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  • from: クマさんさん

    2010年12月28日 07時50分02秒

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    武士の家計簿

    「武士の家計簿」
    この映画を観ていて、現代に通ずるテーマ満載で驚いた。

    まず、「勤める」ということだ。
    加賀藩の経理を担当する部署に見習いとして働く主人公は、
    実に真面目に、実直に、仕事一筋に勤めを果たしていた。
    「算盤馬鹿」と周りから揶揄されながらも、
    真剣に仕事に向かう姿が心に残った。
    自分の力を公に謹呈することが、「仕事」なのだと教えられる。
    そして、侍はその仕事で失敗をすればその罰として「命」すら奪われる厳しさも感じた。

    財政方は、飢饉の時、
    各村々に与える「お助け米」を途中で搾取することが慣例になっていた。
    帳尻は帳簿上は合わせているが、よくよく調べると矛盾は露見する。
    彼は、ある日それを発見した。そして、上司に進言するが、握りつぶされる。
    それでも不正を明らかにしたいと、独自の調査を始め、
    調査書を作成して、上司に手渡す。
    後に、このことで能登に左遷されそうになる憂き目にも会う。

    家計が火の車であることを知ると、途端に緊縮財政を組む。
    借金を一文でも減らすために、
    ありとあらゆる趣向品や家具・調度品・着物に至るまで売り払う。
    武士としての対面よりか、実を取るこの男の潔さ。
    それは、持続可能な家を作る為の避けては通れぬ道なのだ。
    膨大な借金の半分を返済し、残りは無利子の10年の分割とする。
    そんなことを言ったお武家さまは初めてだ。と金貸したちも舌をまく。
    この果断な処置を本来は、日本と言う国家がやらねばにらないのだ。

    子どもに対する厳しい躾と教育にも教えられた。
    子どもを一人前に育てるのは親の仕事である。
    一人前に育てるからこそ、子は厳しい世の中で生きていく力を得るのだ。
    家計のやり繰りを任された子は、ある日一文を失くしてしまう。
    拾った一文で帳尻を合わせたが、
    すかさず父は見破り、その一文を拾った場所に返して来いと言う。
    もうすっかり夜更けである。6歳の子にそれを命ずる。
    反発する子を投げ飛ばし、額に怪我を負わせる。
    それでも鬼になる。
    この子は、後に運命的な出会いにより、海軍の主計局の長となる。

    主人公の言葉の中に、こんな言葉があった。
    「親として、子に恥ずかしい生き方を私はしたくない。」
    だから、「算盤侍」としての生き方を誇りをもって貫き、
    藩の不正に対しては下級侍ながら命懸けで訴え、
    武士の対面何ぞ捨て去って、家を守るために奔走した。
    何よりも、人としての生き方を真摯に愛情を込めて、
    その子に伝える努力を親として怠らなかった。

    実は、この主人公。歴史に埋もれていた平平凡凡たる侍である。
    それを彼が残した「家計簿」からヒントを得、
    作者は物語として蘇らせたのである。
    その代々続いた家計簿は、今でもこの家では付けられているそうだ。

    日本人が、日本人として持っているはずの素朴な「らしさ」を、
    この映画は丁寧に、ごくごく自然に描いてくれている。
    何よりも、監督の森田芳光が、丸くなったことを感じた。
    人は、年をとると、やっぱりここに戻るなぁと、私はこの映画に頭を下げた。

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