またもその夜、胃辺りの大激痛であった。
飲み過ぎと一言で片付けられそうだが、
尋常ではない痛みであった。
胆石といい、この夜の原因不明の激痛といい、
とにかく体を労わらねばならない年になってしまったのだ。

翌日は墓参りであったが、寝坊してしまい、父と母には迷惑をかけた。
叔母二人も乗せて、墓参りに出かけたのは、８時過ぎだった。
毎年この墓参りで思うが、
年々父と母が年をとって弱ってきているのだった。
歩くのも気をつけている二人の姿を見ると、
無常について考えてしまった。
二人は、きっと自分の死のことを思って祈っているのだろう。

帰ってきたら、妻の父の墓参りに、妻の母と姉と一緒に安田に出かけた。
長男・次男は一緒である。
車の中で二人で遊び、眠っていた。
すごい暑さの中に墓は建っていた。
ひしゃくで水を汲み、墓に長男もかけていた。
妻の実家では、お姉さん手作りのアジアンカレーだった。
ここでも私はビールを飲んだ。
家にいるときよりも、子供たちと一緒に居る時間が長かった。
長男はギターを弾き語り、ピアノを弾いていた。
「本当に音楽が好きなんだね。」
そのお姉さんの一言で、何か心の琴線に触れるものがあった。

彼は、モリスの中古ギターを買ったが、また騙されたようである。
そのピッチの調整にはたくさんのお金がかかるという。
そういう男なのだ。
「本当に音楽が好きな」そういう男なのだ。
髪の毛を立て、服装を気にして、眉毛もだんだん薄くなってきた。
かってならば、絶対に許そうとは思わなかった頑固親父も、
この長男の変身のおかげで丸くなった。

夕方、父と母に付き合って、彼等二人は古町へ墓参りに出かけた。
父も母もとても喜んでいた。
夕食に間に合うようにと、向かいのＨさんからうなぎが届いた。
嬉しい限りである。

今日、トンネルを５キロ走った。
タイムがなかなか伸びない。
それでも汗びっしょりだったから痩せたろうと思って家に帰った。
しかし、１キロ以上肥っていた。
ああーーー。飲んで過ごせるお盆の日々である。