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  • from: クマさんさん

    2010年08月24日 18時02分30秒

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    説明しようのないことは、説明できないのだ

    命のつながりを考える旅をした。
    バスセンターから十日町行きの高速バスに乗った。
    小千谷が目的地だ。バスの旅は快適なことを改めて知った。
    バス停では、我が師Sさんが軽自動車と共にお迎えだった。
    ここから山本山の近くの峠を越えて十日町までの旅となる。

    語ることは、森のことだった。
    Sさんが「気付き」「発見」したことは、伝えるべき大切なことだった。
    しかし、それをどう言葉で表現したらよいのか迷っていた。
    言葉に置き換えてみると、そうではないように思えてしまう。
    言葉は感性を表現するには、稚拙でゃっかいな道具なのかもしれない。
    命のつながりを想い、そのことを追究すると、
    人間と自然の話に行きついてしまうのだ。

    由屋でへぎ蕎麦を食べた。
    ここで初めてKさんと出会えた。
    私と同じ年。自宅の庭に自分で森を作っている人だ。
    中学校の教員を退職してから、
    フリースクールで不登校や引きこもりの子どもたちを教えている。
    由屋から見える所に自宅がある。
    彼は、Sさんが校長で森作りに取り組んだ時、中心となって活躍した人だと聞いた。
    私はこの由屋のへぎ蕎麦は日本一だと思っている。
    その蕎麦を食べながら、命のつながりの話になった。
    それは、人が生きていくために足場とすべき哲学なのである。

    Sさんが、ある若い女性のインタープリターの話をしてくれた。
    山の気を感じ、そのエネルギーを自分の中に入れ、霊気としている人なのだそうだ。
    自然からパワーをもらう。
    山に登っていた私には、彼女が言うことがよく分かる気がする。
    大自然と向き合うことで、初めて分かることがあるのだ。
    「その時、人は黙ればいいのです。」と彼女は語ったそうだ。
    「感ずること」それは、「語ること」より大事なことだ。
    「黙って、感ずる」そんな時間が、私たちの日常から消えている。

    Kさんから教えてもらったことがある。
    「この自然にとって人間は存在してはいけない生き物ですよね。
    そんな人間が生きている意味とは、自然にとっては何なのでしょう」と私が問うと、
    「自然を賛美するために人は生きていると、ある絵本作家が言っていましたよ」と言う。
    うーーーん。私は、その言葉に唸ってしまった。
    「自然を賛美し、祈り、崇拝するために人間は存在しているのだ。」
    それは、命のつながりの中での人間が果たすべき使命なのだ。
    賛美するために、音楽が生まれ、踊りが生まれ、歌が生まれ、言葉が生まれた。
    そう考えると、言葉に神が宿る「言霊」という言い方がよく分かる気がした。

    この大自然が沈黙を通して語る言葉を理解し、
    言霊をもって翻訳し、伝えることが表現者としての人の役割だったのか。
    縄文時代の人たちは、火焔式土器の中にその言霊を込めたのかもしれない。
    太鼓や笛の音、唸り声やささやき声に、その言霊を込めたのかもしれない。
    「感じて」「魂が動かされたから」「表現したくなった」のである。
    自然の巫女であればよい。

    さて、さて、命のつながりの旅は、次に私たちをブナ林に誘ってくれた。
    38度の気温であったそうだ。
    しかし、林の中に入ると、清清とした息吹に包まれた。
    音はなく、ただ黙ってブナたちはそこに立ち、訪れた私たちを見つめてくれた。
    ここにも感ずるものがあるが、それは言葉では表現できない何かであった。
    私が生まれる前からここに立ち、私が死んだ後もここに居る。
    私は、そんな沈黙する樹木たちを見ると、何だか禅の坊さんのように思えて、
    その幹に触り、語りかけたくなってしまう。

    「私の命は、太古から一度も途切れていません。」
    「食べることで、他の命を己が命として取りこみ、つながって行くのです。」
    「命と言う存在は、宇宙とのつながりの中で生かされているのですね。」
    「基を辿れば、みな同じなんです。」
    結局、禅問答のような言葉だけが残された。

    言葉では表せないものが、大切なものなのだ。
    語ることより、感ずることが大切なのだ。
    その存在を信じ、伝えることが、私たちの使命なのだ。
    それを教育の現場で実現し、子どもたちに伝えたい。

    そんな新たな情熱を受け継いで、私の命のつながりの旅は終えた。

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