日曜日の朝、やっぱり早起きしても観るテレビ番組がない。
NHKで「心の時代」を放映していたので、何気なくそれを観ていた。
やっぱりこれも何かの縁だったのか。
心にぐっと沁みるお話だった。

「人は、そこに居るだけで意味がある。」
人は、生きていることに意味がある。
例え、その意味を説明できなくても、そこに居てくれていい。
父は81歳。母は85歳。
毎朝、母は台所に立ち、父はテレビの前にごろりと寝ている。
父は、何も話さない。
でも、そこに居てくれるだけで、とても尊い。
昨日ふと思った。
そうだ、父と母とが長生きしてくれたから、
私は親のいない子どもの寂しさ、悲しさをこれまで味わうことがなかったのだと。

「無量　一如　縁起」これが釈尊の悟りです。
全ての命は、一つの如く縁をもってつながっている。
そのつながりを信ずれば、人は大きな命のつながりの中に生きられる。
その大きな力を「他力」と呼ぶ。
その「他力」に任せて生きる時、人は「常住なる存在」となる。

身体・身心・身技
「心・技・体と分けて考えるけれど、ここに身がなくては意味がないのです。」
「体とは温みです。」
「心とは感覚です。」
「技とは精進です。」
つまり、温かな体(優しさ・慈しみ・生きている証)をもち
感覚(共感・感受・感動)の感性をもち
技(こつこつと続ける・日々歩む)
それが生きることです、とのことだった。

そして、前生があり、後世があり、その間にあるのが今の身だ。
それは、私が覚えていない前生から縁あって私が生まれ、
死んだ後は、私が知らなくても後世に私は生かされる。
前生・身・後世なのだから、全ての命には始まりも終わりもないのだ。
それを仏教では「輪廻転生」と呼んでいる。

だから、全ての人は、縁によって無量なる命の一人として、この世に生を受けている。
ならば、その限られた生を、一人一人が精一杯に生きればいいのだ。
生まれた処は一つである。
全ての命は、無量なる存在を母として生まれている。
その命に上下なし。その命は平等なり。
同じ縁から生まれたのだから、全ての人は縁で繋がっているからだ。

そして、この宇宙を満たすその無量なる存在は、
愛であり、慈しみである存在そのものなのだ。
だから、全ての人は、愛と慈しみを母として生まれたとも言える。
祈りを通して、その存在を信じられるか否かで、「信仰」が決まる。
それは、どんな宗教でも言えることだと私は思う。

無量なる存在から縁あって生まれた一人一人。
人間の尊厳とは、そこにあるのではないだろうか。
ある意味、一人一人が仏なのだ。
その一人一人の仏を拝み、敬意を払うことが、
人権教育の基本なのだ。
「あなたは、私の目からは尊い」byイエス

私も尊い命を受けた一人なのだから、その命に恥ずかしい生き方はできないと思った。
そして、もし一人一人がこんな思いで他者とつながれたら、
どんな平安な世の中になることだろうとも思っている。

時には、仏様の話もいいものだ。