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  • from: クマさんさん

    2011年02月11日 23時21分50秒

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    やっと人間に戻る

    実は、今朝の2時まで飲んでいたために、
    今日は一日死んでいた。
    しかし、彼とは飲まねばならない人なのだ。
    私にとっては、大切な人だから、彼とはどんなことがあろうと飲むのだった。
    彼の悩みは、聴いてやることしかできない私だ。

    起きられるどころか、悲惨な状況だった。
    妻に起こされても、意識はあっても使い物にはならない状態だった。
    9時30分には、K病院へ叔母たちを連れて行く約束をしていた。
    母が、やっと退院できるのだ。
    私が10時に叔母たちと共に迎えに来るとの約束をしていた。
    なのに、この有様だった。
    確かに、妻からは信用をなくすわけだ。

    「何でこんな日にそんなに飲まなければならないん。」
    「彼の話、聴いてやらんばねぇかららこて。」
    「そんなら飲まないで話しを聴けばいいでしょう。」
    そりゃそうだが、1次会でもたいそうな量を飲んでいるのだ。
    大酔っぱらいの私は、母の退院を妻に任せて、
    ただ只管眠ることにした。

    「いつもこうなんだから。」
    いくつになっても酒での失敗はつきもののようだ。
    すると11時頃北区の文化会館から電話があり、
    脚本家や演出のプロたちとの打ち合わせの日程が決まった。
    下では、交番の巡査の人が玄関で私のことを待っていた。
    昼飯を食べにダイニングへ行くと、母が炬燵に入っていた。
    軽く食べてから、私はまた寝ることにした。

    せっかくの休日であったが、しゃきっとしたのは午後4時過ぎだ。
    それから初めて私の2月11日が始まった。
    ワイシャツのクリーニングを出すついでに、サークルKへ行った。
    するとかの巡査が店内にいた。
    お互いに挨拶をした。本気で探してくれていた。

    いろいろと今回の事件からは学ぶことが出来た。
    それは、明日ゆっくりとここに記すつもりだ。
    夜「沈まぬ太陽」を観た。
    この映画、映画館で観て泣けて泣けて仕方なかった。
    彼は、私だった。
    私も、彼のようにして組織の中で生きて来たつもりだった。
    その生き方こそ、いつの時代でも人が人として目指す太陽なのだ。
    中庸・王道・真実・正義・勇気。
    自転車泥棒にも、こんな生き方を教えてやりたいものだと思った。

    「明日は、どんなご予定ですか。」と、妻に問われた。
    「明日は、映画三昧します。」と、勇気を出して宣言した。
    妻は、仕方ないと諦めてくれたであろうか。
    「それから、日曜日はコンサートと食の陣に行きます。」と、何気なく付けくわえた。
    妻は、黙って開いた口がふさがらないようだった。

    人間に戻ってから、まだ7時間である。

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    秋桜

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