとしても、頭を下げたとしても、
    変わらない。
    それが、現実なのだ。

    ぼろぼろになり、心傷つき、空しさを胸に、引きずるように帰って来る。
    発泡酒を呑み、菊水一番搾りを呑む。
    あらゆることは、私の手の中にはなく、それぞれの人たちの想いと感情と我儘の中にある。
    止まれとも、違うとも、おかしいとも言えない。
    その現実を前に、茫然と立ち尽くす。

    後は、こちらの心と気持ちと感情の処理なのだ。
    まず、慰めよう。まず、自分に語りかけよう。
    でも、でも、余りに悲しく、切ない時は、その人たちに会いたくなるのだ。
    何も言わない。それだから、何かを語り、伝え、分かち合える人たちに。
    ぼろぼろになった時、その人たちに切に会いたくなるものだ。

    それが、夕焼けであったり、満月であったり、飯豊山であったりする。
    頼む。傍に置いて下さい。ここに居させてください。
    熱があり、苦しむ最中にも、やっぱりその人たちを想う。
    そこは、永遠の安らぎの場所だった。
    どん底で這っている時、私はその満月の光の中にこの身を曝す。

    傷ついた心と体とは、その満月の光のあたたかさで、温もっていく。
    安らぎとは、その許しの光に抱かれる時に感ずるものなのだ。
    ぽろぼろになったら、満月の光にこの身を委ねる。
    じっとして、そっとして、その温もりを頬に感ずる。

    全てのことは、私の想いとはかかわりなく、それぞれがそれぞれとして自己主張をしてくる。
    私はただただおろおろと翻弄されつつ、無抵抗にその激流にこの身を投じる。
    それしか私の生きる道はなく、それしかそれぞれに真実の心もて応える術はなし。

    私はデクノボウとなり、おろおろと何も出来ない無為な人となる。
    激流の中で私は、それが私のそれぞれの人に対する私からの愛なのだと想い、耐えて、しのぎ、涙を流す。
    どうしてあんな馬鹿が生きているのだと、嘲笑されても、私は私のまま生きるつもりだ。
    そんな日々に、やっぱり疲れる。
    ああ、駄目だなぁと、自分のことを哀れに想う。
    だから、夕日を浴び、満月の光に照らされ、温もりを頬に感じたくなってしまうのだ。

    ああ、ここに居たら許されるのかもしれない。
    私はしばしその光の温もりの中で目を閉じて眠る。
    大いなる悲しみと、大いなる慈しみとが、
    このぼろぼろの私にそれでいいのだと語りかけてくれる。
    そうか。そうだったんだよね。それでよかったんだよね。
    その光に抱かれて、このぼろぼろの魂は自分と向き合う。

    疲労困憊。再起不能。絶望の深淵。
    その闇にも月の光は照るものだった。
    その光を手のひらに受けると、かすかであっても温もりを感ずるものだ。
    その温もりさえ感じられたら、人は今日を生きられるのだ。

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  • from: クマさんさん

    2012年02月21日 05時42分42秒

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    日々 日々 日々

    4時に目が覚める。
    最近よく深い物語の夢を見ている。
    寝汗までかいて「あっ」と言って起きることがある。
    それから寝る時間がもったいなくて、寝床で本を読んでいる。
    今は、「小沢征爾さんと音楽について話をする」がお気に入りだ。
    グールド・バースタィン・カラヤンの話が盛りだくさんだ。

    さて、連日私がコントロールできない部分で、何かが起きている。
    感情の爆発とでもいうのか、突然の嵐とでもいうのか。
    それは、私とは関係なく、ふとした瞬間に襲い来る。
    なすすべもない。
    そんな無力感を感じることが多い。
    何とかしようにも何ともならないのだ。
    呼びかけ、語りかけ、じっと待っていても、変わらないこともある。
    それは、本人が一番困っていることでもあった。
    私は、その「無力感」に疲れてしまうこともあった。

    実に自分の意志ではコントロールできないことだらけなのだ。
    いや。コントロールできると思うことが傲慢で、我儘なのではないだろうか。
    力で支配できると考えている人がいる。
    厳しさが足りないからこうなるのだと批判する人もいる。
    しかし、実際にトライしてみたらよく分かるはずだ。
    力と厳しさでコントロールしようとすると、
    そうされた側とそうしようとする側も、両方とも倒れてしまうのだ。

    それは、決して諦めではない。
    それは、信念でもある。
    言ったから、叱ったから、命令したから人は変わるという単純なものではないのだ。
    「一日にしては絶対にならない」という、長いスパンで物事を考え、
    根気強く、目には見えない小さな一歩一歩を積み重ねて行く作業なのだ。

    そして、1年がたち、2年がたつと、信じたように成長しているものだった。
    その発見こそが、喜びと感動だった。
    自分を励まし、鼓舞して生きている。
    指揮者もある意味勇気をもってタクトを振っているそうだ。
    創造する音楽が聴衆に受け入れられるかどうかではなく、
    自分のために、自分らしい音楽を演奏できるかなのだと思う。

