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  • from: クマさんさん

    2011年10月24日 16時29分51秒

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    演劇の原点とは

    迷ったら原点に帰る。
    そうすると、心の迷いやわだかまりがすっきりと取れる。
    学校のすぐ目の前には田んぼと山が広がり、
    すぐ裏手には滔々と流れる信濃川の絶景がある。
    そんな小さな山の学校に、実は原点がいくつもあった。

    演劇の原点とは、やっぱりみんなで一体になって楽しむことなんだ。
    子どもたちは晴れ舞台で張り切り、先生方も心血を注いで舞台を創る。
    衣装がいい。大道具がナイスです。脚本がよく練られている。
    何よりも演ずる一人一人が輝きに満ちていた。
    緊張して失敗することもあっても、それを笑いに変えて次につなげる。
    舞台とは、やっぱり晴れの場所であり、自分を思いっきり表現できる場所だった。
    やっぱり舞台は、人にしか創られない熱い生き物だった。

    その熱演を通して伝えられるメッセージがとてもいいのだ。
    文化を伝えている。文化を受け継いでいる。
    それが舞台の役割の一つだと教えてもらえた。
    舞台は、時代の文化でもあると感じた。
    だから、それぞれの劇には、演ずる意味があった。
    心から伝えたいメッセージが存在していた。
    それは、次の時代をもっともっと自然と共にみんなで幸せに暮らすための大切な先祖からのメッセージでもあった。
    だから、観客の共感を呼ぶのだった。
    舞台とは、人生や生き方を振り返り、改めて見つめ直す場でもある。
    私は5年生のメッセージソングに、泣けて泣けて仕方なかった。
    この歌に出会うために、この発表会に来たのかもしれないと想った。

    私の隣のお婆ちゃんは、フイルムのカメラで孫の姿を撮っていた。
    ジーッというフイルムを捲く音が懐かしかった。
    一家総出での応援だった。
    地域のお年寄りたちは、毎年楽しみにこの発表会に集まって来るそうだ。
    もう学校とは関係が無くなっても、やっぱりこの発表会には来てくれる。
    「ほれほれ○○の子どもが出たれ。」「上手なもんらね。」「あっはっはっ。楽してば。」
    そんなつぶやきが聞こえて来る。
    子どもの舞台は、お年寄りたちには大歓迎だ。
    笑顔で演劇を楽しむお年寄りたちの姿を見て、ここにも演劇の原点を感じた。
    この人たちに愛されてこその演劇なのだ。

    舞台は、喜びであり、悲しみであり、怒りであり、挫折であり、希望であり、夢である。
    役者さんのそうした台詞一つ一つ、動作の一つ一つに共感しながら、
    いつしかその世界に惹きこまれ、吾を忘れて見入ってしまう。
    共に笑い、共に泣き、共に怒り、共に戦いながら、
    いつしか「こころ」に生きる希望や力が湧いて来る。
    演劇には、人の心を励まし、勇気を与える力が確かにある。

    何だかとても単純な気づきだが、その原点がこの発表会の劇から感じた。
    実は、市民劇団を立ち上げる時の夢は、こんな劇団を作ることだった。
    みんなと一緒にわいわいと楽しみながら、協働で一つの劇を手造りでこさえたい。
    お客様は、近所のお年寄りや父ちゃん母ちゃん、子どもたち。
    笑って、泣いて、感動し、「ああっ、いかったねぇ。」と涙を流して帰って行く。
    そんな原点を今は見失ってしまっている。

    そんな迷いと切なさの中で、私はこの山の小学校に呼ばれた。
    そして、私が観たものは、素朴で温かな演劇の原点だった。
    私は、子どもたちの演劇を観て、魂が救われる想いがした。
    ストレートに子どもたちの想いが伝わってくるのは、
    子どもたちの魂が美しいからなのだ。

    諍いや喧嘩をしている人間には、平和な世の中を創る為のメッセージを語って欲しくはない。
    それは、全て嘘っぱちだからだ。
    私は、賢治さんに申し訳なく想い、自分自身が情けなく情けなく情けなく感じていた。
    「雨ニモマケズ」に対して、私はとても恥ずかしかった。
    だからこそ、賢治さんがこの山の学校の演劇発表会に読んでくれたのだろうと、今では想っている。
    私は再び、市民劇団を立ち上げた頃の原点を思い出した。

    人の出会いとは不思議なものだ。
    私が迷い、心重苦しい時に、私はこの演劇を観て心から励まされ、再生された。
    私は、もう一度そんな演劇を創りたいと想えるようになってきていた。

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