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親父たちよ

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  • from: クマさんさん

    2009/10/12 15:09:23

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    庭掃除


    父は庭をいつもきちんときれいにしていた人だった。
    しかし、脳梗塞で倒れ、歩くことも億劫になった今、
    庭は荒れ放題に荒れていた。
    私が何とかしてやらねばならなかったが、
    それがまた忙しくて、なかなか気になっていても手を出せなかった。
    父は、そんな荒れ果てた庭を見て、嘆き、ため息をついていた。

    今日、午前中に思い立って庭の掃除をすることにした。
    中2の姪っ子が手伝ってくれた。
    まずせっせと落ち葉を掃いて集めた。
    私は手で落ち葉をかき集めながら、袋に入れた。
    やってもやってもきりがない。
    それでもやり始めた仕事は途中でやめられない。
    そのうちに、父が出てきた。
    珍しいことだ。

    私たちの仕事振りを椅子に座って眺めていたが、
    自分からほうきをもって姪っ子と一緒に掃き始めた。
    つらそうだった。動けない自分が情けなく思われるのだろう。
    それでも仕事を続けていた。
    ていねいなのだ。驚くほど父が手を加えるときれいになるのだ。
    さすがだなぁと思ってしまった。

    裏の坪庭も整理した。
    伸び放題の枝を切った。
    落ち葉を拾い、雑草を抜いたら、清々した庭になった。
    「ありがとな」
    その声の力強さに、私は思わず振り返ってしまった。
    何年ぶりでこの父の声を聴いたような気がした。

    あれだけ外へ出ることを嫌がった父が、
    それからしばらく、私が枝をまとめて縛る様子を眺めていてくれた。
    息子にとっての父親とは、
    何だか不思議な存在なのだ。
    ああ、父と居る時間は作らねばならないなぁ。
    全ての仕事を完了した時、そんなことを想った。

    ぼーっと、日向ぼっこしている父を残して、
    私は独り自室でyuccaの音楽を聴いている。
    こんな休日も久しぶりだった気がする。

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