    コントロールできない部分と、自分の意志と行動で変えられる部分とをしっかりとわきまえ、
    できる部分でタクトを振って行こう。

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    さけ 秋桜

  • from: クマさんさん

    2012年02月19日 21時53分09秒

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    ペンキ職人の親方の深い話 その4

    「親方、親方の話を聴いていたら、一つの劇を創りたくなりました。」
    「そうらかね。何かの足しになったら嬉しいてば。」
    「例えば、こんげな劇はどうでしょうか。」
    「話してみた。」
    「ある劇場の前に親方が座っているんです。」
    「それで。」
    「お客はいろいろな想いをもってその劇場で上演される悲劇を観に行くんです。」
    「・・・。」
    「ところが、親方に呼びとめられる。」
    「私が、その人たちに何かを話すんかね。」
    「そうです。今、私に話したような話を語り始めるのです。」
    「それっ、面白いね。」
    「親方は語ります。その人だけの物語を。」
    「そんげなこと、できるわけねぇろ。」
    「いやいや、親方には出来るんですて。その物語は、その人のためだけに神様が用意した物語です。」
    「どんげな話か、私も聴きたいものだね。」
    「お客は、その物語を聴いて涙を流します。お客は、その物語の中に自分の人生を観ます。」
    「ほぅ、人生をねぇ。」
    「そして、これでよかったんだと、思うんです。これしかなかったって、安心するんです。」
    「ふぅーーん。そうかね。」
    「そうなんです。親方の語る物語がその人の心をピュアホワイトに変えてしまうんです。」
    「私の語りがねぇ。」
    「お客は、親方と出会い、親方の物語を聴き、安心してやり直します。」
    「へぇっ、面白いね。」
    「だから、その夜の劇場はガラガラなんです。」

    私は、親方に一つの提案をした。
    「心の物語を贈る少女っていう劇はどうですか?」
    親方は、ただ深い笑みをもって私の愚かな提案を受け流すだけだった。

    このペンキ職人の親方は、小学3年生の女子なのである。

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    さけ

  • from: クマさんさん

    2012年02月19日 21時35分13秒

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    ペンキ職人の親方の深い話 その3

    「あのね。どんな色を塗ってもいいんだよ。」
    「そんなもんですかね。」
    「どんどん自分らしく塗り重ねればいいんだがね。」
    「なかなか思うような色が出ないんですでは親方。」
    「でもね、たった一つの色があるんだ。」
    「その色ってのは・・・。」
    「この色を塗るとね、全部の色が真っ白に変わるんだ。」
    「それは・・・。魔法のようなものですね。」
    「人の心には、みんな誰もがこの一瞬にして真っ白に変える力をもつ色があるんだよ。」
    「その色の名前を教えてください。」
    「ピュアホワイトだがね。」
    「その色を使えば、人生を塗り替えられるんですか?」
    「おめさん。ばかうけ展望台から雪景色の新潟の町を見降ろしてみた。」
    「それが・・・何か?」
    「ピュアホワイトらろ。みんなまっ白らて。それぞれの色が消えてしまうて。」
    「その色って、俺のような男の心にもあるんですかぃ。」
    「誰にでもあるんだて。ただ、それに気づくかどうからろね。」
    私は、目の前のポッポ焼き屋の屋台の複雑な色合いをマジマジと見つめた。
    それは、私のいい加減な人生そのものの色だった。

    「親方。その色をどうやって出したらいいんですかぃ。」
    親方は、そんな私の言葉を聞き流し、せっせと色を塗っていた。
    その色は、ピュアホワイト何ぞ絶対に必要としてない実存的な色だった。

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    さけ

  • from: クマさんさん

    2012年02月19日 21時21分05秒

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    ペンキ職人の親方の深い話 その2

    「あのね。心の汚い人でも、きれいな色は塗れるよね。」
    「そうですね。」
    「でもね、汚い色を塗っている人でも、心のきれいな人はいるよね。」
    「確かに、そうだ。」
    「だから、人は塗っている色で判断は出来ないんだよね。」
    「それって、親方。深すぎますぜ。」

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  • from: クマさんさん

    2012年02月19日 10時26分11秒

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    ペンキ職人の親方の深い話 その1

    ペンキ塗りの職人の親方と、一緒にポッポ焼きの屋台のペンキを塗っていた。
    りゅうとで3月に上演する舞台の大道具だった。
    親方は左を。私は右を担当した。
    塗り始めてそのはけの速さが違うことに気づいた。
    私が塗った部分はどうもはけ跡が残り、むらがあった。
    私だけの部分を見たら、そうは感じないが、
    名人と比べると何か深みというか、味わいが違うのだ。

    「さすがですね。仕事に人間が出ていますね。」
    私は本当に感心して、親方にはけを休めてそう語った。
    「親方、私のこの仕事に何点つけてくれますか。」
    大胆にも、恐る恐るそんなことを親方に尋ねた。
    「うーん。92点だね。」
    「えっ、そんなに高得点をいただけるんですか。」
    「92点は誰でもそれなりに出せるんだ。」
    「そんなもんすかねぇ。」
    「でも、98点になるまでは何年も何年も修行を積まなければならないよ。」
    「ここから始まるんですね。」
    「そうさ、ここからなんだよ。」
    「では親方。100点を採るためにはどうすればいいんですか。」
    「100点かね。またそこから何十年も修行だね。」
    「それでは、修行を続けていたら、あっしでも100点の職人になれますか。」
    「ああっ。なれるとも。ただし、諦めないで続けたらな。」
    「・・・・続けたら・・・。本当にそうらね。」
    「ほら、はけが止まったれ。続けれ。続けれ。」

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