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  • from: クマさんさん

    2010年01月17日 08時53分57秒

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    泣き虫親父


    阪神・淡路大震災から15年目の朝である。
    追悼の想いでこの朝を迎える。
    昨日、「神戸新聞」の記者を描いたドキュメンタリ・ドラマを観た。
    泣けて、泣けて仕方がなかった。

    一瞬にして親を失い、子を失い、兄弟を失ってしまった人たち。
    その惨状に記者が行く。
    しかし、カメラを向けるがシャッターが切れないのだ。
    「奇跡の生還か」と想い、ファインダーをのぞくと、
    助けられた女性はすでに息を引き取っていた。
    こころで泣いて謝りながら、必死でシャッターを押した。

    その遺族の悲しみの姿にカメラを向けられなくなってしまったカメラマン。
    何のために写真を撮るのかと、自問自答を繰り返す。
    そんな中で、遮二無二現場に出て写真を撮ってくる若いカメラマン。
    「お前は何で平気で写真が撮れるのか」とつかみかかり、取っ組み合いの喧嘩となる。
    彼もまた、心で号泣しながらシャッターを切っていた一人だった。

    自分の父親が倒壊した家の下敷きになっている。
    消防団の男性がそのよこを通り過ぎようとする。
    「父が、この下に埋まっている。助けてください」
    「応答はありますか」
    「いえ」
    「私たちは生存反応のある方を先に救出します」
    男性は深く頭を下げて去って行った。

    彼もまた神戸新聞のベテラン記者だった。
    その彼にデスクから異例の依頼があった。
    「社説を書いてください」だった。
    震災3日目、神戸の町はすべて倒壊していた。
    その悲惨な現状と多くの悲しみの中で、記者は書くことを決意した。
    被災者の一人として、家族を亡くした一人として、
    とつとつと心の想いを言葉に綴った。
    そんな最中に、父の遺体が発見されたことを知らせる電話を受けた。
    「私は、今まで被害にあった人の立場に立って記事を書いていなかった」
    心の痛みが、彼にその記事を書かせた。

    親を亡くした姉妹がいた。
    受験勉強をしている中学生くらいのお姉さん。
    若いカメラマンが、その懸命で健気な姿に心を打たれた。
    「写真撮っていいですか」
    少女ははにかみ、うなずいた。
    「笑顔の写真」それは、希望と再生の写真である。

    「復興のための希望を書こう」「生活のために必要な情報を提供しよう」
    新聞の情報が人々の心を支え、励ました。
    そして、その新聞を無償で配り歩いた販売店を親父さんがいた。

    何で人には、涙があるのか。
    私は堪え切れずに、嗚咽していた。
    何でこんなに人は泣けるのだろうか。
    いや、泣けるから、人なのだ。

    今朝、神戸だけでなく、日本中でどれだけの涙が流されているだろう。
    「泣ける」
    その涙でしか伝えられないものがあり、
    その涙だけが人を慰め、救える力があるのではないだろうか。

    神様は、人に涙を与えてくださった。

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