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  • from: クマさんさん

    2010年09月28日 05時40分59秒

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    そのことを忘れずに

    さて、雨になった。
    夜中の寒さから、毛布を引っ張り出して寝た。
    あの猛暑は、いったいどこへ去ってしまったのだろう。
    ひと雨ごとに秋が近づき、深まって行く。
    季節は移ろい、たんたんと過ぎ去って行く。
    その流れの中に人もいる。

    母の手術が、本日午後に行われる。
    昨夜は、医師からよく眠れるようにと、睡眠薬を渡されたそうだ。
    麻酔は効いていても、ある意味腹切りだ。
    そして、胃の3分の2をとってしまう。
    切られた先同士をつなぎ、手術は終了する。
    そんな大手術に85歳の母は挑戦する。

    医師への信頼。
    今はただ祈るだけである。
    担当のS先生は、温厚で誠実で名医としての評判のある医師である。
    何度かお会いして、説明を受けたが、
    その度に、心に温かなものを残してくれた。
    母のことを心から気遣い、日に三度も病室に来て声をかけてくれる。
    「医は、仁術」であり、やはり「医は、人」なのだ。
    人としての信頼感が、患者とその家族とを安心させてくれる。
    「先生なら大丈夫だ。」
    母は、そんな境地でこの数日病室で過ごした。

    午後1時から手術は始まる。
    午後4時には終了し、医師からの説明があると言う。
    その間、何が起こるか分からないので、家族は病院の控室で詰めている。
    万が一のことは、想定内の出来事なのだ。
    無事に手術が終わり、全ての患部が摘出されることを祈るだけだ。

    台所から、母の姿が消えた。
    父は、話し相手のいない一日を送り始めている。
    「行ってきます」と言っても、「ただ今」と言っても、
    母からの返事は聴けない。
    例えば、母の病気を知ることのない7月下旬の猛暑に戻ったら、
    その日常は、ごくごく当たり前の平凡な日々だった。
    誰も母の癌を疑わず、それなりに楽しく、それなりに平穏な日々を送っていた。
    しかし、今ではそんな当たり前の日常は夢物語なのだ。

    「今が旬だ。今に感謝し、今を味わう。」
    突然だが、そんな言葉が頭に浮かんだ。
    夕食の後で、母が買って置いた巨峯の房を冷蔵庫から取り出し、
    一粒一粒食べている。
    この甘み、このうま味は、今だけのものである。
    その出会いに感謝しつつ、その味を味わい、幸せな気分になる。
    そんな気持ちで日々生きていたら、
    不満や、愚かな怒りや、余計な失望を味わわずに生きられるはずだろう。

    季節は移ろい、たんたんと過ぎ去って行く。
    そのことを忘れずに、今日だけは生きたいものだ。

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    秋桜

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