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  • from: クマさんさん

    2011年08月06日 07時09分31秒

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    語り合う

    木曜日は、途中の会で山本山の山荘だった。
    85歳のOさん。65?歳のSさん。?歳のWさん。そして、49歳のWWさん。
    不思議な出会いの5名が、年に2回この山荘に集まる。
    何の話をするためなのかというと、
    それは「人間の生き方」の話をするためだと言うしか言いようがなかった。
    私は、この会を心待ちにして、いつもいつも楽しみにしている。
    それは、「人間の話」ができるからだった。
    お互いにいろいろな人生を経て、
    ここまで生きて来る間に感じたり、発見したりしたことを語り合う。
    これが何とも贅沢な時間なのだった。

    初めに、「王瀬の長者」の劇について語った。
    長者が支配し、権力を握る世の中。
    その長者の恩恵によって生かされている多くの人たち。
    その長者のあこぎなやり方に対して抗議する少数の人たち。
    そして、抗議した人たちが迫害され、差別される現実。
    ところが、長者が無理難題を言い出せば、
    それに黙って従わねばならない恩恵を受けた人々。
    東電と原子力村そのものの構図がここに描かれている。

    次に、「吾を忘れる」という話で盛り上がった。
    吾を忘れる瞬間があるから、人は感動するという話だった。
    演劇をやりながら、いつも想うことだった。
    吾がいると、台詞はただの台詞となってしまう。
    大切なことは、相手が言った台詞を臨機応変に受けて、返すことなのだ。
    つまり、最初からこう言おうと決めてかかると、
    お互いはただ台詞を言い合っているだけで終わる。
    しかし、相手のその瞬間の感情の動きによって語られた台詞は、
    その瞬間だけそこに生きる台詞なのだ。
    だから、その感情を受け止めた台詞を返すことこそ、人間らしいと私は想う。
    吾を忘れ、柔軟に相手の想いに対応する。
    それが、本来の人と人との関係づくりなのではないだろうか。
    「相手が先」「相手を尊重する」
    そうだなぁと、改めて気づかせられた。

    もう一つは、「消えるから、美しい」ということだった。
    ついさっきまでここにあったドラマは、既に消えてどこにも存在しないのだ。
    舞台がはけた後、ステージに独り残ると、その儚さに涙がでたことがあった。
    もうどこにも存在していないのだ。
    その消えるものに賭ける。
    いや、消えるのは今という瞬間のつい後のことなのだ。
    今は、消えない。今は、このキーボードを打っている瞬間である。
    ここには、確かに存在している。その後は、すでに消えた過去になる。
    二度と再びこの感動の瞬間を味わうことはない。
    よくコンサートや演劇を観て想うことがある。
    それは、そんな感動は、消えてしまうものであるから感じられるという話だった。

    「日本は、歴史的な大きな転換を近世以降3回経ていますね。」
    「一つは、西洋列強諸国の影響により開国した明治維新です。」
    「一つは、太平洋戦争の敗戦によりアメリカの影響により生まれた民主主義の日本です。」
    「そして、もう一つは、3.11以降の日本なんです。」
    Oさんが静かに語るこの歴史の視点に、私は思わず惹きこまれてしまった。
    「明治は確かに欧米諸国の外圧により、大きな歴史的な転換を迫られました。」
    「敗戦により、日本はアメリカの指導で民主主義の国を作って来ました。」
    「日本の大きな転換期には、必ず外圧が存在しています。」

    「そして、3.11では、その外圧が悲しいことに津波と放射能だったのです。」
    「その転換期に立たされた日本は、これからどうするのでしょうか。」
    「明治維新や敗戦の後には、お手本となる諸外国がありました。」
    「しかし、3.11その後の日本は、日本人自身が考え、選択し、決定していくしかないのですね。」
    「では、どうするか・・・・。」

    その時、日本のあちらこちらで、想いと願いのある人たちが集まって、
    やっぱり「人間の話」をし続けることなのではないかと、私は思い至った。
    討幕を唱え、果敢に戦った草莽の志士たちは、
    やっぱり集まり、こうして語り合い、分かち合い、真実を見つけ、
    力を合わせて、立ち上がったものだった。

    人間だけに許されていることとは、「語り合う」ことなのだ。
    たとえ消える言葉であろうとも、その言葉によって力を得て、励まされることもある。
    語り合えるとは、とてもとても幸せなことなのだ。

    私の帰りの高速バスの時刻になったので、「途中の会」は残念ながら閉会となった。
    別れ際に握手した。
    語り合っていただけた大先輩たちに、心からの感謝だった。
    私は、胸いっぱいの幸福感を感じた。
    人間とは、語り合うことでこんなに幸せになれる生き物なのだ。

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