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  • from: クマさんさん

    2009年12月29日 06時32分58秒

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    父のこと


    父がすっかりと年を取ってしまった。
    何も張り合いがないと言う。
    ただ一日をぼっーとして過ごすだけだ。
    炬燵に入ってうつむいている。
    年末は、本当によく働いた父だった。
    それができない。
    そして、そんな意欲も起きない自分自身に腹を立てていた。

    母は、いつも気丈に振舞う。
    そんな父を励まし、時には叱咤しながら、ご飯を食べさせる。
    お茶を入れて父に飲ませる。
    声をかけて、「頑張ろて」と呼びかける。
    自分も辛いことが多いだろうに、
    父のことを想いすぎるほど、想っている。

    年末になると、父がばたばたと家の仕事をするのが煩かった。
    よく文句を言われた。
    面倒だから、私は自室に篭って逃げていた。
    父は新年を迎えるための大掃除に余念がなかった。
    すっきりとさっぱりとした家で大晦日を迎えるためだった。
    それが我が家のこの頃の儀式だった。

    そんな儀式が、私の代になって廃れてしまった。
    年の瀬だから、お正月だからと言って、
    何か特別なこともなくなった気がする。
    節目節目にきちんと整え、
    新たな出発をすることが日本の伝統文化だった。

    大晦日の紅白歌合戦が終わってからの二年参り。
    行く年来る年の除夜の鐘は、年越しそばを食べながら聞いたものだ。
    元旦の朝、父は着物を来て、私たちの前に座った。
    そして、機嫌よく日本酒を飲んだ。

    そんな家族のもっていた儀式を、
    私はどうも廃れさせてしまったらしい。
    子供たちには、あの寒い元旦の朝の、
    すがすがしい思い出を与えてやれなかったようだ。

    それをできなくなった自分自身を父は嘆いていた。
    体がきかず、意欲がなくなった自分を、
    父は持て余していた。
    生きることは、ある意味チャレンジなのかもしれない。
    父は、その今日だけでも生きようというチャレンジが
    できなくなってしまったのだ。

    休みで家に居ると、
    そんな父の姿ばかりを見ることになり、
    寂しく辛くなる。

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